「国を守る」朝日主張の奇怪 政治学者 岩田温(あつし) 朝日新聞は「国を守る」を考えるにあたり「基軸は『国民』であるべきだ」と説く。国民を守るのは当然では? 尖閣のように国民が住んでいない領土は差し出すことが賢明だという結論に行き着かないだろうか
「安保3文書」が決定される1カ月ほど前の11月24日、朝日新聞は「『国を守る』を考える 『国民第一』に総合力を磨け」との社説を掲載した。朝日が「国を守る」ことを真剣に考え始めたのかと興味深く読み始めた。 冒頭では北朝鮮、中国の脅威について触れ、欧州ではロシアがウクライナを一方的に侵略した事実を指摘している。そのうえで「国民の多くが不安に思い、防衛費の増額に賛同する意見が増えるのも、もっともである」と続ける。ついに朝日も眼前の危機を注視し、現実的な防衛政策を説くようになったのかといささか感慨深いものがあった。 だが、やはり朝日の主張は奇怪である。突如「国を守る」とは何を守るのかを問い始める。領土、独立、統治機構、自由や民主主義などの価値。こう列挙した後に、「いずれも重要」と留保を付けながら、「基軸は『国民』であるべきだ」と説く。具体的に考えてみよう。尖閣諸島を狙ってある国が侵攻してきたとする。尖閣諸島には国民が誰も住んでいない。この島を防衛するために自衛隊が生命を懸ける行為は間違っているといえるだろうか。自衛隊も国民だ。国民を守ることが「基軸」であるならば、尖閣諸島を侵略国に差し出すことが賢明だという結論に行き着かないだろうか。 ロシアがウクライナに侵攻した際、日本では奇妙な言説が横行した。ウクライナ側が「戦うだけの選択肢」ではならぬというのだ。ロシアの侵略行為を非難するのではなく、ウクライナの対応が悪いと言わんばかりの主張だった。確かに国民を守ることは重要だ。だが、祖国の独立を守ることを貶(おとし)めるような議論は歴史を知らぬ浅薄な議論と言わざるを得ない。.
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