恒例のアート特集の季節が到来。シーンで話題のさまざまなトピックスに触れた。『GQ JAPAN』2026年5月号所収のエディターズ・レター。
国立新美術館で開催中の『テート美術館—YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国 アート 』展が人気を集めています。YBAとはYoung British Artistの略。80年代後半から90年代にかけてイギリス・ロンドンでは、 アート スクールに通っていた若いアーティストたちを中心に、世界の アート シーン、さらにはカルチャー全体に大きな影響を及ぼすうねりのようなものが起こりました。当時のイギリスは不況の真っ只中で、マーガレット・サッチャー政権のもと美術に対する公的支援が減らされ、若いアーティストたちは作品発表の場を失いました。そんな中、まだ学生だったダミアン・ハーストは、ロンドン東部の倉庫街で学生や卒業生の作品を発表する『フリーズ』展を企画します。この展覧会をきっかけに従来の アート とは異なるテーマや素材、制作方法を取り入れたアーティストたちへの注目が高まり、ハーストをはじめ、トレイシー・エミンなど、現在のトップアーティストたちが台頭してくるわけですが、同時期にロンドンで活動していたのがヴォルフガング・ティルマンスです。以前、ジュエリーデザイナーのフランチェスカ・アムフィテアトロフにインタビューした際に、セントラル・セント・マーチンズなどで学んだ彼女から当時のロンドンがいかに アート とファッションの世界が密接だったかを聞いたことがあります。一緒に夜遊びしたり、プロジェクトをやったりというのが日常だったようですが、そのゆるいつながりもまた、彼らのクリエイションの自由さを象徴しているように思えます。この展覧会が今の日本で話題となっているのも、そんな空気感への憧れがあるのではないでしょうか。 弊誌4回目となる アート 特集のカバーストーリーでは、この展覧会を俳優の板垣李光人さんが訪ねました。自らも アート 作品を制作する板垣さんだけあって、展覧会のモデレーターとの対談では、作品への新たな見方が提示され、ハッとさせられることがいくたびもありました。展示作品に刺激を受けたという彼が、今後どのような アート を生み出してゆくのかも楽しみです。 他にも特集では、今年回顧展を開催する空山基さん、森万里子さん、NIGO®さんが登場します。YBAのアーティストたち、そして日本の アート とカルチャーシーンに多大な影響を与えているこの3人のアーティストたちに共通するのは、既存の枠組みにとらわれず自由な発想で創作した結果、そのジャンルの範疇自体を拡張したことです。是非、実際に彼らの作品に触れ、クリエイティブなインスピレーションを得ていただければと思います。 『GQ JAPAN』ヘッド・オブ・エディトリアル・コンテント 東京都生まれ。『流行通信』編集長、『VOGUE NIPPON』(現『VOGUE JAPAN』) 『VOGUE HOMMES JAPAN』エグゼクティブ・ファッション・フィーチャー・エディターを経て独立。2023年4月現職に就任。 文・石田 潤(GQ) 写真・戎康友.
国立新美術館で開催中の『テート美術館—YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート』展が人気を集めています。YBAとはYoung British Artistの略。80年代後半から90年代にかけてイギリス・ロンドンでは、アートスクールに通っていた若いアーティストたちを中心に、世界のアートシーン、さらにはカルチャー全体に大きな影響を及ぼすうねりのようなものが起こりました。当時のイギリスは不況の真っ只中で、マーガレット・サッチャー政権のもと美術に対する公的支援が減らされ、若いアーティストたちは作品発表の場を失いました。そんな中、まだ学生だったダミアン・ハーストは、ロンドン東部の倉庫街で学生や卒業生の作品を発表する『フリーズ』展を企画します。この展覧会をきっかけに従来のアートとは異なるテーマや素材、制作方法を取り入れたアーティストたちへの注目が高まり、ハーストをはじめ、トレイシー・エミンなど、現在のトップアーティストたちが台頭してくるわけですが、同時期にロンドンで活動していたのがヴォルフガング・ティルマンスです。以前、ジュエリーデザイナーのフランチェスカ・アムフィテアトロフにインタビューした際に、セントラル・セント・マーチンズなどで学んだ彼女から当時のロンドンがいかにアートとファッションの世界が密接だったかを聞いたことがあります。一緒に夜遊びしたり、プロジェクトをやったりというのが日常だったようですが、そのゆるいつながりもまた、彼らのクリエイションの自由さを象徴しているように思えます。この展覧会が今の日本で話題となっているのも、そんな空気感への憧れがあるのではないでしょうか。 弊誌4回目となるアート特集のカバーストーリーでは、この展覧会を俳優の板垣李光人さんが訪ねました。自らもアート作品を制作する板垣さんだけあって、展覧会のモデレーターとの対談では、作品への新たな見方が提示され、ハッとさせられることがいくたびもありました。展示作品に刺激を受けたという彼が、今後どのようなアートを生み出してゆくのかも楽しみです。 他にも特集では、今年回顧展を開催する空山基さん、森万里子さん、NIGO®さんが登場します。YBAのアーティストたち、そして日本のアートとカルチャーシーンに多大な影響を与えているこの3人のアーティストたちに共通するのは、既存の枠組みにとらわれず自由な発想で創作した結果、そのジャンルの範疇自体を拡張したことです。是非、実際に彼らの作品に触れ、クリエイティブなインスピレーションを得ていただければと思います。 『GQ JAPAN』ヘッド・オブ・エディトリアル・コンテント 東京都生まれ。『流行通信』編集長、『VOGUE NIPPON』(現『VOGUE JAPAN』) 『VOGUE HOMMES JAPAN』エグゼクティブ・ファッション・フィーチャー・エディターを経て独立。2023年4月現職に就任。 文・石田 潤(GQ) 写真・戎康友
アート 板垣李光人 / Rihito Itagaki Jun Ishida 岩田桂視 / Keishi Iwata
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