いよいよ登場した“第3のランクル”こと「トヨタ・ランドクルーザー“250”」。世界中の極地で活躍するランクルファミリーの、「新たな中核モデル」といううたい文句は本物か? 本格的なオフロードコースで、その実力を確かめた。
みんな大好き、 ランドクルーザー 。その3兄弟を、 トヨタ のお膝元にあるオフロードコース「さなげアドベンチャーフィールド」で試乗することができた。今回はまず、一番新しい ランドクルーザー “250”からご紹介させていただくことにする。 なんて前振りすると、「そんなこと言ったって、ランクル買えないじゃん!」という声が聞こえてきそうだ。そして内心では筆者も、同じように思っていたりする。いいなと思っても買えないモデルを紹介するのって、つらいよね。だけれど買える買えないの話は、ここではひとまず置いておきたい。なぜなら今回の舞台は超本格的なオフロードコースであり、実はそこに「買える買えない問題」の答えさえもが、隠されていたと筆者は感じたからである。 さなげアドベンチャーフィールドが初めてだった筆者は、とっても驚いた。特に前半コースには、「本気でここ登らせるつもり!?」と思わずこぼしたほど、強烈な岩場の急斜面が含まれていたからだ。聞けばそれでも通常よりは難易度を低めたコース設定にしているとのことだったが、それにしても「新車でランクル買って、こんなところ走るユーザー、いないでしょ!」と思った。ということでまずはロック・モーグルのセクションを、角目の「ZX」で走った。モードは最初から「L4」(四駆のローレンジ)に設定されており、ちょっとアクセルを踏んだだけで、発進から2.
8リッターの直列4気筒ディーゼルターボ「1GD」が“ヴァーン”とほえた。「マルチテレインセレクト」(MTS)のモードには「サンド」「マッド」「ロック」「ダート」「ディープスノー」とあるが、基本は「オート」。フロントスタビライザーは、「SDM」スイッチでフリーにしてあった。 強力なエンジンブレーキとフットブレーキを併用しながら、急な坂道をゆっくりと降りる。その乗り心地は砂漠のロールスならぬ荒れ地のレクサスといった高級感で、リアの編集部H君からも「乗り心地がすごくいい!」と歓喜の声が上がった。 肩慣らしのモーグルは、まったくもって危なげがない。対角線上の浮いた車輪にブレーキをかけて、接地輪のトラクションを稼ぐその制御は、ブレーキのかけ方がひときわ緻密だ。音にすると“グゴゴゴゴ……”(ブレーキをかける音)からの“ゴリゴリゴリ!”(トラクションがかかる様子)ではなく、“クココココ……”からの“グイグイグイッ!”といった具合に、スマートにこぶを乗り越えていく。 サスペンションストロークは、後日紹介する「ランドクルーザー“300”」と比べてしまうと、ちょっと短め。もっともアッチは「GRスポーツ」ということで専用のダンパーが装備されていて、フロントの1輪が700mm(!!)くらい持ち上がっても他の3輪が浮かないほどの超ロングストローク仕様だったというから、比べてしまうのは少しかわいそうかもしれない。“300”が絶対王者なら、“250”はハイスタンダードといった感じである。 もうひとつ感心したのは、ステアリングフィールだ。“250”はランクルとして初めて、電動パワーステアリング(EPS)を装備した。オフロードにおけるEPSのメリットは、路面からのキックバックを電動の反力制御で打ち消せることだ。つまり車体が岩を乗り越えて結構激しく揺れていても、ハンドルはぶれないからとても操作しやすい。正直これが油圧式に電動アシストを加えたランクル“300”(「VX」「ZX」「GRスポーツ」のみ)のパワステより優れているのかと聞かれたら、筆者の経験だと甲乙はつけられない。今後“300”がフルEPSになったとしたら、そのほうが効率的ということなのだろう。センターコンソールに備わるトランスファーの切り替えスイッチ。ローレンジのギア比は2.566。「マルチテレインセレクト」の走行制御は、「H4」モードでは「オート」「ダート」「サンド」「マッド」「ディープスノー」から、「L4」モードでは「オート」「サンド」「マッド」「ロック」から選択可能となる。 助手席のエンジニア氏の指示にまるっと従い、1つ目の岩を乗り越える。ちょっと大きくない? と思ったら、案の定“ガッツーン!”と底を打った。ものすごく大きくて、とっても嫌な音だ。うぅ……もう、帰っていいですか? こうした路面を無事に走り切るコツは、トラクションを途切れさせないことだ。アクセルを深すぎず、しかし浅すぎず踏み込んで、タイヤを少し滑らせ気味に保つ。するとブレーキが内輪をつまみ、MTSがモードを瞬時に切り替えまくり、“250”がグイグイ登っていく。思わず息を止めながら、右足に神経を全集中。スーパーローのギア比でも、2.8リッター直列4気筒ディーゼルターボは従順だ。巨大な岩を乗り越えながらの登坂に挑む。ガン、ゴンと車底をヒットさせながら進んでいくが、同乗するエンジニアは涼しい顔。モノコックのクルマでは考えられないタフネスだ。 後半ステージでは、林間コースを走った。ここで感じたのは、ランクル“250”の見切りの良さだ。“300”とラダーフレームを共用しながらも、スタビ位置の変更でフロントオーバーハングを切り詰め、同じくフロントバンパーの隅を削り取ったボディーは扱いやすい。ホイールベースは2850mmで“300”と同等、最小回転半径は6mと、実は“300”よりも10cm長いくらいなのだが、コックピットからの眺めはボンネットの両端がつかみやすく、フロントガラスの立ち具合もあわせて、心理的にも身軽に動ける感じがした。 筆者は今回の試乗で、遅ればせながらラダーフレームの魅力を知った。ラダーといえば頑丈だが、その他の面ではモノコックにかなわない。そんな漠然としたイメージが、ランクル“250”によって払拭(ふっしょく)された。 エンジニア氏いわく、ランクル“250”/“300”で使われる「GA-F」プラットフォームは、「おそらく同じサイズのモノコックより断然剛性が高い」という。ちなみに先代にあたる「ランドクルーザー プラド」(150系)と比較して、フレーム剛性で50%、車両全体としては30%の剛性アップを果たしている。そして上屋にかぶせたボディーとの結合も、まるでモノコックボディーのように一体感が高い。 「ZX“ファーストエディション”」に装備される丸目の「Bi-Beam LEDヘッドランプ」は、カタログモデルにも販売店オプションとして用意される(2024年7月発売予定)。なお「ZX」に装着するとアダプティブハイビーム機能がなくなってしまうので要注意。 標準のタイヤサイズは、「ZX」が265/60R20、「ZX“ファーストエディション”」「VX“ファーストエディション”」(ディーゼル車)が265/70R18、「VX」「VX“ファーストエディション”」(ガソリン車)が265/65R18、「GX」が245/70R18となっている。ちなみに、岩場でガッツリ打ちつけた下まわりをのぞくと、各部を接合するネジまわりには見事に鉄板のガードが設けられていた。あの程度の“ガツン”では、壊れるわけがないのである。 さて最後に肝心な「買える、買えない問題」だが、筆者は欲しいなら、トコトン待てばいいと思う。はやりものとしてランクルに乗りたいならそうも言ってられないだろうが、そのコンセプトを理解できる人には、時を経ようとランクルはランクルだからだ。実際、同じコースでプラドに乗っても、古さや制御の粗さを感じこそすれ、走りのタフさはまったく同じだった。ランクル“250”もマイナーチェンジしようが、もっと言えば代替わりしたとしても、その魅力と本質は揺るがない。だから本当に欲しいのであれば、しぶとく追い続ければいいのである。
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