OpenAI社内で「Orion」と呼ばれていた「GPT-4.5」が2月27日に登場した。このモデルはOpenAIがこれまでに開発した中で最大規模のものであり、月額200ドルのChatGPT Proサブスクリプションユーザーが最初にアクセスできるようになる。
「GPT-4.5」が2月27日(米国時間)に登場した。OpenAIの最新の生成AIモデルは、これまで以上に大きく、計算処理能力も大幅に向上している。また、ChatGPTユーザーのプロンプトの意図をより良く理解できるようになったとされる。リサーチプレビューと銘打たれたGPT-4.5を試す最初の波に加わりたいユーザーは、OpenAIの月額200ドルのChatGPT Proサブスクリプションに加入する必要がある。 2025年に入って以降、次々と新しいAIモデルが登場している。Anthropicは最近、同社のClaudeチャットボット用にハイブリッド推論モデルを発表した。その前には、中国のスタートアップであるDeepSeekが、わずかな予算で訓練した強力なモデルをリリースしてシリコンバレーを揺るがした。これを受けてOpenAIは1か月前に小型の推論モデル「o3-mini」をリリースした。 これらの新しいリリースと並行して、OpenAIは、より巨大なモデルに燃料を供給するために必要なAIインフラの構築に数十億ドルを投資することを約束した。そしてGPT-4.
5で、OpenAIは同社の現在の戦略である“大きいことはよいことだ”を繰り返したのだ。 大きさを重視 GPT-4.5は、DeepSeekのR1とは対照的だ。できるだけ少ないリソースでフロンティアモデルの性能に匹敵することを試みた、ほかの最近のAIにおける革新と異なるのだ。OpenAIは、モデルの規模を大きくすることで強く前進できると考えている。GPT-4.5に携わった研究者によると、モデル開発における規模を重視する考え方によって、人間の感情や相互作用のニュアンスをより多く捉えられるのだという。 「研究者らは、モデルの大規模化が過去のバージョンと比べてハルシネーションを生成する頻度を減らすのに役立つ可能性があると考えている。「より多くのことを知っていれば、物事を作り上げる必要はありません」と、OpenAIのアライメントチームとヒューマンデータチームを率いるミア・グレーゼは言う。GPT-4.5がどれほどの規模なのか、あるいはどれほどの計算量を要するのかは、まだ正確には明らかになっていない。OpenAIは具体的な数字の共有を控えているのだ。 この新しいモデルの実際の使用感はどうなのだろうか?まずProサブスクリプションのユーザーが先行アクセスでき、PlusとTeamユーザーは来週から、EnterpriseとEdu(教育機関向け)ユーザーはその翌週からの利用開始が予定されている。GPT-4.5では、検索やcanvasに加え、ファイルや画像のアップロード機能も使えるが、AIを使った音声対話(ボイスモード)にはまだ対応していない。 GPT-4.5の発表に関する記事では、OpenAIが各種学術ベンチマークの結果を公開している。それによると、数学分野ではo3-miniモデルに大きく差をつけられ、科学分野でもやや劣っている。ただし、言語関連のベンチマークではGPT-4.5がわずかに高いスコアを記録した。しかし研究者たちは、これらの数値だけでは新モデルの真価を正確に評価できないと指摘している。 GPT-4.5の進化は、以前のGPT-4からGPT-3.5への進化と同じような体験の違いをもたらすと予想しています」とグレーゼは説明する。ユーザーにとって特に文章作成やプログラミングなどの分野では、より優れた成果が得られるようになり、AIとの会話のやり取りがより「自然」な感覚になるだろうとされている。グレーゼは、この限定公開版での実際のユーザーとの対話データすべてが、GPT-4.5の強みと弱点をより正確に把握するための貴重な情報源になることを期待している。 推論モデルではない OpenAIの「o」シリーズの一部としてリリースされたものとは異なり、GPT-4.5は推論モデルとしては位置づけられていない。同社の最高経営責任者(CEO)のサム・アルトマンは2月初旬、ソーシャルメディア上で「社内でOrionと呼んでいたGPT-4.5を、思考連鎖(chain-of-thought)機能を持たない最後のモデルとして提供する」と発表した。これについて、OpenAIの基礎研究部門責任者ニック・ライダーは、アルトマンの発言が指すのは研究開発の方向性ではなく、製品ラインナップの整理に関するものだと説明している。同社は推論モデルだけでなく様々なアプローチを検討しており、今後のChatGPTでは、ユーザーが使用するモデルを意識的に選ぶ必要がなくなり、より統合された体験が提供される見込みだ。 「『これが最後の非推論モデルになる』という発言の真意は、将来的にはシステムが自動的に最適なAIモデルを選んでユーザーに提供する世界を目指しているということです」とライダーは説明する。この構想では、ユーザーがChatGPTにログインすると、AIが自動的にそのプロンプトに最も適したモデルを選択して処理するようになる。現在のChatGPTでは、様々なモデル間を簡単に切り替えるためのドロップダウンメニューが用意されているが、「o3-mini-high」と「GPT-4o」などの選択肢の中から、特定の質問にどのモデルが最も適しているかを判断することは、一般ユーザーにとって次第に複雑で難しい作業になってきている。 競合他社との競争が激化する中、OpenAIは引き続きAI技術のリーダーとしての地位を維持したいと考えており、その主要戦略として事前学習(プレトレーニング)に多額の投資を行っている。「より多くの計算リソースとより膨大なデータを活用し、さらに効率的な学習手法に注力することで、教師なし学習の新たな地平を切り開いています」とライダーは言う。 GPT-4.5の前例のない巨大なサイズは、モデルの内部で何が起こっているのかを理解することをさらに難しくするのだろうか。しかしライダーは、モデルサイズの拡大が解釈可能性(interpretability、モデルがなぜ特定の回答を生成するのかを理解できること)を損なうとは考えていない。彼によれば、小規模モデルの解析に使用している手法は、このような大規模モデルにも同様に適用できるとされている。 新ソフトウェアのリリースに関する継続的な取材の一環として、わたしはGPT-4.5を実際にテストし、競合製品や過去バージョンとの違いを直接検証する予定だ。OpenAIはGPT-4.5の強みとして、より鋭い直感、より高度な感情理解能力、審美眼といった、ほぼ人間的、抽象的な側面を挙げており、これまでのモデルとの比較が難しいかもしれないと思う。OpenAIの最終目標は、リモートワーカー並みの生産性を持つAIの開発のはずなので、確かにソフトスキルの強化に注力していることがうかがえる。 (Originally published on wired.com, translated by Mamiko Nakano) ※『WIRED』によるOpenAIの関連記事はこちら。 Related Articles 『WIRED』の「THE WIRED WORLD IN 20XX」シリーズは、未来の可能性を拡張するアイデアやイノベーションのエッセンスが凝縮された毎年恒例の大好評企画だ。ユヴァル・ノア・ハラリやオードリー・タン、安野貴博、九段理江をはじめとする40名以上のビジョナリーが、テクノロジーやビジネス、カルチャーなど全10分野において、2025年を見通す最重要キーワードを掲げている。本特集は、未来を実装する者たちにとって必携の手引きとなるだろう。 詳細はこちら。
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