アングル:ヒット続出、ホラー映画が映画館救う 著名監督も参入

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Dawn Chmielewski[ロスアンゼルス 5日 ロイター] - 吸血鬼、ゾンビ、死神をテーマにした映画が人気だ。エンターテインメント業界関係者は、観客はスーパーヒーローや続編、再解釈も...

吸血鬼、ゾンビ、死神をテーマにした映画が人気だ。写真は、映画「罪人たち」の特別上映会の参加者ら。同作の舞台となったミシシッピ州クラークスデールで5月29日撮影(2025年 ロイター/Kevin Wurm)エンターテインメント業界関係者は、観客はスーパーヒーローや続編、再解釈ものに飽きており、ホラー映画が救世主として台頭していると指摘する。調査会社コムスコアのデータによると、今年の北米におけるチケット販売の17%をホラー映画が占めており、2024年の11%、10年前の4%から増加している。 「罪人たち」や「ファイナル・デスティネーション:ブラッドライン」が興行収入で成功を収め、また、「死霊館 最後の儀式」や「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2」といった人気ホラー映画の新作が米国で年内に公開される予定で、映画館の経営者はこの状況を歓迎している。 ジョージア州サンディスプリングスの映画館「スプリングスシネマ&タップハウス」のオーナー、ブラント・ギャリー氏は、「ホラー映画は、成長させたいジャンルの一つだ。観客動員の落ち込みを埋めてくれる」と述べる。 映画プロデューサーやスタジオ幹部、映画館経営者らは、ホラー映画はこれまで、現代社会に生きる不安を安全に発散する手段として機能してきたと指摘する。世界的なパンデミックの後遺症に加え、人工知能への偏執、自分の体に対するコントロール感の喪失、人種差別の復活など、テーマには事欠かない。低予算で製作されることが多いホラー映画は、「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」のような高コスト、ハイリスクな作品に比べて、リスクを取りやすい。この創造的な自由さが、ライアン・クーグラー、ジョーダン・ピール、ダニー・ボイル、ギレルモ・デル・トロといった著名な監督たちをひきつける。 コムスコアの上級メディアアナリスト、ポール・ダーガラベディアン氏は、「映画会社の会計担当者にとってホラー映画は夢のような存在だ。SF超大作となると、費用を抑えることは難しいが、ホラー映画なら、低予算映画でもとても怖い作品を作れる」と述べている。パンデミック期には映画館で映画を鑑賞する習慣が途絶え、家庭で動画を視聴することが増えた。映画館のビジネスはまだ回復途上にある。 「罪人たち」を配給したワーナー・ブラザース・モーション・ピクチャー・グループのマイク・デ・ルカ共同会長は、ホラー映画は、人々を家から連れ出すことができるジャンルだと指摘する。「ホラー映画が盛り上がれば、映画業界全体が潤う。映画館に足を運ぶ習慣を何とか取り戻したい。」 恐怖に地理的な境界はない。ロンドンに拠点を置く調査会社アンペア・アナリシスによると、昨年、米国の主要配給会社が公開したホラー映画の半分は、興行収入の50%以上を米国以外で稼ぎ出した。例えば、「サブスタンス」は国際的にヒットし、世界中で7700万ドル(約112億円)以上の興行収入を記録したが、その約80%は米国以外からのものだった。 動画配信サービスも、このジャンルの魅力に注目する。米ケーブルテレビ局AMC制作のゾンビ・ドラマシリーズ「ウォーキング・デッド」は、2023年にネットフリックスに追加されると最も人気のあるシリーズの一つとなり、同社によれば13億時間の視聴時間を記録した。同サービスでは11月に、ギレルモ・デル・トロ監督によるメアリー・シェリーの小説「フランケンシュタイン」の映画化作品を公開する予定だ。ホラー映画は、映画館での鑑賞するのが最適だ。映画館という環境が視聴体験を高めるからだ。「携帯電話をいじらずに、他の100人と暗い部屋に座って飛び上がるといった体験は家では無理だ」。「ハロウィン」や「パラノーマル・アクティビティ」など低予算で高い利益を上げたホラー作品を手掛けた、制作会社ブラムハウスのジェイソン・ブラム最高経営責任者(CEO)は語る。「家でホラー映画を見ても、本当に怖がることはできない」。 映画業界が「テントポール」と呼ぶ大規模予算の映画(「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ ワールド 」や「マインクラフト/ザ・ムービー」など)は、依然として映画館の生命線だ。しかし、こうした大作が幅を利かせるようになり、中規模予算のラブコメやドラマは、映画館のスクリーンから追いやられてしまった。コムスコアによると、ホラー映画は、2017年に米国とカナダで初めて興行収入10億ドルの壁を突破した。スティーブン・キングの小説の映画化作品「IT/イット」や、ジョーダン・ピール監督が人種間の不平等を描いた「ゲット・アウト」のヒットがきっかけだ。アンペアの調査によると、昨年米国で製作されたホラー映画の本数は、2023年と比較して21%増加した。アナリスト、アリス・ソープ氏は顧客向けレポートの中で、「パンデミック以降、芸術性の高い作品や、一部のテントポール作品が世界の興行収入で苦戦する中、ホラー映画は依然として、観客が映画館で鑑賞する重要なジャンルの一つだ」と指摘。彼女自身の消費者調査では、18歳から24歳の映画鑑賞者の3分の2が最も好きなジャンルとしてホラー映画を挙げている。 ワーナー・ブラザースのマイク・デ・ルカ氏は、「10代の若者がデートで映画に誘おうとするとき、ホラー映画は決まって人気になる。身を寄せ合って、息を呑んだり、叫んだりできるから、デートには最高の体験だ」と語る。ホラー映画は、1910年、トーマス・エジソンが初の撮影カメラ、キネトグラフで「フランケンシュタイン」を撮影した頃から、映画の定番だった。1932年、全英映像等級審査機構は「H」というレーティングを導入し、このジャンルを正式に指定した。「サイコ」、「エクソシスト」、「シャイニング」といった作品が批評的にも商業的にも成功を収めるにつれて、認識が変わり始めた。スティーブン・スピルバーグ監督は、1975年に古典的なモンスター映画を再構築した「ジョーズ」で、夏の大作ヒットの時代を到来させた。ジョーダン・ピール監督は2018年に「ゲット・アウト」でアカデミー脚本賞を受賞した。デミ・ムーアは今年初め、「サブスタンス」で、美しさを保つためには手段を選ばない年老いたハリウッドスターの役を演じ、自身初のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。 全てのホラー映画がヒットするわけではない。殺人ロボット人形を題材にした2022年の低予算映画「M3GAN/ミーガン」は、世界で1億8000万ドルの興行収入を記録したが、その続編は、公開の週末に米国とカナダで1020万ドルという控えめな興行収入にとどまった。 米国の映画館は、今年の夏に上映するホラー映画に事欠かないだろう。コロンビア・ピクチャーズの1997年の映画「ラストサマー」のリブート作品「I Know What You Did Last Summer(原題)」(7月18日公開)や、「Weapons」(8月8日公開)など、7本のホラー映画がレイバーデー(9月1日)の週末までに公開される予定だ。 ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント傘下の映画製作・配給会社スクリーン・ジェムズのアシュリー・ブルックス社長は、ソニーの「I Know What You Did Last Summer(原題)」や「クワイエット・プレイス」、「スクリーム」などの作品に携わってきた。ブルックス氏は優れたホラー作品について、「観客が思わず、そこへ入るな!と叫んでしまうような、本能を刺激する映画こそ最高だ。身もだえし、笑い、絶叫する。そうした感情の渦を通して、観客は心から映画を楽しめる」と語った。.

吸血鬼、ゾンビ、死神をテーマにした映画が人気だ。写真は、映画「罪人たち」の特別上映会の参加者ら。同作の舞台となったミシシッピ州クラークスデールで5月29日撮影(2025年 ロイター/Kevin Wurm)エンターテインメント業界関係者は、観客はスーパーヒーローや続編、再解釈ものに飽きており、ホラー映画が救世主として台頭していると指摘する。調査会社コムスコアのデータによると、今年の北米におけるチケット販売の17%をホラー映画が占めており、2024年の11%、10年前の4%から増加している。 「罪人たち」や「ファイナル・デスティネーション:ブラッドライン」が興行収入で成功を収め、また、「死霊館 最後の儀式」や「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2」といった人気ホラー映画の新作が米国で年内に公開される予定で、映画館の経営者はこの状況を歓迎している。 ジョージア州サンディスプリングスの映画館「スプリングスシネマ&タップハウス」のオーナー、ブラント・ギャリー氏は、「ホラー映画は、成長させたいジャンルの一つだ。観客動員の落ち込みを埋めてくれる」と述べる。 映画プロデューサーやスタジオ幹部、映画館経営者らは、ホラー映画はこれまで、現代社会に生きる不安を安全に発散する手段として機能してきたと指摘する。世界的なパンデミックの後遺症に加え、人工知能への偏執、自分の体に対するコントロール感の喪失、人種差別の復活など、テーマには事欠かない。低予算で製作されることが多いホラー映画は、「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」のような高コスト、ハイリスクな作品に比べて、リスクを取りやすい。この創造的な自由さが、ライアン・クーグラー、ジョーダン・ピール、ダニー・ボイル、ギレルモ・デル・トロといった著名な監督たちをひきつける。 コムスコアの上級メディアアナリスト、ポール・ダーガラベディアン氏は、「映画会社の会計担当者にとってホラー映画は夢のような存在だ。SF超大作となると、費用を抑えることは難しいが、ホラー映画なら、低予算映画でもとても怖い作品を作れる」と述べている。パンデミック期には映画館で映画を鑑賞する習慣が途絶え、家庭で動画を視聴することが増えた。映画館のビジネスはまだ回復途上にある。 「罪人たち」を配給したワーナー・ブラザース・モーション・ピクチャー・グループのマイク・デ・ルカ共同会長は、ホラー映画は、人々を家から連れ出すことができるジャンルだと指摘する。「ホラー映画が盛り上がれば、映画業界全体が潤う。映画館に足を運ぶ習慣を何とか取り戻したい。」 恐怖に地理的な境界はない。ロンドンに拠点を置く調査会社アンペア・アナリシスによると、昨年、米国の主要配給会社が公開したホラー映画の半分は、興行収入の50%以上を米国以外で稼ぎ出した。例えば、「サブスタンス」は国際的にヒットし、世界中で7700万ドル(約112億円)以上の興行収入を記録したが、その約80%は米国以外からのものだった。 動画配信サービスも、このジャンルの魅力に注目する。米ケーブルテレビ局AMC制作のゾンビ・ドラマシリーズ「ウォーキング・デッド」は、2023年にネットフリックスに追加されると最も人気のあるシリーズの一つとなり、同社によれば13億時間の視聴時間を記録した。同サービスでは11月に、ギレルモ・デル・トロ監督によるメアリー・シェリーの小説「フランケンシュタイン」の映画化作品を公開する予定だ。ホラー映画は、映画館での鑑賞するのが最適だ。映画館という環境が視聴体験を高めるからだ。「携帯電話をいじらずに、他の100人と暗い部屋に座って飛び上がるといった体験は家では無理だ」。「ハロウィン」や「パラノーマル・アクティビティ」など低予算で高い利益を上げたホラー作品を手掛けた、制作会社ブラムハウスのジェイソン・ブラム最高経営責任者(CEO)は語る。「家でホラー映画を見ても、本当に怖がることはできない」。 映画業界が「テントポール」と呼ぶ大規模予算の映画(「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」や「マインクラフト/ザ・ムービー」など)は、依然として映画館の生命線だ。しかし、こうした大作が幅を利かせるようになり、中規模予算のラブコメやドラマは、映画館のスクリーンから追いやられてしまった。コムスコアによると、ホラー映画は、2017年に米国とカナダで初めて興行収入10億ドルの壁を突破した。スティーブン・キングの小説の映画化作品「IT/イット」や、ジョーダン・ピール監督が人種間の不平等を描いた「ゲット・アウト」のヒットがきっかけだ。アンペアの調査によると、昨年米国で製作されたホラー映画の本数は、2023年と比較して21%増加した。アナリスト、アリス・ソープ氏は顧客向けレポートの中で、「パンデミック以降、芸術性の高い作品や、一部のテントポール作品が世界の興行収入で苦戦する中、ホラー映画は依然として、観客が映画館で鑑賞する重要なジャンルの一つだ」と指摘。彼女自身の消費者調査では、18歳から24歳の映画鑑賞者の3分の2が最も好きなジャンルとしてホラー映画を挙げている。 ワーナー・ブラザースのマイク・デ・ルカ氏は、「10代の若者がデートで映画に誘おうとするとき、ホラー映画は決まって人気になる。身を寄せ合って、息を呑んだり、叫んだりできるから、デートには最高の体験だ」と語る。ホラー映画は、1910年、トーマス・エジソンが初の撮影カメラ、キネトグラフで「フランケンシュタイン」を撮影した頃から、映画の定番だった。1932年、全英映像等級審査機構は「H」というレーティングを導入し、このジャンルを正式に指定した。「サイコ」、「エクソシスト」、「シャイニング」といった作品が批評的にも商業的にも成功を収めるにつれて、認識が変わり始めた。スティーブン・スピルバーグ監督は、1975年に古典的なモンスター映画を再構築した「ジョーズ」で、夏の大作ヒットの時代を到来させた。ジョーダン・ピール監督は2018年に「ゲット・アウト」でアカデミー脚本賞を受賞した。デミ・ムーアは今年初め、「サブスタンス」で、美しさを保つためには手段を選ばない年老いたハリウッドスターの役を演じ、自身初のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。 全てのホラー映画がヒットするわけではない。殺人ロボット人形を題材にした2022年の低予算映画「M3GAN/ミーガン」は、世界で1億8000万ドルの興行収入を記録したが、その続編は、公開の週末に米国とカナダで1020万ドルという控えめな興行収入にとどまった。 米国の映画館は、今年の夏に上映するホラー映画に事欠かないだろう。コロンビア・ピクチャーズの1997年の映画「ラストサマー」のリブート作品「I Know What You Did Last Summer(原題)」(7月18日公開)や、「Weapons」(8月8日公開)など、7本のホラー映画がレイバーデー(9月1日)の週末までに公開される予定だ。 ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント傘下の映画製作・配給会社スクリーン・ジェムズのアシュリー・ブルックス社長は、ソニーの「I Know What You Did Last Summer(原題)」や「クワイエット・プレイス」、「スクリーム」などの作品に携わってきた。ブルックス氏は優れたホラー作品について、「観客が思わず、そこへ入るな!と叫んでしまうような、本能を刺激する映画こそ最高だ。身もだえし、笑い、絶叫する。そうした感情の渦を通して、観客は心から映画を楽しめる」と語った。

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