どんな学校になるのか? サッカー日本代表の元監督・岡田武史氏が立ち上げる学校ということで開校前から話題となったFC今治高等学校 里山校。授業や学習スタイルが柔軟でテストもない、午後は芸術・探究・野外活動の時間と、自由でありながら自主性が求められるカリキュラムになっている。7月に開催されたオープンスクールに教育ジャーナリスト 中曽根陽子氏が参加した。開校から1年半経過した生徒たちのリアルをお届けする。
「自由ということは、何でも自分たちで考えなくてはいけない不自由がある。でも、自由だから個性を発揮できるし、何にでも挑戦できる。挑戦すれば失敗もするけれど、それがこの学校が大事にするエラー・アンド・ラーンだ。できるかどうかわからないことに挑戦するからワクワクするし、成長もする」 生徒たちのアンケート結果には、自由を手に入れて葛藤する姿が浮かび上がっていました。入学から4カ月。2期生たちは、自由な環境の中でたくさんぶつかり、葛藤し、迷いながらチャレンジもして、その中で少しずつ自分たちを可視化しているようでした。実際、一つの教室の中で、前の方で先生の講義を聞くグループ、友達同士で学び合うグループ、はたまた自分でスタディサプリを使って学習するなど、さまざまな学習スタイルが混在しているのです。 ついこれまでの常識に当てはめると、「それで授業が成り立つのか」と思ってしまいますが、生徒の1人は「数学は得意ではないのでコーチ(FCIでは先生をコーチと呼ぶ)の講義を聞いて学ぶけれど、ほかの科目では自学をして、わからないところを友人やコーチに聞いている」と話していました。 教科や習熟の度合いに応じて、試行錯誤しながら自分にとって最適な学習方法を探りながら、学んでいるようです。とはいえ、自分にはどの学習スタイルが合っているのかを見つけるまでには時間がかかるでしょうし、自分を律して集中しないと何もしないで流されてしまうこともあるでしょう。 ましてや、やりたいことを見つけていくのは簡単ではないのでは。アンケート結果にも、「何をしていいかわからない」「学ぶ姿勢の差」というワードが大きくなっていました。「やりたいことがある」生徒にとっては、これ以上ない環境があるけれど、「この学校に来れば楽ができる」と考えていたら、手にできるものも大きく差が出るのではと感じました。FCIの学園長でサッカー日本代表の元監督・岡田武史氏(右)、校長の辻氏(左)「1期生は何もないところに覚悟を持って入ってきたし、われわれもよくわからない中で、1人ひとりと向き合いながら必死にやってきた1年でした。2期生は、まだ自由になったことにはしゃいでいる段階のものもいる。中には『テストもないし、自由で楽しそう』と思って入学してきた生徒もいて、当然トラブルもあります。 ただ、人はそれぞれ違うということを前提にしながら、相手の立場になって考え、最後はよい学校にしていくという共通の目的に向かって、生徒自身が自己決定していくことが大切です。人数が増えた分、1人ひとりと向き合うのには時間がかかっていますが、どこまで黙って見守っていくのか。われわれもエラー・アンド・ラーンで日々を送っています」(岡田氏) 「今日のオープンスクールは2回目ですが、1回目は準備不足で満足いく内容ではなかったので、その反省から、今回はいろいろ考えて準備をしてきたのだと思います」という岡田氏の言葉通り、かなり生徒たちの気合いを感じるイベントでした。FCIでは、学校にとっては大事な生徒募集の機会であるオープンスクールさえも、生徒のエラー・アンド・ラーンの機会にしているのです。「これまでの教育はできるだけ失敗をさせない教育だったのでは」と疑問を投げかける岡田氏。長くサッカー指導を続ける中で、日本人選手の「主体性の欠如」に課題を感じてきた岡田氏は、この経験から、教育の現場でも主体性を育むことの重要性を認識し、学校教育を通じて社会に貢献できる人材の育成を目指そうと起こした学校がFCIです。 そこには、「法律に触れることはしない」「命に関わることをしない」「人の成長を邪魔しない」の3つ以外に生徒を縛る校則はありません。学び方の自由はあるけれど、人の学びを邪魔する自由はない。この大きな原則の中で、「エラー・アンド・ラーン」を合言葉に、FCIの教育は行われているのです。また、日本一出会いの多い高校を目指して、トヨタ自動車会長の豊田章男さんをはじめ、社会の第一線で活躍しているゲスト講師に直接話を聞く機会もたくさんあります。何かを成し遂げた人から発せられる言葉に心を震わせる瞬間もあるでしょう。 しかし、出会いはゲスト講師だけではありません。「日本一出会いの多い学校にしようと思っていますが、今治の町に出て地元の人たちとの継続的な活動をすることにも重きを置いています」と校長の辻正太氏。それが、地域の企業とコラボして事業課題や地域の課題にアプローチする探究ゼミ活動です。 サッカーのFC今治を中心に町おこしに成功しているとはいえ、地方都市はどこもそうですが、今治市も人口減少やシャッター商店街などの課題を抱えています。生徒たちは町に出てそれらの課題に向き合い、自分には何ができるのかを考えていきます。.
「自由ということは、何でも自分たちで考えなくてはいけない不自由がある。でも、自由だから個性を発揮できるし、何にでも挑戦できる。挑戦すれば失敗もするけれど、それがこの学校が大事にするエラー・アンド・ラーンだ。できるかどうかわからないことに挑戦するからワクワクするし、成長もする」 生徒たちのアンケート結果には、自由を手に入れて葛藤する姿が浮かび上がっていました。入学から4カ月。2期生たちは、自由な環境の中でたくさんぶつかり、葛藤し、迷いながらチャレンジもして、その中で少しずつ自分たちを可視化しているようでした。実際、一つの教室の中で、前の方で先生の講義を聞くグループ、友達同士で学び合うグループ、はたまた自分でスタディサプリを使って学習するなど、さまざまな学習スタイルが混在しているのです。 ついこれまでの常識に当てはめると、「それで授業が成り立つのか」と思ってしまいますが、生徒の1人は「数学は得意ではないのでコーチ(FCIでは先生をコーチと呼ぶ)の講義を聞いて学ぶけれど、ほかの科目では自学をして、わからないところを友人やコーチに聞いている」と話していました。 教科や習熟の度合いに応じて、試行錯誤しながら自分にとって最適な学習方法を探りながら、学んでいるようです。とはいえ、自分にはどの学習スタイルが合っているのかを見つけるまでには時間がかかるでしょうし、自分を律して集中しないと何もしないで流されてしまうこともあるでしょう。 ましてや、やりたいことを見つけていくのは簡単ではないのでは。アンケート結果にも、「何をしていいかわからない」「学ぶ姿勢の差」というワードが大きくなっていました。「やりたいことがある」生徒にとっては、これ以上ない環境があるけれど、「この学校に来れば楽ができる」と考えていたら、手にできるものも大きく差が出るのではと感じました。FCIの学園長でサッカー日本代表の元監督・岡田武史氏(右)、校長の辻氏(左)「1期生は何もないところに覚悟を持って入ってきたし、われわれもよくわからない中で、1人ひとりと向き合いながら必死にやってきた1年でした。2期生は、まだ自由になったことにはしゃいでいる段階のものもいる。中には『テストもないし、自由で楽しそう』と思って入学してきた生徒もいて、当然トラブルもあります。 ただ、人はそれぞれ違うということを前提にしながら、相手の立場になって考え、最後はよい学校にしていくという共通の目的に向かって、生徒自身が自己決定していくことが大切です。人数が増えた分、1人ひとりと向き合うのには時間がかかっていますが、どこまで黙って見守っていくのか。われわれもエラー・アンド・ラーンで日々を送っています」(岡田氏) 「今日のオープンスクールは2回目ですが、1回目は準備不足で満足いく内容ではなかったので、その反省から、今回はいろいろ考えて準備をしてきたのだと思います」という岡田氏の言葉通り、かなり生徒たちの気合いを感じるイベントでした。FCIでは、学校にとっては大事な生徒募集の機会であるオープンスクールさえも、生徒のエラー・アンド・ラーンの機会にしているのです。「これまでの教育はできるだけ失敗をさせない教育だったのでは」と疑問を投げかける岡田氏。長くサッカー指導を続ける中で、日本人選手の「主体性の欠如」に課題を感じてきた岡田氏は、この経験から、教育の現場でも主体性を育むことの重要性を認識し、学校教育を通じて社会に貢献できる人材の育成を目指そうと起こした学校がFCIです。 そこには、「法律に触れることはしない」「命に関わることをしない」「人の成長を邪魔しない」の3つ以外に生徒を縛る校則はありません。学び方の自由はあるけれど、人の学びを邪魔する自由はない。この大きな原則の中で、「エラー・アンド・ラーン」を合言葉に、FCIの教育は行われているのです。また、日本一出会いの多い高校を目指して、トヨタ自動車会長の豊田章男さんをはじめ、社会の第一線で活躍しているゲスト講師に直接話を聞く機会もたくさんあります。何かを成し遂げた人から発せられる言葉に心を震わせる瞬間もあるでしょう。 しかし、出会いはゲスト講師だけではありません。「日本一出会いの多い学校にしようと思っていますが、今治の町に出て地元の人たちとの継続的な活動をすることにも重きを置いています」と校長の辻正太氏。それが、地域の企業とコラボして事業課題や地域の課題にアプローチする探究ゼミ活動です。 サッカーのFC今治を中心に町おこしに成功しているとはいえ、地方都市はどこもそうですが、今治市も人口減少やシャッター商店街などの課題を抱えています。生徒たちは町に出てそれらの課題に向き合い、自分には何ができるのかを考えていきます。
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