国土交通省が推進する、3D都市モデルの整備/活用/オープンデータ化の取組み「Project PLATEAU(プロジェクト・プラトー)」。今回はアクセンチュア編として、スペースデータ、NTTインフラネットの2社をゲストに招き、現実空間と仮想空間が融合していく未来社会の基盤づくりとPLATEAUをめぐる議論が行われた。
アクセンチュアでは毎年、テクノロジートレンドの最新動向や予測を紹介する「アクセンチュア テクノロジービジョン」というレポートを公開しています。昨年版(2022年版)のテーマは、われわれが現実空間と仮想空間を行き交うようになる未来を指して「メタバースで会いましょう」というものでした。今年の2023年版は、この考えが進化して「アトムとビットが出会う時」という言葉を掲げています。 昨年版との違いは、将来的には現実空間と仮想空間がなめらかに融合して“ひとつの空間”を構成していく、という考え方です。レポートでは、そうした現実/仮想のなめらかな融合によって何が変わるのか、またその実現のために必要となるキーテクノロジーとは何か、といったことをご紹介しています。「なめらかな融合」を支える4つのテクノロジートレンド一方、NTTインフラネットさんの取り組みは、都市の地下に埋設されている通信、電気、上下水道、ガス、熱供給などのインフラ設備のデータを一元化し、3Dモデル化して可視化しようというものです。 まずは、PLATEAUが提供するLOD2(LOD:Level of Detail、3D都市モデルの詳細度)の建築物モデルやそのテクスチャ、LOD1の道路モデルなどを素材として、そこに高精度なテクスチャを付与したり“小物類”(道路上のマーキング、植栽、信号機など)を追加したりするAIの開発です。衛星写真や航空写真など、Web上で利用できる素材を深層学習させるかたちで開発を行っています。 プロジェクトを始めた2020年当時、ゲーム業界やCG業界の人に片っ端から話をしてみたのですが「絶対に不可能だ」と言われ続けました。「いまの技術レベルではありえない」というわけですが、コンピューターができることは指数関数的に進化しますから、わたしはそのうち実現するだろうと見ていました。実際に、この数年間でAIの技術が急速に進化したこともあって、それが実現したわけです。 わたしも最初は「Google Earthがあればいいんじゃないか」と考えました。しかしゲーム開発や映像制作、あるいはメタバースの開発など、企業のビジネスで使うことを考えると、いくつかの課題がありました。 まずは提供されるテクスチャが粗いので、一人称視点のゲームやメタバースなどでの「近距離からの視点に対応できない」。また、グーグル以外の事業者がその3Dモデルやデータを使って自在に開発できるような「APIがそろっていない」。そして、街なかにある「看板」が写り込んでいるため、作品の公開後に著作権や肖像権の問題が発生する大きなリスクがある。こうした理由から、ビジネスで使いやすいものとは言えませんでした。 ちなみに「看板」の課題ですが、スペースデータでは著作権や肖像権に引っかかりそうな看板はいったん除去し、それに似せた3DモデルをAIが再生成するかたちで回避しています。ゲームやエンターテインメントで使う場合、都市の完全な、正確なコピーである必要はないですから。 そこで、インフラ事業者どうしが連携してインフラの更新と維持に取り組もうという動きが出てきています。具体的には作業員のマンパワーをシェアする、技術をシェアするといった動きですが、その本丸として「埋設物に関する情報のシェア」が非常に重要だと考えています。 埋設物の情報とは、すでに現在あるインフラ設備のデータ、これから計画している工事のデータ、点検時のデータといったものです。点検時のデータは、地下を掘り起こして点検を行った際の写真で、そこに他社の設備も写っていれば点検業務が簡略化できる可能性があります。冒頭で増田さんがおっしゃった「なめらかな融合」につながりますが、わたしもメタバース(仮想空間)とユニバース(現実空間)の境界線がどんどん消えていくと考えています。そうなると、現実空間を仮想空間に再現するだけでなく、仮想空間で考えたことが現実空間に影響を与えるような、逆方向のフィードバックも起こることになります。 たとえば、すでに製造業で使われている3Dプリンターなどが良い例ですね。仮想空間でモデリングした試作品を、物理空間へ取り出して検討し、仮想空間上で設計を修正する――。こうして仮想と物理の世界をすごい速度で行き来しながら、ひとつの製品を作り上げていく。こうした変化が、これまでの製造業の“当たり前”を書き換えつつあると思いますし、ほかの世界にも広がっていくのではないでしょうか。 インフラ設備の情報についてですが、現状はまだ「設備がどこにあるか」という情報にとどまっています。今後はこれを「中を流れる情報がどう有機的につながっているか」まで把握できるようにする必要があると考えています。たとえば「水道がどこからどこへ流れているか」「ガスがどう分岐してどこに届いているか」「通信のネットワークがどう張り巡らされているか」といった情報です。 佐藤さんが作られている都市のデジタルツインデータ、あるいは千葉さんがお話された地下埋設物の3次元データやプロトコル作りもそうですが、現実空間と仮想空間がなめらかに融合していく未来のためのインフラ、「デジタルインフラ」が生まれてきています。こうしたデジタルインフラが“当たり前の存在”になることで、世の中のすべての人が新しい体験をしたり、新たなビジネスを展開したりできるようになります。.
アクセンチュアでは毎年、テクノロジートレンドの最新動向や予測を紹介する「アクセンチュア テクノロジービジョン」というレポートを公開しています。昨年版(2022年版)のテーマは、われわれが現実空間と仮想空間を行き交うようになる未来を指して「メタバースで会いましょう」というものでした。今年の2023年版は、この考えが進化して「アトムとビットが出会う時」という言葉を掲げています。 昨年版との違いは、将来的には現実空間と仮想空間がなめらかに融合して“ひとつの空間”を構成していく、という考え方です。レポートでは、そうした現実/仮想のなめらかな融合によって何が変わるのか、またその実現のために必要となるキーテクノロジーとは何か、といったことをご紹介しています。「なめらかな融合」を支える4つのテクノロジートレンド一方、NTTインフラネットさんの取り組みは、都市の地下に埋設されている通信、電気、上下水道、ガス、熱供給などのインフラ設備のデータを一元化し、3Dモデル化して可視化しようというものです。 まずは、PLATEAUが提供するLOD2(LOD:Level of Detail、3D都市モデルの詳細度)の建築物モデルやそのテクスチャ、LOD1の道路モデルなどを素材として、そこに高精度なテクスチャを付与したり“小物類”(道路上のマーキング、植栽、信号機など)を追加したりするAIの開発です。衛星写真や航空写真など、Web上で利用できる素材を深層学習させるかたちで開発を行っています。 プロジェクトを始めた2020年当時、ゲーム業界やCG業界の人に片っ端から話をしてみたのですが「絶対に不可能だ」と言われ続けました。「いまの技術レベルではありえない」というわけですが、コンピューターができることは指数関数的に進化しますから、わたしはそのうち実現するだろうと見ていました。実際に、この数年間でAIの技術が急速に進化したこともあって、それが実現したわけです。 わたしも最初は「Google Earthがあればいいんじゃないか」と考えました。しかしゲーム開発や映像制作、あるいはメタバースの開発など、企業のビジネスで使うことを考えると、いくつかの課題がありました。 まずは提供されるテクスチャが粗いので、一人称視点のゲームやメタバースなどでの「近距離からの視点に対応できない」。また、グーグル以外の事業者がその3Dモデルやデータを使って自在に開発できるような「APIがそろっていない」。そして、街なかにある「看板」が写り込んでいるため、作品の公開後に著作権や肖像権の問題が発生する大きなリスクがある。こうした理由から、ビジネスで使いやすいものとは言えませんでした。 ちなみに「看板」の課題ですが、スペースデータでは著作権や肖像権に引っかかりそうな看板はいったん除去し、それに似せた3DモデルをAIが再生成するかたちで回避しています。ゲームやエンターテインメントで使う場合、都市の完全な、正確なコピーである必要はないですから。 そこで、インフラ事業者どうしが連携してインフラの更新と維持に取り組もうという動きが出てきています。具体的には作業員のマンパワーをシェアする、技術をシェアするといった動きですが、その本丸として「埋設物に関する情報のシェア」が非常に重要だと考えています。 埋設物の情報とは、すでに現在あるインフラ設備のデータ、これから計画している工事のデータ、点検時のデータといったものです。点検時のデータは、地下を掘り起こして点検を行った際の写真で、そこに他社の設備も写っていれば点検業務が簡略化できる可能性があります。冒頭で増田さんがおっしゃった「なめらかな融合」につながりますが、わたしもメタバース(仮想空間)とユニバース(現実空間)の境界線がどんどん消えていくと考えています。そうなると、現実空間を仮想空間に再現するだけでなく、仮想空間で考えたことが現実空間に影響を与えるような、逆方向のフィードバックも起こることになります。 たとえば、すでに製造業で使われている3Dプリンターなどが良い例ですね。仮想空間でモデリングした試作品を、物理空間へ取り出して検討し、仮想空間上で設計を修正する――。こうして仮想と物理の世界をすごい速度で行き来しながら、ひとつの製品を作り上げていく。こうした変化が、これまでの製造業の“当たり前”を書き換えつつあると思いますし、ほかの世界にも広がっていくのではないでしょうか。 インフラ設備の情報についてですが、現状はまだ「設備がどこにあるか」という情報にとどまっています。今後はこれを「中を流れる情報がどう有機的につながっているか」まで把握できるようにする必要があると考えています。たとえば「水道がどこからどこへ流れているか」「ガスがどう分岐してどこに届いているか」「通信のネットワークがどう張り巡らされているか」といった情報です。 佐藤さんが作られている都市のデジタルツインデータ、あるいは千葉さんがお話された地下埋設物の3次元データやプロトコル作りもそうですが、現実空間と仮想空間がなめらかに融合していく未来のためのインフラ、「デジタルインフラ」が生まれてきています。こうしたデジタルインフラが“当たり前の存在”になることで、世の中のすべての人が新しい体験をしたり、新たなビジネスを展開したりできるようになります。
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