カプコンは5月23日、『鬼武者2』リマスター版を発売予定。本稿ではリマスター版の開発者に向けておこなわれたメディア合同インタビューの内容をお届けする。
カプコンは5月23日、『鬼武者2』リマスター版を発売予定。対応プラットフォームはPC(Steam)およびNintendo Switch/PS4/Xbox One。本稿ではリマスター版の開発者に向けておこなわれたメディア合同インタビューの内容をお届けする。 なお『鬼武者2』といえば、アクションゲーム『鬼武者』の続編として2002年にPS2向けに発売された作品だ。舞台となるのは前作の13年後、戦国時代の日本。亡き松田優作氏をキャラクターモデルとした主人公・柳生十兵衛の物語が描かれる。なお第1作『鬼武者』は、2018年にPC(Steam)およびNintendo Switch/PS4/Xbox One向けにリマスター版が発売されていた。つまり『鬼武者2』はオリジナル版発売から約23年、前作のリマスター版から6年以上を経て蘇ることとなる。 https://youtu.
be/iUU5UZPTb68 今回、リマスター版『鬼武者2』にてディレクターを務める江城元秀氏と、プロデューサーを務める田中浩介氏への機会が設けられた。江城氏といえば、オリジナル版においてもディレクターを務めていた人物。一方でプロデューサーの田中氏は、最近になってサウンド担当からプロデューサーに転向した人物だという。珍しい座組であり、どのような経緯があったのか。またどのようにして開発されてきたのか。両氏に話を伺った。 左:ディレクターの江城元秀氏、右:プロデューサーの田中浩介氏 ――『鬼武者』第1作のリマスター版発売から6年以上を経ての『鬼武者2』のリマスターとなりますが、この企画はずっと温めてこられていたのでしょうか。開発が決まったきっかけについて教えてください。田中氏:もともと当社には過去作もたくさんのユーザーに遊んでいただきたいという方針があり、『鬼武者2』のリマスターというのも社内のラインナップのなかにずっと入ってはいました。しかしなかなか環境が揃わず、シリーズ新作『鬼武者 Way of the Sword』がきっかけになり、ここでしっかりと『鬼武者』シリーズ全体を打ち出していこうということになりまして。いろいろと環境も整ってきて、『鬼武者2』リマスターの企画が進んでいきました。 ――今回、『鬼武者2』のリマスターが発表されて、どのような反響があったか教えてください。田中氏:かなりの反響がありました。本作はデジタルイベント「カプコンスポットライト」でサプライズ的に発表したのですが、Xで『鬼武者2』がトレンド入りしただけでなく、映像に出ていた「ゴーガンダンテス」もトレンドに入りまして。懐かしむ反応や喜びの声をいただけましたね。また国内だけでなく海外からも、いろんな地域の方から好意的な声をいただけました。 ――今回のリマスター版は原作と同じく江城さんがディレクターを務めていらっしゃいますが、こうした座組はどのように実現したのでしょうか。田中氏:正直に言うとたまたまと言いますか……(笑)江城は現在プロデューサーとして活動しているので、当初はその方向からサポートしていたんですけれども、やはり本作にもゲームをディレクションしていく立場の人間が必要になりまして。それでちょうど江城の体が空いており、これはもう神様からのプレゼントだなと。もう江城しかいないだろうという話になって、社内で即決しました。もう江城の引退作になるぞと……(笑) 江城氏:引退はしません!(笑) 一同:(笑) ――江城さんは20年以上前に作ったゲームにふたたび関わることになり、どういった心境でしたか。江城氏:『鬼武者2』は僕にとってディレクターデビューのゲームで、思い出深い作品なので、話をもらったときは率直に嬉しかったです。オリジナル版を制作して20年後に、リマスター版でもディレクターを務められるなんてことはなかなかないと思いますので、運命的なものを感じました。また今回オリジナル版を改めてプレイして、よりプレイフィールをよくしたいなという思いもあったので、自分がディレクターを務められたのはちょうどよかったと思います。 ――過去にご自身で作られた作品を、今回改めてプレイしたときのご感想はいかがだったでしょうか。江城氏:あんまり言うと調子に乗ってると思われるかもしれませんが、まあ面白いなと(笑)『鬼武者』第1作自体が非常によくできたゲームで、『鬼武者2』開発の際はそこを踏襲しつつ、連鎖一閃ですとか、爽快感やアクションの手触りの部分を調整して作ったゲームだったので、我ながら面白い作品だと思いました。シナリオの面でもとても個性が出ているゲームでもありますし、現代のアクションゲームファンでも、楽しんでいただける作品だと思います。 ――『鬼武者』第1作のリマスターでは金城武さんを除いて声優陣がほぼ一新されていましたが、今回はオリジナルのボイスが残っています。これはどういった経緯から決まったのでしょうか。江城氏:今回のリマスターにあたっては、極力オリジナルに忠実にやりたいという思いがありました。そのためキャラクターボイスについてはそのままにしています。 ――武器の切り替えがスムーズにできるようになるとか、左スティックでキャラを動かせるようになるなど、遊びやすさの面では調整が施されていますが、こうした点は前作のリマスターのフィードバックを踏まえておこなわれたのでしょうか。江城氏:そうですね。自分も前作のリマスターをプレイして、いいところは本作でも取り入れつつ、2ならではの要素もプレイアビリティ向上を図って調整しています。武器切り替えのほかにも、鬼武者変身が任意でできるようになっていたり、カット切り替えの見づらいところを調整したりといろいろ変更しました。「今遊ぶんだったらここは調整したい」と思ったところはどんどんプレイしやすく変えています。 ――『鬼武者』シリーズの面白さのコアの部分はやはり一閃の気持ちよさだと思うのですが、一閃の判定については調整されているのでしょうか。江城氏:一閃周りについては変えずに、そのまま移植しています。タイミングもそのままです。ただゲームのフレームレートが60fpsに上がっていますので、アクションゲームの手触りとしては当時よりもう一段階良くなっていると思います。 ――たとえば一閃の判定を緩くして、より簡単に爽快感を味わえる作品にするというような案は出なかったのでしょうか。江城氏:実際に社内ではそういう案も出ました。ただ僕個人として、今回のリマスターではなるべく原作に忠実にしたくて、一閃のシビアさも含めての『鬼武者2』であるという思いがあったので、そこは変えていません。当時からその辺りの難易度は踏まえて調整していましたし、なかなか一閃が出なくて練習するから、いざ出たときに嬉しいと思うんですよね。 ――今回追加された新難易度の修羅モードはどういったモードなのでしょうか。江城氏:修羅モードは非常にチャレンジングなモードで、一般的なプレイヤーがターゲットというよりは、腕に自信がある方向けの要素として実装しています。一撃くらうと死んでしまうという非常に難しい設定ですが、その分クリアできたら他人に自慢したくなるようなモードです。ただ途中でセーブはできますので、そこまで自信がない方でも慎重にやって一個一個進んでいけば、ある程度プレイできるかと思います。 ――開発スタッフの中でも、ごく一部の人しかクリアしていないとの話を聞いたのですが……。江城氏:数人……いや、ひとりふたりぐらいですね。ひとりでもクリアできればオッケー、というオーダーでやっていました。 ――本作はRE ENGINEで開発されたとのことですが、移植にあたって苦労はありましたか。江城氏:開発会社のプログラマーさんが、もともとのプログラムをかなり忠実に移植してくれまして。チェックプレイしていても、よく再現してくれたなという思いでプレイしました。現場では苦労があったようで、感謝しています。 ――『鬼武者』リマスター版の開発はNeoBards Entertainmentが担当でしたが、今回の開発はどちらが担当されているのでしょうか。田中氏:今回は株式会社エイティング(8ing)さまと協力して制作しています。というのも、『鬼武者2』の制作当時はゲームエンジンという概念もなく、これを現代のRE ENGINEでしっかり作るにはまず技術的な検証が必要でした。それでカプコン社内で検討したところ、エイティングさまの技術がハマるんじゃないかという見立てになりまして。現在『鬼武者』シリーズプロデュースを担当する門脇章人がこれまでの開発でエイティングさまと付き合いがあったこともあり、実際にお願いしたところうまくいったという流れになります。 ――そうして他社とも協力して開発するなかで、オリジナル版でもディレクターを務められた江城さんが今回ディレクターだったからこそ、実現できたことはありますか。江城氏:一閃もそうですが、オリジナル版もやった自分が監修したからこそ、「当時はこういう思いでやっていたので、今回もこれで行きましょう」というようなジャッジができたと思っています。開発の現場から「これって当時どういう感じだったんですか」という質問が出るなかで、原作のディレクターがディレクションするという体制は一番やりやすいんじゃないかなと、開発しながら思っていました。 ――原作の開発当時のことについて訊かせてください。『鬼武者』シリーズは特に2から一閃の爽快感などが増していった印象ですが、当時からアクションを強化するコンセプトがあったのでしょうか。江城氏:『鬼武者』第1作のときから敵との間合いの駆け引きや一閃の気持ちよさといったシリーズの面白さとなる基本的な部分はすでに確立されていましたので、『鬼武者2』ではそれをもっと広げていこうという方向性でした。連鎖一閃など普通の一閃以外の種類を増やしたり、戦術殻も鬼戦術という名前に変え、レベルが上がって攻撃の威力が上がるようにしたり、とにかく遊びのバリエーションを拡張していこうというイメージの開発でした。 ――『鬼武者2』は第1作に比べてロケーションが多様で、ボリュームも増えた印象がありました。この辺りの変化は意識していたのでしょうか。江城氏:『鬼武者』は稲葉山城という決まった舞台があり、ひとつのステージを掘り下げていく作りでした。一方『鬼武者2』ではもっといろんな所を出したいという思いがあり、「町も出して人と会話ができたら面白いよね」といった話を開発チームとしながら作っていたら、ボリュームたっぷりの作品になりました。未だに当時の開発スタッフに会うと「なかなか大変でしたよ」と言われるぐらい、チームには苦労して作ってもらったので、今でもファンの方から評価されている声を聞くと嬉しいですね。 ――当時やり残したことを今回成し遂げる、というような思いはありましたか。江城氏:原作がもう当時としてはかなりボリュームたっぷりのゲームなので、やり残したこと自体は特になかったです。今回のリマスターでもこれを絶対入れたいとかではなく、現代の視点で、操作性や、アクションゲームとしての手触りのよさ、みたいなところをいじっています。当時は慣れちゃって気にならなかったところも、現代のゲームユーザーさん向けに遊びやすくしたいなという思いで、いろいろブラッシュアップしました。 ――4人の同士など個性的なキャラクターも登場していましたが、これはシナリオ担当の杉村升さんの意見が反映されていたのでしょうか。江城氏:もともとシナリオ面でもボリュームを出したいという方針がありまして。そこに同士というキャラクターを出したいとなったとき、杉村先生とは「それならシナリオでもしっかり描いていこう」と決まりました。あと、各キャラクターの性格付けやセリフ回しなどは杉村先生のアイデアが活かされており、特にゴーガンダンテスはほぼそのままです。もともとの作家性を尊重して実装しました。 https://youtu.be/f7P67pePZds ――同士4人の中で、江城さんと田中さんのお気に入りキャラをそれぞれ教えてください。江城氏:全員思い入れがあるので選ぶのは難しいんですが、シナリオのドラマ性で言うと、風魔小太郎はドラマチックと言いますか、キャラクターも含めて良いキャラだと思っていますね。 田中氏:プロデューサーとしては全キャラです!と言いたいところですが、あえて選ぶなら安国寺恵瓊ですね。豪快で女好きといいますか、今のご時世で出すにはなかなかハードな設定ですが、背景を知ることで納得がいくというか。「なるほど、こういう過去があって今があるのね」となるようなキャラで。原作プレイ時僕は中高校生だったのですが、「人の背負ってるものっていろんなものがあるんだな」というのが分かるようなキャラクターで、当時から魅力を感じていました。 ――ちなみに田中さんはもともとサウンドディレクターで、最近プロデューサーに転向されたとお聞きしています。田中さんとベテランの江城さんという異色のタッグかと思うのですが、お互いに伝えたいことなどありましたらこの機会にぜひ教えてください。田中氏:江城はプロデューサーとしての経験も豊富ですが、本作ではあえてディレクターとしての立場で僕にぶつかってくれる瞬間がありました。「プロデューサーのやりたいこと」に対して、「ディレクターがやりたいこと」をちゃんと言ってもらえたり。本作はリマスターなんですが、ちゃんとモノづくりしている感覚があり、すごくいい経験になりました。 江城氏:僕としては、リマスターでも絶対松田優作さんを起用したい、という強い思いがあって。今回その辺りの交渉はプロデューサーが全部やってくれたので、大変ありがたく思っています。 ――松田優作さんといえば開発当時すでに亡くなっていた名優で、これは業界全体を見ても異色のチャレンジだったと思います。松田優作さんを起用するに至った経緯を教えてください。江城氏:開発当初は主役を誰にするかというのは決まっておらず、杉村先生とシナリオを作っていくなかで、主人公をどうするかという話になりました。そうしたら、その打ち合わせのときたまたま同席されていたとある映像監督さんが「亡くなった俳優さんなんかもCGだったら復活できるの?」とおっしゃったんですよ。それで「資料があればモデルは作れますよ」と答えますと、その監督さんが松田優作さんの事務所につながりがあるという話になって。「もしよかったら紹介するけど」と提案をもらって、すぐにプロデューサーに連絡入れて、とそういう経緯で決まっていきました。 ――優作さんの起用でいうと、息子の松田龍平さんが説得してくれたというエピソードを聞いたことがあるのですが、これは事実ですか。江城氏:松田龍平さんはゲーム好きで、『鬼武者』第1作もプレイされていたんですよ。それで美由紀さんが龍平さんに「こんな話来てるけどどう思う?」と意見を訊いた際に、とてもポジティブなコメントをしてくれたそうです。決定打になったのかどうかはわかりませんが、そういう話はありました。 ――松田龍平さんは当時『鬼武者2』のCMに出ていましたよね。江城氏:そうですね。龍平さんは『鬼武者』に対してすごく良いイメージをもって下さっていたようです。 ――原作の開発当時、監修などはあったのでしょうか。江城氏:美由紀さんに大阪の開発スタジオまでお越しいただいて、十兵衛のモデリングの監修をしていただきました。3Dモデリングのスタッフの座席の後ろのところで、画面をのぞき込みながら目の形や大きさなどについてコメントをいただいたことが、印象深い光景として記憶に残っています。 ――今回のリマスターにあたっては、その3Dモデルを作り直したりしているのでしょうか。江城氏:もともとの3Dモデルが非常に出来が良いものだったので、モデリングで言えば100%当時のままです。今回のリマスターにあたっては、テクスチャの高解像度化をメインにやっています。モデルはそのままですがテクスチャが綺麗になったことで、表情や肌の質感などはかなり良い感じになっていますね。 ――開発側から、本作のここを見てほしい!というところがありましたら教えてください。江城氏:『鬼武者2』は原作からフェーシャルアニメーションを当時の担当がすごくこだわって作ってくれていたんですが、それが今回高解像度となり、細かい動きもわかりやすくなっています。カットシーンでも表情や目の動きなどがよく見えますので、そこを見てもらえると嬉しいですね。 田中氏:近年はタイミングを計ってパリィする、というようなシステムのアクションゲームが増えていますが、『鬼武者』はその走りのような作品だったのかな、と思っております。アクションゲームとして洗練されている作品ですので、昔を知らない今のプレイヤーの方でも楽しめると思います。原作を知らない方にもぜひ、アクションゲームとしての手触りの部分に注目して遊んでほしいですね。 ――今回はゲーム内に特別画集が収録されているとのことですが、見どころを教えてください。江城氏:『鬼武者2』は雨宮慶太さんにデザインをお願いして、当時本当にたくさんデザインを描いていただきました。その中からこれまで未公開だったものを見繕い、今回厳選しつつ多数収録させていただいています。画像も高解像度化しており、拡大縮小できたりしますので、雨宮慶太さんのこだわりにも注目していただいたらと。細かいところまで描き込んでもらっていますので。 ――読者にメッセージをお願いします。江城氏:本作は自分が初めてディレクターを務めた、非常に思い出深い作品です。なるべく当時の感触を残しつつ、今遊んで気になるところはチューニングしてより遊びやすく、手触りよくしたつもりなので、シリーズファンの方はもちろん、初めての方にも楽しんでいただける作品に仕上がっていると思います。ぜひ手に取っていただけると嬉しいです。 田中氏:学生時代にユーザーとして遊んでいたすごく大好きな作品を、原作のディレクターといっしょにリマスターでき、個人的にすごく思い入れのある作品になっています。客観的に、今遊んでも楽しい作品だと思っていますので、ぜひプレイしてみてください。 ――ありがとうございました。 『鬼武者2』リマスター版はPC(Steam)/Nintendo Switch/PS4/Xbox One向けに5月23日に発売予定。同日には前作リマスター版とセットになった「鬼武者1+2 パック」も発売される。
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