沖縄本島で戦前走っていた軽便鉄道がデジタル技術によって現代によみがえった。沖縄県のIT企業が当時の沿線風景をコンピューターグラフィック(CG)で再現した運転シ…
沖縄本島で戦前走っていた軽便鉄道がデジタル技術によって現代によみがえった。沖縄県のIT企業が当時の沿線風景をコンピューターグラフィック(CG)で再現した運転シミュレーターを開発。鉄道開業から111年を迎えた1日、同県与那原町にある資料館で公開された。軽便鉄道は先の大戦末期に始まった沖縄戦で焼失し、戦後復旧することはなかった。関係者は運転シミュレーターを通じ、鉄路復活の機運を醸成したい考えだ。シミュレーターを開発したのは、運転士向けの教材ソフトを鉄道会社に提供しているIT企業「あしびっとワークス」(同県中城(なかぐすく)村)。昭和初期の沿線写真や測量地図などの資料を基に3DCG(3次元コンピューターグラフィックス)の技術を活用したという。 同社の藁科(わらしな)邦利社長は「実際の路線のカーブや勾配を忠実に再現した」と話す。現在運転できるのは、県営鉄道与那原線の那覇-古波蔵間と大里-与那原間計2区間のそれぞれ上り、下りのみだが、今後は区間や路線を拡充させたいという。沖縄県営鉄道は軌間762ミリの軽便鉄道。本来は「けいべん」と読むが、沖縄では「ケービン」と呼ばれ親しまれた。与那原線のほか嘉手納線、糸満線と貨物線の海陸連絡線があり、総延長約48キロを誇った。資料館によると、ガソリンカーや蒸気機関車、貨車など保有車両は133両。国内最大規模の軽便鉄道だった。ただ、苛烈を極めた沖縄戦によって、鉄道の遺構はほとんど残っていない。鉄筋コンクリート造りだった与那原駅舎は戦後、建物を改修して町役場などとして使われたが、老朽化が進み、平成25年に取り壊された。現在は9本のコンクリート柱の一部が残るのみだ。激しい空襲や砲撃から難を逃れた機関車やガソリンカー、レールなどもスクラップにされた。戦後の沖縄本島では、平成15年に沖縄都市モノレール(愛称・ゆいレール)が開業するまで鉄軌道が敷設されず、車社会が進んだ。各地で交通渋滞が慢性化し、沖縄本島南部の那覇空港から離れた北部地域で経済発展が遅れる要因にもなった。 那覇市と北部の名護市を結ぶ総事業費6000億円超の鉄軌道を整備する計画はあるものの、採算性の課題から具体化していない。沖縄県の玉城デニー知事は「LRT(次世代型路面電車)は非常に重要な手段」との認識を示し、LRT導入に向けた研究も進める方針だ。 与那原町の照屋町長は、運転シミュレーターを活用しながら住民の鉄道への思いを高め、「将来のLRT敷設を実現させたい」と意気込む。画面上のCGではなく、実際に二条のレールの上を列車が走る日が待ち遠しい。(大竹直樹).
沖縄本島で戦前走っていた軽便鉄道がデジタル技術によって現代によみがえった。沖縄県のIT企業が当時の沿線風景をコンピューターグラフィック(CG)で再現した運転シミュレーターを開発。鉄道開業から111年を迎えた1日、同県与那原町にある資料館で公開された。軽便鉄道は先の大戦末期に始まった沖縄戦で焼失し、戦後復旧することはなかった。関係者は運転シミュレーターを通じ、鉄路復活の機運を醸成したい考えだ。シミュレーターを開発したのは、運転士向けの教材ソフトを鉄道会社に提供しているIT企業「あしびっとワークス」(同県中城(なかぐすく)村)。昭和初期の沿線写真や測量地図などの資料を基に3DCG(3次元コンピューターグラフィックス)の技術を活用したという。 同社の藁科(わらしな)邦利社長は「実際の路線のカーブや勾配を忠実に再現した」と話す。現在運転できるのは、県営鉄道与那原線の那覇-古波蔵間と大里-与那原間計2区間のそれぞれ上り、下りのみだが、今後は区間や路線を拡充させたいという。沖縄県営鉄道は軌間762ミリの軽便鉄道。本来は「けいべん」と読むが、沖縄では「ケービン」と呼ばれ親しまれた。与那原線のほか嘉手納線、糸満線と貨物線の海陸連絡線があり、総延長約48キロを誇った。資料館によると、ガソリンカーや蒸気機関車、貨車など保有車両は133両。国内最大規模の軽便鉄道だった。ただ、苛烈を極めた沖縄戦によって、鉄道の遺構はほとんど残っていない。鉄筋コンクリート造りだった与那原駅舎は戦後、建物を改修して町役場などとして使われたが、老朽化が進み、平成25年に取り壊された。現在は9本のコンクリート柱の一部が残るのみだ。激しい空襲や砲撃から難を逃れた機関車やガソリンカー、レールなどもスクラップにされた。戦後の沖縄本島では、平成15年に沖縄都市モノレール(愛称・ゆいレール)が開業するまで鉄軌道が敷設されず、車社会が進んだ。各地で交通渋滞が慢性化し、沖縄本島南部の那覇空港から離れた北部地域で経済発展が遅れる要因にもなった。 那覇市と北部の名護市を結ぶ総事業費6000億円超の鉄軌道を整備する計画はあるものの、採算性の課題から具体化していない。沖縄県の玉城デニー知事は「LRT(次世代型路面電車)は非常に重要な手段」との認識を示し、LRT導入に向けた研究も進める方針だ。 与那原町の照屋町長は、運転シミュレーターを活用しながら住民の鉄道への思いを高め、「将来のLRT敷設を実現させたい」と意気込む。画面上のCGではなく、実際に二条のレールの上を列車が走る日が待ち遠しい。(大竹直樹)
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