小学校受験の面接対策で、子どもへの指導に熱心になる親が多いが、実は親自身の練習不足が原因で不合格になるケースも少なくない。子どもの長所や志望動機を具体的に語れず、学校側が重視する家庭での子どもの成長を伝えられないことが主な原因。面接では子どもの経験や興味を重視し、親は子どもの意見を尊重する姿勢が重要。実際に面接対策で成功した親の事例を紹介。
子どもの面接練習で、親は「なんで何回もやっているのにできないの?」「あなたはもっとこうしたほうがいい」とダメ出しをしますが、子どもの対策に力をいれるあまり、実は本番では、 親の練習 不足が足を引っ張るケースが圧倒的に多いのです。東京大学卒業後、大手通信会社勤務。その後、自身の母親が30年続けている受験絵画教室のメソッドを活かし、2011年 小学校受験 専門幼児教室設立。その後、2022年5月に株式会社コノユメを設立し、家庭学習をサポートするオンラインサロンのコノユメSCHOOLを開校。慶應義塾幼稚舎、慶應義塾横浜初等部、早稲田実業学校初等部、雙葉小学校、白百合学園小学校、東京農業大学稲花小学校、など難関校へ多数の合格者を輩出しているしかし、仕事のプレゼンや採用面接と、わが子の受験の面接は全くの別物です。とくに、受験対策をすべて母親に任せている父親は、子どもが受験する学校について表面的な理解しかしておらず、志望理由を聞かれても、ありふれたことしか言えなくなってしまいます。 学校からの質問がクローズド・クエスチョンの場合、「はい」「いいえ」の一言で終わらせてしまうケースも少なくありません。例えば、「(学校に)来校されたことはありますか?」という質問に対して「はい」というように一言だけで終わらせると、話がそこで終わってしまいます。本当は、「はい」に続いて、来校したときの印象、そしてそこからの志望動機まで話していただきたいところです。また、「お子さんの長所は?」と聞かれて、「明るく元気なところです」と、どの子にも当てはまる回答もしてしまいがちです。「明るく元気」が悪いわけではないのですが、具体的なエピソードとともに、わが子ならではの素敵なところをお伝えしたいところです。 大人でも、緊張すると予想外の行動や発言をしてしまうことがあります。父親の『できるだろう』という過信は、子どもの今までの数年間の頑張りを無駄にしかねません。頭では整理できていても、実際に話してみるとうまく話せないものです。父親も自分の力を過信せず、お子さんと一緒に面接の練習をしましょう。最近よく見られるのが、「うちの子はこんなことができて、こんな賞を取って……」と、わが子のできることや実績を延々とアピールしたり、自分の人脈を自慢したりする方です。これは、 小学校受験 で大事にすべきことを勘違いしているケースです。 小学校受験 ではお金があることを伝えなくてはいけない、わが子が他の子よりできることをアピールしないといけない、と思っている方も多いようですが、それは違います。学校側は、入学後に学校と家庭が同じ方向を向いていけるか、子どもが学校での学びを自分の力にして成長していける家庭かを知りたいのです。 大事なのは、子どもの関心に寄り添い、興味や視野を丁寧に広げている 親子関係 。面接では、できること・できないことではなく、子どもが今までに経験したこと、それを親子でどのように楽しみ、興味を広げ、 子どもの成長 につなげてきたか、を話してください。子どもを中心に据えて、体験を学びに変えている家庭は、学校としても魅力的に感じるはずです。例えば、面接の日の朝に菓子パンを食べた子は「今朝は何を食べましたか?」と聞かれてだまってしまうことがあります。練習では「味噌汁とごはんと魚を食べました」と答えていたけど、今日は違う。でも「菓子パンです」と答えるのはよくなさそう……と悩んで、結局答えられなくなってしまうのです。また、「けんかは悪いこと」だと思っている子は面接で、「けんかをしたことはありますか?」「ありません」「本当にありませんか?」「ありません」と答えることがあります。面接では、子どもが親の目を気にすることなく、自分の意見を言えることが重要です。親は子どもに正解を求めるのでなく、見守る姿勢を忘れないようにしましょう。面接で手応えを感じて無事に合格した親子も、最初から順風満帆だったわけではありません。ここから紹介する家庭は、どちらも途中で「これではいけない」と思い直し、気持ちと行動を改めています。Aちゃんの両親が受験を決めたのは年中の春。しかし、その夏に突然父親の海外赴任がきまり、長期休みだけ父親が日本に帰ってくるという生活をしていました。そして年長の春、親子でコノユメSCHOOLの面接演習に参加しました。娘とは仲良しだと思っていたし、定期的に帰国してコミュニケーションを取っていたのだから大丈夫だろう、と高をくくっていたのだそうです。お父さんは「これはまずい」と思い直し、テレビ電話で毎日Aちゃんと話す時間を作るようにしました。 そこから、2人は「今日はどんなことがあった?」「それは大変だったね。そのときどんな気持ちだった?」と日々の出来事や感じたことを伝え合いました。お父さんはAちゃんに「いつも応援しているよ」というメッセージを伝えることも忘れませんでした。またAちゃんは、自分が描いた絵やカードをエアメールでお父さんに送るために、絵画や工作の練習も頑張るようになったそうです。【共働き家庭で親がとにかく忙しいBくんのケース】 Bくんの家庭は共働きで、とくに父親は毎日帰宅が遅く、平日に顔を合わせることはほとんどない状況でした。面接演習を受けても、父親は各学校の特徴に基づいた志望理由を話すことができず、Bくんの長所や家族のエピソードも出てきません。しかし、当時のお父さんは「まあ、本番までにはなんとかなるはず。今はこんなもんだろう」とあまり重く捉えていませんでした。 受験まであと3カ月となったある日、穏やかな性格のBくんが、突然堰を切ったように泣き始めました。理由を聞いてもよくわからない状況でしたが、とにかく感情があふれ出しているようでした。その姿を見て、Bくんが小さい体で精一杯がんばっていることを感じ、両親も奮起したのです。 とはいえ、平日の帰宅時間を早めることはできないため、父親とBくんは交換日記をすることにしました。また、休日は父子2人で公園に出かけたり、週末はお姉さんも交えて必ずトランプやかるたで遊ぶ時間を設けるなど、できる限り積極的なコミュニケーションを心がけました。「(Bくんに)笑顔が増えたのが、一番嬉しい」というお父さんの言葉が印象的でした。親がBくんの頑張りに目を向けたことが、Bくんの自己肯定感を高めることにつながりました。また、コミュニケーションの密度を意識したことで家族一丸となることができ、面接本番でBくんは両親に見守られながら、元気よく発言して本領発揮。見事、本命の小学校に合格しました。.
子どもの面接練習で、親は「なんで何回もやっているのにできないの?」「あなたはもっとこうしたほうがいい」とダメ出しをしますが、子どもの対策に力をいれるあまり、実は本番では、親の練習不足が足を引っ張るケースが圧倒的に多いのです。東京大学卒業後、大手通信会社勤務。その後、自身の母親が30年続けている受験絵画教室のメソッドを活かし、2011年小学校受験専門幼児教室設立。その後、2022年5月に株式会社コノユメを設立し、家庭学習をサポートするオンラインサロンのコノユメSCHOOLを開校。慶應義塾幼稚舎、慶應義塾横浜初等部、早稲田実業学校初等部、雙葉小学校、白百合学園小学校、東京農業大学稲花小学校、など難関校へ多数の合格者を輩出しているしかし、仕事のプレゼンや採用面接と、わが子の受験の面接は全くの別物です。とくに、受験対策をすべて母親に任せている父親は、子どもが受験する学校について表面的な理解しかしておらず、志望理由を聞かれても、ありふれたことしか言えなくなってしまいます。 学校からの質問がクローズド・クエスチョンの場合、「はい」「いいえ」の一言で終わらせてしまうケースも少なくありません。例えば、「(学校に)来校されたことはありますか?」という質問に対して「はい」というように一言だけで終わらせると、話がそこで終わってしまいます。本当は、「はい」に続いて、来校したときの印象、そしてそこからの志望動機まで話していただきたいところです。また、「お子さんの長所は?」と聞かれて、「明るく元気なところです」と、どの子にも当てはまる回答もしてしまいがちです。「明るく元気」が悪いわけではないのですが、具体的なエピソードとともに、わが子ならではの素敵なところをお伝えしたいところです。 大人でも、緊張すると予想外の行動や発言をしてしまうことがあります。父親の『できるだろう』という過信は、子どもの今までの数年間の頑張りを無駄にしかねません。頭では整理できていても、実際に話してみるとうまく話せないものです。父親も自分の力を過信せず、お子さんと一緒に面接の練習をしましょう。最近よく見られるのが、「うちの子はこんなことができて、こんな賞を取って……」と、わが子のできることや実績を延々とアピールしたり、自分の人脈を自慢したりする方です。これは、小学校受験で大事にすべきことを勘違いしているケースです。 小学校受験ではお金があることを伝えなくてはいけない、わが子が他の子よりできることをアピールしないといけない、と思っている方も多いようですが、それは違います。学校側は、入学後に学校と家庭が同じ方向を向いていけるか、子どもが学校での学びを自分の力にして成長していける家庭かを知りたいのです。 大事なのは、子どもの関心に寄り添い、興味や視野を丁寧に広げている親子関係。面接では、できること・できないことではなく、子どもが今までに経験したこと、それを親子でどのように楽しみ、興味を広げ、子どもの成長につなげてきたか、を話してください。子どもを中心に据えて、体験を学びに変えている家庭は、学校としても魅力的に感じるはずです。例えば、面接の日の朝に菓子パンを食べた子は「今朝は何を食べましたか?」と聞かれてだまってしまうことがあります。練習では「味噌汁とごはんと魚を食べました」と答えていたけど、今日は違う。でも「菓子パンです」と答えるのはよくなさそう……と悩んで、結局答えられなくなってしまうのです。また、「けんかは悪いこと」だと思っている子は面接で、「けんかをしたことはありますか?」「ありません」「本当にありませんか?」「ありません」と答えることがあります。面接では、子どもが親の目を気にすることなく、自分の意見を言えることが重要です。親は子どもに正解を求めるのでなく、見守る姿勢を忘れないようにしましょう。面接で手応えを感じて無事に合格した親子も、最初から順風満帆だったわけではありません。ここから紹介する家庭は、どちらも途中で「これではいけない」と思い直し、気持ちと行動を改めています。Aちゃんの両親が受験を決めたのは年中の春。しかし、その夏に突然父親の海外赴任がきまり、長期休みだけ父親が日本に帰ってくるという生活をしていました。そして年長の春、親子でコノユメSCHOOLの面接演習に参加しました。娘とは仲良しだと思っていたし、定期的に帰国してコミュニケーションを取っていたのだから大丈夫だろう、と高をくくっていたのだそうです。お父さんは「これはまずい」と思い直し、テレビ電話で毎日Aちゃんと話す時間を作るようにしました。 そこから、2人は「今日はどんなことがあった?」「それは大変だったね。そのときどんな気持ちだった?」と日々の出来事や感じたことを伝え合いました。お父さんはAちゃんに「いつも応援しているよ」というメッセージを伝えることも忘れませんでした。またAちゃんは、自分が描いた絵やカードをエアメールでお父さんに送るために、絵画や工作の練習も頑張るようになったそうです。【共働き家庭で親がとにかく忙しいBくんのケース】 Bくんの家庭は共働きで、とくに父親は毎日帰宅が遅く、平日に顔を合わせることはほとんどない状況でした。面接演習を受けても、父親は各学校の特徴に基づいた志望理由を話すことができず、Bくんの長所や家族のエピソードも出てきません。しかし、当時のお父さんは「まあ、本番までにはなんとかなるはず。今はこんなもんだろう」とあまり重く捉えていませんでした。 受験まであと3カ月となったある日、穏やかな性格のBくんが、突然堰を切ったように泣き始めました。理由を聞いてもよくわからない状況でしたが、とにかく感情があふれ出しているようでした。その姿を見て、Bくんが小さい体で精一杯がんばっていることを感じ、両親も奮起したのです。 とはいえ、平日の帰宅時間を早めることはできないため、父親とBくんは交換日記をすることにしました。また、休日は父子2人で公園に出かけたり、週末はお姉さんも交えて必ずトランプやかるたで遊ぶ時間を設けるなど、できる限り積極的なコミュニケーションを心がけました。「(Bくんに)笑顔が増えたのが、一番嬉しい」というお父さんの言葉が印象的でした。親がBくんの頑張りに目を向けたことが、Bくんの自己肯定感を高めることにつながりました。また、コミュニケーションの密度を意識したことで家族一丸となることができ、面接本番でBくんは両親に見守られながら、元気よく発言して本領発揮。見事、本命の小学校に合格しました。
