【トヨタが日本製鉄から韓ポスコへ「切り替え」画策】 日本製鉄がトヨタ自動車と中国鉄鋼メーカーを提訴してから四カ月。水面下で、トヨタが日本製鉄から韓ポスコへ鋼材取引の切り替えを画策していたことが分かりました。果たして、ポスコはどう動いたのでしょうか。
昨年10月に日本製鉄がトヨタと鉄鋼世界最大手・中国宝武鋼鉄集団の宝山鋼鉄(宝鋼)を特許侵害で訴えた問題は、「場外乱闘」に発展している。日本製鉄にとってトヨタは最重要顧客であり、ユーザー企業を訴えるなど前代未聞のことである。 あるトヨタ関係者によれば「トヨタが韓鉄鋼大手のポスコに鉄鋼製品約10万トン分の注文をお願いした」という。明らかに日本製鉄からの“転注(注文の乗り換え)”を想定したものであり、トヨタは日本製鉄を追い込む手段として、鋼材受注量の引き下げを画策していたのだ。 トヨタは近視眼的な事象にとらわれることなく、持続的な経営を実践する企業として知られている。それを貫くための処世術でもあるのだろう。重大局面に至ったときにパートナーがどのようにトヨタに対処したのか――。その際にトヨタが受けた恩恵も、そして恨みも長きにわたって忘れることはない。 典型例が旧住友銀行(現・三井住友銀行)との因縁だ。戦後、トヨタが資金繰りに窮した際に大阪銀行(住友銀行の前身)に袖にされたという負の歴史はトヨタ社内で語り継がれた。転機は三井住友銀行出身の役員を受け入れた2018年。トヨタが怨念を払い両者が和解するまでには、実に70年近くを要したことになる。次ページでは、トヨタの発注要請に対してポスコがどう動いたのか、その交渉の内実を明らかにする。また、日本製鉄がトヨタに対して強気な態度に出る「三つの根拠」についても解説していく。.
昨年10月に日本製鉄がトヨタと鉄鋼世界最大手・中国宝武鋼鉄集団の宝山鋼鉄(宝鋼)を特許侵害で訴えた問題は、「場外乱闘」に発展している。日本製鉄にとってトヨタは最重要顧客であり、ユーザー企業を訴えるなど前代未聞のことである。 あるトヨタ関係者によれば「トヨタが韓鉄鋼大手のポスコに鉄鋼製品約10万トン分の注文をお願いした」という。明らかに日本製鉄からの“転注(注文の乗り換え)”を想定したものであり、トヨタは日本製鉄を追い込む手段として、鋼材受注量の引き下げを画策していたのだ。 トヨタは近視眼的な事象にとらわれることなく、持続的な経営を実践する企業として知られている。それを貫くための処世術でもあるのだろう。重大局面に至ったときにパートナーがどのようにトヨタに対処したのか――。その際にトヨタが受けた恩恵も、そして恨みも長きにわたって忘れることはない。 典型例が旧住友銀行(現・三井住友銀行)との因縁だ。戦後、トヨタが資金繰りに窮した際に大阪銀行(住友銀行の前身)に袖にされたという負の歴史はトヨタ社内で語り継がれた。転機は三井住友銀行出身の役員を受け入れた2018年。トヨタが怨念を払い両者が和解するまでには、実に70年近くを要したことになる。次ページでは、トヨタの発注要請に対してポスコがどう動いたのか、その交渉の内実を明らかにする。また、日本製鉄がトヨタに対して強気な態度に出る「三つの根拠」についても解説していく。
