国家存続を賭けて、予算半減という不可能なミッションに挑んだ「オペレーションZ」。あの挫折から5年、新たな闘いが今、始まる。防衛予算倍増と財政再建――不可避かつ矛盾する2つが両立する道はあるのか? 目前の危機に立ち向かう者たちを描くリアルタイム社会派小説!
「そうか、新潟とロシアって、関係が深いんですよね。早速、ご著書を読んでみます」「名刺のご住所にお送りしますよ。それで、僕が質問した『防人税』なんですが、いいネーミングですよね。周防さんが、お考えになったんですか」「あれは、偶然です。私は以前、東京の大学で教員をしておりましてね。たまたま先週、当時の同僚数人が、新潟に旅行に来ていて、飲み会で話題になったんですよ」そこで繋がった。上智大学の文化人類学者の宮城慧こそが、「防人税」の命名者なのだから。あまり思い出したくない話だが、周防は、「いやあ、何のお役にも立ちませんでしたが」と苦笑いした。森永によると、昨年夏、新発田市に飛んで来たミサイルが弾着直前まで迫ってから、新潟県内では、問題意識を持つ人が増えたのだという。「えっ、そうなんですか。新潟県民は、最先端のレーダーと地対空ミサイル設置を切望していると、あれほど熱心に訴えておられたのに」森永の発言は、小説家ならではの穿った発想なのだろうか。それとも、それこそ知事の本心なのだろうか。「義務感だけなら、私はここに来ていません。一国民としても、国の備えが気になります。戦争には反対ですが、他国に攻められた時は、自衛すべきだし、戦火に巻き込まれた時も相応の対応をすべきだと考えています。「それは、頼もしい言葉ですよ。でも、国民は盛り上がらない。残念なことです。先程、『文化露寇』の小説を書いたと申しましたが、江戸時代後半になって、ヨーロッパ各国によって世界の植民地化が進む中、日本は外国からの黒船に恐れおののきました。一方のロシア側は、日本政府の事なかれ主義に怒り、強硬手段でしか日本は言うことを聞かないと判断し、樺太や択捉島などを攻撃したんです。煮え切らない政府の態度が、結果的に国民を危機に追いやる可能性がある。 1962(昭和37)年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004(平成16)年に企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』で衝撃的なデビューを飾る。同作をはじめとした「ハゲタカ」シリーズはテレビドラマとしてたびたび映像化され、大きな話題を呼んだ。他の作品に『プライド』『黙示』『オペレーションZ』『それでも、陽は昇る』『プリンス』『タイムズ 「未来の分岐点」をどう生きるか』『レインメーカー』『墜落』『タングル 』など多数。.
「そうか、新潟とロシアって、関係が深いんですよね。早速、ご著書を読んでみます」「名刺のご住所にお送りしますよ。それで、僕が質問した『防人税』なんですが、いいネーミングですよね。周防さんが、お考えになったんですか」「あれは、偶然です。私は以前、東京の大学で教員をしておりましてね。たまたま先週、当時の同僚数人が、新潟に旅行に来ていて、飲み会で話題になったんですよ」そこで繋がった。上智大学の文化人類学者の宮城慧こそが、「防人税」の命名者なのだから。あまり思い出したくない話だが、周防は、「いやあ、何のお役にも立ちませんでしたが」と苦笑いした。森永によると、昨年夏、新発田市に飛んで来たミサイルが弾着直前まで迫ってから、新潟県内では、問題意識を持つ人が増えたのだという。「えっ、そうなんですか。新潟県民は、最先端のレーダーと地対空ミサイル設置を切望していると、あれほど熱心に訴えておられたのに」森永の発言は、小説家ならではの穿った発想なのだろうか。それとも、それこそ知事の本心なのだろうか。「義務感だけなら、私はここに来ていません。一国民としても、国の備えが気になります。戦争には反対ですが、他国に攻められた時は、自衛すべきだし、戦火に巻き込まれた時も相応の対応をすべきだと考えています。「それは、頼もしい言葉ですよ。でも、国民は盛り上がらない。残念なことです。先程、『文化露寇』の小説を書いたと申しましたが、江戸時代後半になって、ヨーロッパ各国によって世界の植民地化が進む中、日本は外国からの黒船に恐れおののきました。一方のロシア側は、日本政府の事なかれ主義に怒り、強硬手段でしか日本は言うことを聞かないと判断し、樺太や択捉島などを攻撃したんです。煮え切らない政府の態度が、結果的に国民を危機に追いやる可能性がある。 1962(昭和37)年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004(平成16)年に企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』で衝撃的なデビューを飾る。同作をはじめとした「ハゲタカ」シリーズはテレビドラマとしてたびたび映像化され、大きな話題を呼んだ。他の作品に『プライド』『黙示』『オペレーションZ』『それでも、陽は昇る』『プリンス』『タイムズ 「未来の分岐点」をどう生きるか』『レインメーカー』『墜落』『タングル 』など多数。
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