広報の仕事は、見込み客に働き掛けて買ってもらったり、投資家に働き掛けて出資してもらったり「それぞれにそれぞれの働き掛けをしてリターンをもらう。そういう活動です」。 広報・マーケティングに詳しい日比谷尚武氏が語った、企業の広報支援に入る際にまず行う質問とは。
ちょっと自己紹介が長いんですが、実はこれ、ある意味私のソートリーダーシップなんです。要は発信だけじゃないいろいろな活動が、実はブランディングにつながったり「この人は○○のプロなんだな」と思ってもらう活動の1つでもあります。ちょっとおこがましいですが、懲りずに続きの自己紹介をお出しします。 私がやっている活動をいくつか挙げます。若手の官僚と起業家をつなぐコミュニティ「Public Meets Innovation」では、スタートアップの方々に霞が関や官僚の方をもっと身近に感じてほしいと活動しています。 「渋谷をつなげる30人」は、渋谷のまちづくりをするプロジェクトに民間の方に加わってもらい、5、6年活動しているんですが、私はそこでエバンジェリスト(伝道者)として活動しています。異なるセクターの方をつないで、コミュニケーションを増やす、知ってもらう活動をやったりしています。1つご紹介したいのは、私が関わっている広報の業界団体に、日本パブリックリレーションズ協会があります。広報の方は聞いたことがあるかもしれませんが、PRプランナー試験という、広報にまつわる資格試験の運営をやっています。 この試験は「広報ではこんな仕事をやる」という内容をほぼ網羅したものになっています。試験を受けなくても「こういうことが求められるんだな」ということを知るために、教科書や参考書の目次だけでも眺めていただくと、幅広さがわかっていただけるんじゃないかと思います。:ここからはいよいよ本編その2の「広報とは?」に入っていきます。先ほど「広報の仕事は幅広い」「メディアに出るだけじゃないんだよ」という話に触れました。では、みなさんは広報の仕事をどう捉えているでしょうか?これはどれも正解だと思っています。あとで詳しく申し上げるんですが、広報の仕事は、会社の事業のフェーズや直面する課題によって変わるし、変えていいものだと思っています。 例えば会社やサービスが立ち上がった時は、とにかくサービスの認知度を上げたり、メンバーを増やさなきゃいけない。名前を知られていないので、ブログなどでどんな会社なのかをわかってもらえる発信をすることが必要になります。広報の仕事は会社の規模やフェーズによって変わるがゆえに、「俺にとっての広報はこうだ」「隣の会社の広報はこういうことをやってるぞ」というのを聞くと、広報の定義がばらばらになってくる。そうすると、「いったい広報は何をやるんだろう?」と混乱しちゃったりすることが多いようですね。:ちなみに、誤解シリーズで言いますと、みなさん「PR表記」という言葉は聞いたことがありますかね? いわゆる記事広告ですね。雑誌やオンライン媒体で、記事やコンテンツのように見えるけれども、実はお金を出して書いてもらう手法が、を「ステマ(ステルスマーケティング)」と言って、昔、問題になりました。 「広告なのに広告じゃないふりをするのは、ずるいじゃないか。フェアじゃないじゃないか」ということで、「きちんと『広告です』とわかるようにしましょう」というガイドラインが業界団体で定められています。「『PR』『AD』『広告記事』などと明記しましょう」というガイドラインがあります。 なぜそうなったかはいろいろあるんですが、ただ、そこで明記する例として「【PR】と添えるべし」と定められてしまったものだから、「どうもPRとは広告のことなんだな」という伝わり方をしているようです。でも、これはちょっと違うんです。正解はこの後に言います。 それからもう1つ。人材業界ではよく聞くんですが「自己PR」という言葉があります。採用活動の時に自分のことをいかにアピールするかという意味で使われます。ウィキペディアにも書いてありますし、人事系のコンテンツでは「自己PR」があちこちに書いてありますね。 ここでは「PR」は「アピール」の意味で使われているんですが、今日のセミナーで言う「広報」は、この「アピール」だけではないんです。要するに「自己PR」の「PR」と「広報」は違うんです。これもちょっと気をつけてください。 それから、よくある誤解の3つ目「プロモーション」、販促ですね。企業の販促活動を「プロモーション」と言いますが、その頭文字を取って「PR」。「PRは販促なんでしょ? プロモーションでしょ?」という意味で使う方もたまにいます。プロやコンサルが、広報支援に入る企業にまず聞くこと:「広報」の語源は「パブリック・リレーションズ」という言葉から来ています。この頭文字を取れば「PR」になるわけですね。文字通り「パブリック」は「社会」や「世の中」という意味です。世の中とのリレーションズですから、「関係を作る」「維持する」、そのへんがつまり広報の語源だし、本来求められるものです。 ただ、社会や世の中と言っても広すぎます。実際、企業や団体が何か事業活動をやろうとすると、もう少し解像度を高める必要があります。例えば消費者さんやユーザーさん、株主さんがいたり、株主さんに情報提供するアナリストの方や証券会社がいたり、監督官庁がいたり、これから採用していく従業員の方や従業員のご家族がいたり。例えば見込み客に働き掛けて買ってもらう、投資家の方々に働き掛けてお金を出して応援してもらう、ビジネスパートナーに働き掛けて事業提携をし、一緒に業界を盛り上げるなど、それぞれにそれぞれの働き掛けをしてリターンをもらう。そういう活動です。それらを勘案すると、広報とは「ステークホルダーと理想の関係を作って良好に維持すること。その上で、事業としてやりたい目標を達成する。いい関係を作るだけではなく、自分たちの目的もちゃんと達成する。それを実現するのが広報の機能だ」となります。冒頭に申し上げたように、メディアが何を扱うか、世の中の人が何に興味を持つかは常に変わるわけです。例えばライフステージが変わると食べるものが変わったり、付き合う人が変わったり、かけられるお金が変わったりといろいろ変わると思うんですが、そういったことの複合体が世の中ですから。また、右下のコミュニケーションの方法ですね。もともとは電話やファックスで営業をしていたのが、IT、デジタルも使うようになったり、最近だとAIが対応してくれることもあるかもしれない。人に働き掛けて伝えたりコミュニケーションする技術はどんどん進化しています。それらを勘案した上で、常にいい関係を作り続ける。これが広報の難しさであり醍醐味なわけです。.
ちょっと自己紹介が長いんですが、実はこれ、ある意味私のソートリーダーシップなんです。要は発信だけじゃないいろいろな活動が、実はブランディングにつながったり「この人は○○のプロなんだな」と思ってもらう活動の1つでもあります。ちょっとおこがましいですが、懲りずに続きの自己紹介をお出しします。 私がやっている活動をいくつか挙げます。若手の官僚と起業家をつなぐコミュニティ「Public Meets Innovation」では、スタートアップの方々に霞が関や官僚の方をもっと身近に感じてほしいと活動しています。 「渋谷をつなげる30人」は、渋谷のまちづくりをするプロジェクトに民間の方に加わってもらい、5、6年活動しているんですが、私はそこでエバンジェリスト(伝道者)として活動しています。異なるセクターの方をつないで、コミュニケーションを増やす、知ってもらう活動をやったりしています。1つご紹介したいのは、私が関わっている広報の業界団体に、日本パブリックリレーションズ協会があります。広報の方は聞いたことがあるかもしれませんが、PRプランナー試験という、広報にまつわる資格試験の運営をやっています。 この試験は「広報ではこんな仕事をやる」という内容をほぼ網羅したものになっています。試験を受けなくても「こういうことが求められるんだな」ということを知るために、教科書や参考書の目次だけでも眺めていただくと、幅広さがわかっていただけるんじゃないかと思います。:ここからはいよいよ本編その2の「広報とは?」に入っていきます。先ほど「広報の仕事は幅広い」「メディアに出るだけじゃないんだよ」という話に触れました。では、みなさんは広報の仕事をどう捉えているでしょうか?これはどれも正解だと思っています。あとで詳しく申し上げるんですが、広報の仕事は、会社の事業のフェーズや直面する課題によって変わるし、変えていいものだと思っています。 例えば会社やサービスが立ち上がった時は、とにかくサービスの認知度を上げたり、メンバーを増やさなきゃいけない。名前を知られていないので、ブログなどでどんな会社なのかをわかってもらえる発信をすることが必要になります。広報の仕事は会社の規模やフェーズによって変わるがゆえに、「俺にとっての広報はこうだ」「隣の会社の広報はこういうことをやってるぞ」というのを聞くと、広報の定義がばらばらになってくる。そうすると、「いったい広報は何をやるんだろう?」と混乱しちゃったりすることが多いようですね。:ちなみに、誤解シリーズで言いますと、みなさん「PR表記」という言葉は聞いたことがありますかね? いわゆる記事広告ですね。雑誌やオンライン媒体で、記事やコンテンツのように見えるけれども、実はお金を出して書いてもらう手法が、を「ステマ(ステルスマーケティング)」と言って、昔、問題になりました。 「広告なのに広告じゃないふりをするのは、ずるいじゃないか。フェアじゃないじゃないか」ということで、「きちんと『広告です』とわかるようにしましょう」というガイドラインが業界団体で定められています。「『PR』『AD』『広告記事』などと明記しましょう」というガイドラインがあります。 なぜそうなったかはいろいろあるんですが、ただ、そこで明記する例として「【PR】と添えるべし」と定められてしまったものだから、「どうもPRとは広告のことなんだな」という伝わり方をしているようです。でも、これはちょっと違うんです。正解はこの後に言います。 それからもう1つ。人材業界ではよく聞くんですが「自己PR」という言葉があります。採用活動の時に自分のことをいかにアピールするかという意味で使われます。ウィキペディアにも書いてありますし、人事系のコンテンツでは「自己PR」があちこちに書いてありますね。 ここでは「PR」は「アピール」の意味で使われているんですが、今日のセミナーで言う「広報」は、この「アピール」だけではないんです。要するに「自己PR」の「PR」と「広報」は違うんです。これもちょっと気をつけてください。 それから、よくある誤解の3つ目「プロモーション」、販促ですね。企業の販促活動を「プロモーション」と言いますが、その頭文字を取って「PR」。「PRは販促なんでしょ? プロモーションでしょ?」という意味で使う方もたまにいます。プロやコンサルが、広報支援に入る企業にまず聞くこと:「広報」の語源は「パブリック・リレーションズ」という言葉から来ています。この頭文字を取れば「PR」になるわけですね。文字通り「パブリック」は「社会」や「世の中」という意味です。世の中とのリレーションズですから、「関係を作る」「維持する」、そのへんがつまり広報の語源だし、本来求められるものです。 ただ、社会や世の中と言っても広すぎます。実際、企業や団体が何か事業活動をやろうとすると、もう少し解像度を高める必要があります。例えば消費者さんやユーザーさん、株主さんがいたり、株主さんに情報提供するアナリストの方や証券会社がいたり、監督官庁がいたり、これから採用していく従業員の方や従業員のご家族がいたり。例えば見込み客に働き掛けて買ってもらう、投資家の方々に働き掛けてお金を出して応援してもらう、ビジネスパートナーに働き掛けて事業提携をし、一緒に業界を盛り上げるなど、それぞれにそれぞれの働き掛けをしてリターンをもらう。そういう活動です。それらを勘案すると、広報とは「ステークホルダーと理想の関係を作って良好に維持すること。その上で、事業としてやりたい目標を達成する。いい関係を作るだけではなく、自分たちの目的もちゃんと達成する。それを実現するのが広報の機能だ」となります。冒頭に申し上げたように、メディアが何を扱うか、世の中の人が何に興味を持つかは常に変わるわけです。例えばライフステージが変わると食べるものが変わったり、付き合う人が変わったり、かけられるお金が変わったりといろいろ変わると思うんですが、そういったことの複合体が世の中ですから。また、右下のコミュニケーションの方法ですね。もともとは電話やファックスで営業をしていたのが、IT、デジタルも使うようになったり、最近だとAIが対応してくれることもあるかもしれない。人に働き掛けて伝えたりコミュニケーションする技術はどんどん進化しています。それらを勘案した上で、常にいい関係を作り続ける。これが広報の難しさであり醍醐味なわけです。
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