今年人気を集めた新興国市場トレードの一部が、過熱感から懸念材料になりつつある。ブラジル・レアルへの投資や、人工知能(AI)関連株などがその例で、資金運用担当者はポジションの偏在によるリスクを警戒している。
AIブームとキャリートレードに資金集中、急落時の巻き戻しに懸念今年人気を集めた新興国市場トレードの一部が、過熱感から懸念材料になりつつある。ブラジル・レアルへの投資や、人工知能(AI)関連株などがその例で、資金運用担当者はポジションの偏在によるリスクを警戒している。 ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズは、中南米通貨のバリュエーションが実体経済のファンダメンタルズから乖離(かいり)していると指摘。これらの通貨は、2025年のキャリートレードで好成績を収めた。フィデリティ・インターナショナルは、流動性が限られるアフリカ市場について、世界的にボラティリティーが高まった場合のリスクを懸念している。 ウェルズ・ファーゴの新興国市場エコノミスト兼為替ストラテジストのブレンダン・マッケナ氏は「投資家は新興国市場に対してあまりに楽観的だ」と指摘。「為替のバリュエーションは、全てとは言わないまでも大半が割高で、市場を取り巻く多くのリスクを十分に織り込んでいない。短期的には引き続き良好なパフォーマンスを示すかもしれないが、調整は避けられないだろう」と述べた。 こうした警戒感には理由がある。米利下げ観測やドル安、そしてAIブームという「強気の材料」が重なり、新興国市場は多くの分野で過熱感が漂っている。こうした上昇を支えた資金流入そのものが、今や急激な資金流出リスクをはらみ、世界的な投資心理の冷え込みや広範な資産クラスでの流動性逼迫(ひっぱく)を引き起こす可能性がある。 HSBCホールディングスが9月に実施した四半期調査によれば、発展途上国資産に投資する100人の投資家(総資産4230億ドル)のうち、61%が現地通貨建ての新興国債券を差し引きでオーバーウエートにしていた。これは6月時点のマイナス15%からの大幅上昇だ。ブルームバーグの指数によると、新興国の現地通貨建て債券は今年、6年ぶりの高リターンを記録する見通しとなっている。 新興国株の指標、MSCI新興市場指数は今年10月まで10カ月連続で上昇しており、これは約20年ぶりの連続上昇記録となっている。年初来では約30%高と、2017年(34%上昇)以来の好調な年間リターンが見込まれる。 ただし、17年に急騰したあと、18年には17%下落した。米連邦準備制度理事会(FRB)の想定以上のタカ派姿勢や米中貿易戦争、ドル高を背景に、人気が集中していた新興国株やキャリートレード(低金利通貨で資金調達し高金利通貨で運用)および現地通貨建ての債券が急落した。 RBCブルーベイ・アセット・マネジメントのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、アンソニー・ケトル氏は現地通貨建て債券について、「年末に向けて、2025年の成功したトレードから利益確定を進める投資家が出てくるリスクがあり、それが為替市場の変動性を高める可能性がある」と述べた。 今月のアジア株市場では、極端なバリュエーションと投資の偏りがもたらすリスクを、AI関連銘柄の急落という形で投資家は目の当たりにした。テクノロジー株は世界的に売られたが、アジア市場では特にハイテク株の指数全体に占める割合が高いため、リスクの顕在化がより鮮明だったとアナリストは指摘している。 代表的な例が韓国総合株価指数で、2025年に世界で最も好調な主要株価指数となり、年初来で約70%上昇していた。しかしボラティリティーが急上昇する中で、一時は1日で6%余り急落。その後は下げ幅の半分を取り戻して引けた。 ラザード・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ロヒト・チョプラ氏は、ハイテク株急落を受けて慎重姿勢に転じている。「ファクターの観点では、低クオリティー企業の株価が高クオリティー企業を上回るパフォーマンスを示している」と指摘。「経験則で言えば、こうした乖離は持続しない傾向があり、ポジションの集中が続けば反転の可能性がある」と述べた。.
AIブームとキャリートレードに資金集中、急落時の巻き戻しに懸念今年人気を集めた新興国市場トレードの一部が、過熱感から懸念材料になりつつある。ブラジル・レアルへの投資や、人工知能(AI)関連株などがその例で、資金運用担当者はポジションの偏在によるリスクを警戒している。 ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズは、中南米通貨のバリュエーションが実体経済のファンダメンタルズから乖離(かいり)していると指摘。これらの通貨は、2025年のキャリートレードで好成績を収めた。フィデリティ・インターナショナルは、流動性が限られるアフリカ市場について、世界的にボラティリティーが高まった場合のリスクを懸念している。 ウェルズ・ファーゴの新興国市場エコノミスト兼為替ストラテジストのブレンダン・マッケナ氏は「投資家は新興国市場に対してあまりに楽観的だ」と指摘。「為替のバリュエーションは、全てとは言わないまでも大半が割高で、市場を取り巻く多くのリスクを十分に織り込んでいない。短期的には引き続き良好なパフォーマンスを示すかもしれないが、調整は避けられないだろう」と述べた。 こうした警戒感には理由がある。米利下げ観測やドル安、そしてAIブームという「強気の材料」が重なり、新興国市場は多くの分野で過熱感が漂っている。こうした上昇を支えた資金流入そのものが、今や急激な資金流出リスクをはらみ、世界的な投資心理の冷え込みや広範な資産クラスでの流動性逼迫(ひっぱく)を引き起こす可能性がある。 HSBCホールディングスが9月に実施した四半期調査によれば、発展途上国資産に投資する100人の投資家(総資産4230億ドル)のうち、61%が現地通貨建ての新興国債券を差し引きでオーバーウエートにしていた。これは6月時点のマイナス15%からの大幅上昇だ。ブルームバーグの指数によると、新興国の現地通貨建て債券は今年、6年ぶりの高リターンを記録する見通しとなっている。 新興国株の指標、MSCI新興市場指数は今年10月まで10カ月連続で上昇しており、これは約20年ぶりの連続上昇記録となっている。年初来では約30%高と、2017年(34%上昇)以来の好調な年間リターンが見込まれる。 ただし、17年に急騰したあと、18年には17%下落した。米連邦準備制度理事会(FRB)の想定以上のタカ派姿勢や米中貿易戦争、ドル高を背景に、人気が集中していた新興国株やキャリートレード(低金利通貨で資金調達し高金利通貨で運用)および現地通貨建ての債券が急落した。 RBCブルーベイ・アセット・マネジメントのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、アンソニー・ケトル氏は現地通貨建て債券について、「年末に向けて、2025年の成功したトレードから利益確定を進める投資家が出てくるリスクがあり、それが為替市場の変動性を高める可能性がある」と述べた。 今月のアジア株市場では、極端なバリュエーションと投資の偏りがもたらすリスクを、AI関連銘柄の急落という形で投資家は目の当たりにした。テクノロジー株は世界的に売られたが、アジア市場では特にハイテク株の指数全体に占める割合が高いため、リスクの顕在化がより鮮明だったとアナリストは指摘している。 代表的な例が韓国総合株価指数で、2025年に世界で最も好調な主要株価指数となり、年初来で約70%上昇していた。しかしボラティリティーが急上昇する中で、一時は1日で6%余り急落。その後は下げ幅の半分を取り戻して引けた。 ラザード・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ロヒト・チョプラ氏は、ハイテク株急落を受けて慎重姿勢に転じている。「ファクターの観点では、低クオリティー企業の株価が高クオリティー企業を上回るパフォーマンスを示している」と指摘。「経験則で言えば、こうした乖離は持続しない傾向があり、ポジションの集中が続けば反転の可能性がある」と述べた。
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