「実に深刻な問題だと思います。一般市民の明日の暮らしには影響しないかもしれませんが、こうした技術は表に出ないかたちで今後10年でさらに大きな役割を演じるようになるはずです」。
さらにリムは、領有権を巡り係争中の南シナ海の一部地域が、中国のパスポートに印刷された地図では自国の領土として描かれていたことも指摘する。「高度な技術を使わなくても、これと似たような目的を果たすことはできるのです」と、リムは言う。米国の情報機関は、加工された衛星写真のもたらす脅威が増大しつつあることを認めている。「悪意をもつ何者かが、デマの拡散や情報操作によってわれわれの世界観に影響を及ぼそうとするかもしれません」と、米国防総省の付属機関で地理空間情報の収集と分析、伝達を監視する米国家地理空間情報局(NGA)の広報担当者は語っている。 NGAの担当者は、偽造された画像の特定には犯罪科学の分析手法が役立つはずだとしながらも、自動作成されたフェイク画像の急増により新たな対応策が必要になる可能性を認めている。何らかのソフトウェアを使って、画像の加工やファイル内のデータ改ざんといった明確な情報操作の証拠を見つけることはできるかもしれない。しかし、そうした証拠を消す方法をも学習してしまうAIのせいで、フェイク画像をつくる者と見破る者との間で“いたちごっこ”が続いているのが現状だ。AIを使って加工された画像を見破る技術は、いまや産学官の主要な研究分野のひとつになっている。フェイスブックをはじめ、偽情報の拡散を危惧する大手テック企業は、ディープフェイク動画の識別を自動化する取り組みを支援している。 ワシントン大学のジャオは、偽の衛星写真を自動識別する方法を開発したいと考えている。時間の経過によって景観がどう変化するのか観察することで、疑わしい部分に気づけるようになるかもしれないのだと彼は言う。「時間と空間の相互的なパターンを掴むことが、非常に重要になるはずです」 ただし、政府がこうしたフェイク画像を見抜く技術を備えていたとしても、一般の人々が不意打ちを食らうことはありうるとジャオは指摘する。「1枚の衛星写真がソーシャルメディアで広く拡散されれば、それが何らかの問題を引き起こす可能性は常にあるのです」.
さらにリムは、領有権を巡り係争中の南シナ海の一部地域が、中国のパスポートに印刷された地図では自国の領土として描かれていたことも指摘する。「高度な技術を使わなくても、これと似たような目的を果たすことはできるのです」と、リムは言う。米国の情報機関は、加工された衛星写真のもたらす脅威が増大しつつあることを認めている。「悪意をもつ何者かが、デマの拡散や情報操作によってわれわれの世界観に影響を及ぼそうとするかもしれません」と、米国防総省の付属機関で地理空間情報の収集と分析、伝達を監視する米国家地理空間情報局(NGA)の広報担当者は語っている。 NGAの担当者は、偽造された画像の特定には犯罪科学の分析手法が役立つはずだとしながらも、自動作成されたフェイク画像の急増により新たな対応策が必要になる可能性を認めている。何らかのソフトウェアを使って、画像の加工やファイル内のデータ改ざんといった明確な情報操作の証拠を見つけることはできるかもしれない。しかし、そうした証拠を消す方法をも学習してしまうAIのせいで、フェイク画像をつくる者と見破る者との間で“いたちごっこ”が続いているのが現状だ。AIを使って加工された画像を見破る技術は、いまや産学官の主要な研究分野のひとつになっている。フェイスブックをはじめ、偽情報の拡散を危惧する大手テック企業は、ディープフェイク動画の識別を自動化する取り組みを支援している。 ワシントン大学のジャオは、偽の衛星写真を自動識別する方法を開発したいと考えている。時間の経過によって景観がどう変化するのか観察することで、疑わしい部分に気づけるようになるかもしれないのだと彼は言う。「時間と空間の相互的なパターンを掴むことが、非常に重要になるはずです」 ただし、政府がこうしたフェイク画像を見抜く技術を備えていたとしても、一般の人々が不意打ちを食らうことはありうるとジャオは指摘する。「1枚の衛星写真がソーシャルメディアで広く拡散されれば、それが何らかの問題を引き起こす可能性は常にあるのです」
