OpenAI、AGI競争でロボティクス研究を加速

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OpenAI、AGI競争でロボティクス研究を加速
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ChatGPTを手がける企業「OpenAI」が、ヒューマノイドを含むロボットを制御するアルゴリズムの開発に向けてロボティクス専門家を採用している。

OpenAIは人工知能(AI)の新たな発展を模索するなかで、ヒューマノイドシステムに取り組む研究者を採用し、ロボティクス分野での取り組みを加速させているようだ。 同社は最近、ヒューマノイドやそのほかのロボットを制御するAIアルゴリズムの開発に精通した研究者を複数採用した。求人情報によると、同社はテレオペレーション(遠隔操作)やシミュレーションによって訓練可能なシステムを構築できるチームを編成している。 OpenAIの取り組みに詳しい関係者によると、同社は特にヒューマノイドロボット、すなわち部分的または完全に人間の形をしたロボットの開発に携わる人材も採用しているという。最先端のロボティクス研究者のひとりは、同社が物理世界をよりよく理解できるAIアルゴリズムの訓練を始めており、それによってロボットが移動や作業を行えるようになる可能性があると話した。 ロボティクス研究者の採用が加速 最近の採用人事からも、OpenAIのロボット分野での取り組みが加速していることがうかがえる。例えば2025年6月には、スタンフォード大学からチェンシュー・リー(Chengshu Li)がOpenAIに加わった。彼は幅広い家庭内作業をこなせるヒューマノイドロボットの能力を測定するためのベンチマーク開発など、数々のロボティクスプロジェクトに携わってきた。リーの博士論文はベンチマーク開発をテーマとし、2本の腕と脚の代わりに車輪で移動する半ヒューマノイド型ロボットに焦点を当てている。 別のロボティクス研究所からも、ふたりの研究者がすでに同社に加わっていることがLinkedInのプロフィールから確認できる。ヒューマノイド研究を行なう第三の研究所の教授によると、そこの学生のひとりも最近、OpenAIに採用されたという。 OpenAIは採用活動やロボット研究の計画についてコメントを控えた。しかし同社のサイトには、ロボティクス研究に関する注目すべき求人が最近多数掲載されている。そのうちのひとつは、テレオペレーション(遠隔操作)とシミュレーションに関する専門知識を求めるものだった。テレオペレーションは、部分的または完全なヒューマノイドロボットを訓練する上で不可欠である。人間のオペレーターが作業を行ないロボットの手足を操作する一方で、アルゴリズムがその動作を模倣する方法を学習するのだ。この職務にはまた、NVIDIAのIsaacをはじめとするシミュレーションツールの専門知識も求められている。Isaacは、アルゴリズムを仮想的な物理環境のなかで学習させることでヒューマノイドを訓練するために広く利用されている。 独自ロボット開発の可能性 OpenAIが自社でロボットを開発するのか、市販のハードウェアを利用するのか、あるいはロボティクス企業と提携するのかは依然として不明である。しかし、ここ数週間の間に掲載された別の求人では、触覚や動作を検知するセンサーを備えたロボットシステムの試作・構築に詳しい機械エンジニアが求められていた。あるロボット研究者は、これはOpenAIが自社のロボットを開発する計画があるか、あるいはロボット訓練用のテレオペレーションシステムを開発していることを意味する可能性があると述べている。この求人にはさらに「大量生産(100万台以上)を想定した機械システム設計や、組立ラインでの課題解決の経験」が条件として挙げられており、大規模な製造や製品展開を視野に入れていることが示唆されていた。 OpenAIのすべてのロボティクス関連求人には、同社のロボティクスチームが「汎用ロボティクスの実現に注力し、動的で現実の環境において汎用人工知能(AGI)レベルの知能を目指している」と記されている。 AGIに必要な「物理世界」 ロボットへの再注力は、OpenAIがAGI──人間の知能を超えるAI──を実現するには、物理世界と相互作用できるアルゴリズムの開発が不可欠だと考えていることを示している。 OpenAIは創業初期に注目すべきロボティクス研究を行なっており、19年には人間の手のようなロボットハンドでルービックキューブを解くアルゴリズムを開発した。しかし同社は21年にロボティクス研究を終了し、ChatGPTのような近年のブレイクスルーを生み出した大規模言語モデルを含むアルゴリズムに注力することにした。OpenAIは昨年ロボット研究を再開しており、24年12月には同社が独自のヒューマノイドロボット開発を検討していると『The Information』が報じている。 ブラウン大学のロボティクス研究者ステファニー・テレックスは、より効果的なロボットを構築するには「高フレームレートかつ高次元の知覚入力を処理し、高フレームレートかつ高次元の物理的出力を生成できるAIモデル」を設計・訓練することが必要になると述べている。つまり、高精度で見て行動できるモデルである。ただし、テレックスはOpenAIの具体的な計画については把握していないという。 会話や推論、コーディング、画像・動画生成の分野ですでに業界をリードするモデルをもつOpenAIだが、より高性能なヒューマノイドロボットのアルゴリズム開発では強力な競合と競うことになる。ここ数年でFigure、Agility、Apptronikといったヒューマノイド系スタートアップが登場しており、テスラやグーグルを含む大手AI企業もヒューマノイドの開発とテストに投資している。「OpenAIが他社に比べて魔法のような優位性をもっているとは思いません」とテレックスは語っている。 広がる「ヒューマノイド熱」 動作可能な試作機をつくるために必要なハードウェアやソフトウェアが普及するにつれて、ヒューマノイドはますます人気を高めている。依然としてヒューマノイドの開発は高価で困難だが、新型モーターなどの部品によって、動作可能なシステムを構築するコストと手間は下がっている。さらに、NVIDIAのIsaacのようなロボット開発プラットフォームによって、ヒューマノイドを制御・訓練するためのコード作成も容易になった。 ヒューマノイドへの熱狂も高まっている。24年初頭以降、ベンチャーキャピタルはヒューマノイド系スタートアップに50億ドル(約7,500億円)以上を投資している。モルガン・スタンレーは、ヒューマノイド産業が50年までに5兆ドル(約730兆円)規模に成長する可能性があると予測している。 ヒューマノイドはダンスのような見栄えのする動きを披露できるものの、複雑で予測不能な、いわゆる「非構造化」環境で活動するために必要な知能はいまだ備えていない。これを獲得するには、大規模言語モデル(LLM)がもつ物理世界の理解を超えるアルゴリズムが必要になる。歩行したり物体を操作したりするためには、手足やグリッパーを制御できる能力が欠かせないのだ。いくつかの研究グループは、ロボットに汎用的な能力を与えるAIモデルの開発において、進展を示し始めている。 同時に、AIをさらに前進させるには新たな発想が必要であることもますます明らかになっている。最近のOpenAIのGPT-5に対する失望は、人間のような知能に到達するには新しい研究手法が求められるという広範な認識の一部である。 「GPT-5はすでに頭打ちです」とテレックスは語る。「次は物理世界に向かわなければなりません」 (Originally published on wired.

com, translated by Eimi Yamamitsu, edited by Mamiko Nakano) ※『WIRED』によるOpenAIの関連記事はこちら。 Related Articles 気鋭のAI研究者たちやユヴァル・ノア・ハラリが語る「人類とAGIの未来」。伝説のゲームクリエイター・小島秀夫や小説家・川上未映子の「創作にかける思い」。大阪・関西万博で壮大なビジョンを実現した建築家・藤本壮介やアーティストの落合陽一。ビル・ゲイツの回顧録。さらには不老不死を追い求める富豪のブライアン・ジョンソン、パリ五輪金メダリストのBガール・AMIまで──。未来をつくるヴォイスが、ここに。グローバルメディア『WIRED』が総力を結集し、世界を動かす“本音”を届ける人気シリーズ「The Big Interview」の決定版!!詳細はこちら。

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