ラミ・マレックが主演を務めたスパイスリラー「アマチュア」が、4月11日に日米で同時公開された。
映画の世界ではしばしば、“復讐心”が物語を動かす起爆剤となる。「アマチュア」の主人公チャーリー・ヘラーも、出張中の妻がテロ事件に巻き込まれ殺害され、「絶対に許すまじ!」と犯人グループを地の果てまで追い詰める決意をする。ただし映画のタイトルにある通り、人殺しのスキルとは縁のない人生を送ってきたずぶのド素人=アマチュアなのだが。復讐に燃える主人公が、実は元特殊部隊とか、引退した凄腕のスナイパーだったとか、そういう映画はわんさか存在する。場合によってはジェイソン・ステイサムだったりチャールズ・ブロンソンだったり、復讐される側に「お気の毒でしたね」なんて同情しそうになるほどの無双キャラも大勢見てきた。しかし本作でラミ・マレックが扮するチャーリーは、われわれとほとんど変わらない一般人。ほとんど、と書き添えたのは、かろうじて「CIA本部の分析官」という、いわばスパイをバックアップする特殊なお仕事だから。 地下にあるオフィスでもっぱら分析にはげむのが通常業務で、得意技はネット検索とハッキング。拳銃ひとつ握ったことがなく、パンチもヘロヘロで殴り合いなんてもってのほか。凄まれるとすぐにビビる弱虫キャラだけに、「復讐なんてどうやってやんのよ?」とおせっかいにも心配してしまう。しかし戦闘力ゼロでも、非体育会系には非体育会系なりのやり方がある。自分ができることだけをひとつずつ積み重ねる堅実なアプローチで、少しずつ、少しずつ、ターゲットに近づいていくのだ。復讐への第一歩は、まず職場の上司の弱みをつかんで脅迫し、CIAの訓練キャンプに参加させてもらうこと。誰よりもチャーリー自身が、自分に足りないスキルがあるとわかっているのだ。しかし向いてない。鬼教官も匙を投げるほど致命的に向いてない! いや、そもそも向いている人間が異常なのであって、急に武器を持たされて「さあ殺れ!」と言われても即座に反応できるわけがない。いくら「ゴルゴ13」を熟読したって、われわれが殺し屋にはなれないように。ある意味でチャーリーの復讐プロジェクトは、日常生活で役立つライフハックでもある。大切なのは①根気よく学ぶこと。②地道に練習すること。それでもどうにもできないときは、③失敗から学び、自分が得意な分野を活かすこと。 結果として、姿を消したチャーリーの行方を追うCIAも戸惑うくらい、チャーリーはテロの実行犯たちを着実に葬り、主犯へと近づいていく。ビギナーズラックとしか言えないくらい行き当たりばったりにも見えるし、几帳面な性格ゆえの堅実さが功を奏しているようにも思える。やり口はときに大胆で、ビルの最上階にあるラグジュアリーな“浮かぶプール”をターゲットごと爆破したりもする。そう、訓練キャンプで唯一得意だった科目が、「身近な材料で誰でもできる爆弾づくり」だったのだ。いずれにせよ、CIAの上司たちもわれわれ観客も、チャーリーの“結果を出せるスーパールーキー”っぷりに目を見張らずにはいられない。いつしか常人離れした実行力に驚き、冴えわたる思考力に舌を巻き、どんな困難にも立ち向かう不屈の想いを応援してしまう。たとえたどり着く先が不毛な“死の裁き”だったとしても、だ。 そして本作はチャーリーの極めてパーソナルな「僕と妻のための復讐プロジェクト」を主軸にしつつ、国際的な陰謀をめぐるサスペンスでもある。テロ事件が発生したイギリスからフランス、そしてトルコ、スペイン、ロシアとヨーロッパ全土をめぐる中で、複雑に絡み合った諜報機関やテロリストの思惑が明かされていくのだ。 チャーリーの目的はあくまでも「憎きテロリストを自らの手で裁くこと」なのだが、飛び込んだ世界は魑魅魍魎が跋扈する国際政治の裏舞台。敵と味方がくるくると入れ替わり、誰ひとり信用に値せず、目に見えない強大な力が圧倒的な壁となって立ちはだかる。われわれ一般人には窺いしれない“闇”の存在は、混迷を極める現実の写し絵としてやけにリアルに迫ってくる。しかしそれでも、チャーリーはめげない、諦めない。そこにいるのは亡き妻への愛を貫く狂人か、覚醒した変わり種の暗殺者か? 数あるスパイ映画ジャンルでも突出した個性を持つ主人公像を打ち立てた、片時も目が離せないエンターテインメントである。.
映画の世界ではしばしば、“復讐心”が物語を動かす起爆剤となる。「アマチュア」の主人公チャーリー・ヘラーも、出張中の妻がテロ事件に巻き込まれ殺害され、「絶対に許すまじ!」と犯人グループを地の果てまで追い詰める決意をする。ただし映画のタイトルにある通り、人殺しのスキルとは縁のない人生を送ってきたずぶのド素人=アマチュアなのだが。復讐に燃える主人公が、実は元特殊部隊とか、引退した凄腕のスナイパーだったとか、そういう映画はわんさか存在する。場合によってはジェイソン・ステイサムだったりチャールズ・ブロンソンだったり、復讐される側に「お気の毒でしたね」なんて同情しそうになるほどの無双キャラも大勢見てきた。しかし本作でラミ・マレックが扮するチャーリーは、われわれとほとんど変わらない一般人。ほとんど、と書き添えたのは、かろうじて「CIA本部の分析官」という、いわばスパイをバックアップする特殊なお仕事だから。 地下にあるオフィスでもっぱら分析にはげむのが通常業務で、得意技はネット検索とハッキング。拳銃ひとつ握ったことがなく、パンチもヘロヘロで殴り合いなんてもってのほか。凄まれるとすぐにビビる弱虫キャラだけに、「復讐なんてどうやってやんのよ?」とおせっかいにも心配してしまう。しかし戦闘力ゼロでも、非体育会系には非体育会系なりのやり方がある。自分ができることだけをひとつずつ積み重ねる堅実なアプローチで、少しずつ、少しずつ、ターゲットに近づいていくのだ。復讐への第一歩は、まず職場の上司の弱みをつかんで脅迫し、CIAの訓練キャンプに参加させてもらうこと。誰よりもチャーリー自身が、自分に足りないスキルがあるとわかっているのだ。しかし向いてない。鬼教官も匙を投げるほど致命的に向いてない! いや、そもそも向いている人間が異常なのであって、急に武器を持たされて「さあ殺れ!」と言われても即座に反応できるわけがない。いくら「ゴルゴ13」を熟読したって、われわれが殺し屋にはなれないように。ある意味でチャーリーの復讐プロジェクトは、日常生活で役立つライフハックでもある。大切なのは①根気よく学ぶこと。②地道に練習すること。それでもどうにもできないときは、③失敗から学び、自分が得意な分野を活かすこと。 結果として、姿を消したチャーリーの行方を追うCIAも戸惑うくらい、チャーリーはテロの実行犯たちを着実に葬り、主犯へと近づいていく。ビギナーズラックとしか言えないくらい行き当たりばったりにも見えるし、几帳面な性格ゆえの堅実さが功を奏しているようにも思える。やり口はときに大胆で、ビルの最上階にあるラグジュアリーな“浮かぶプール”をターゲットごと爆破したりもする。そう、訓練キャンプで唯一得意だった科目が、「身近な材料で誰でもできる爆弾づくり」だったのだ。いずれにせよ、CIAの上司たちもわれわれ観客も、チャーリーの“結果を出せるスーパールーキー”っぷりに目を見張らずにはいられない。いつしか常人離れした実行力に驚き、冴えわたる思考力に舌を巻き、どんな困難にも立ち向かう不屈の想いを応援してしまう。たとえたどり着く先が不毛な“死の裁き”だったとしても、だ。 そして本作はチャーリーの極めてパーソナルな「僕と妻のための復讐プロジェクト」を主軸にしつつ、国際的な陰謀をめぐるサスペンスでもある。テロ事件が発生したイギリスからフランス、そしてトルコ、スペイン、ロシアとヨーロッパ全土をめぐる中で、複雑に絡み合った諜報機関やテロリストの思惑が明かされていくのだ。 チャーリーの目的はあくまでも「憎きテロリストを自らの手で裁くこと」なのだが、飛び込んだ世界は魑魅魍魎が跋扈する国際政治の裏舞台。敵と味方がくるくると入れ替わり、誰ひとり信用に値せず、目に見えない強大な力が圧倒的な壁となって立ちはだかる。われわれ一般人には窺いしれない“闇”の存在は、混迷を極める現実の写し絵としてやけにリアルに迫ってくる。しかしそれでも、チャーリーはめげない、諦めない。そこにいるのは亡き妻への愛を貫く狂人か、覚醒した変わり種の暗殺者か? 数あるスパイ映画ジャンルでも突出した個性を持つ主人公像を打ち立てた、片時も目が離せないエンターテインメントである。
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