論文の採択を決めるレビューボードの新井氏は応募傾向について、「サイバーセキュリティの国際会議そのものに対する発表応募の大半が、今はAI関係になってきているという世界的な傾向があります」と指摘。今年のC...
国際サイバーセキュリティカンファレンス「CODE BLUE 2025」のメディア向け説明会が10月9日にオンラインで開催された。11月16日から17日にトレーニング、18日から19日にカンファレンスを開催する。● 採択率 4 ~ 5 %、国際会議でも最高峰クラスの競争倍率 今年で13回目を迎えるCODE BLUEは、コロナ前の規模に近づきつつある。事務局代表の篠田佳奈氏によると、講演者募集(CFP)には国内外から550件以上の応募があり、その中から29本のセッションを採択したという。採択率5%、投稿倍率18.
9倍の計算となる。 本年開催されたBlack Hat USA 2025 CFPの応募件数が1,143件で採択数が93件、採択率8%で投稿倍率12.3倍なので、Black Hat USAを上回る人気と注目度がある。 篠田氏は「非常に狭き門で、他で通ってもうちでは通らないということもよくあります。海外の方からもその点はよく認識されています」と述べた。 レビューボード代表の新井悠氏は、応募件数が552件で倍率が前年比で1.56倍になったと報告。「かなり厳しい、4%から5%の採択率なので、ほかの国際カンファレンスや学術系の国際会議と比較しても最高峰に厳しい戦いを強いられる国際会議となっています」と説明した。● AI 関連講演が世界的潮流に 新井氏は応募傾向について、「サイバーセキュリティの国際会議そのものに対する発表応募の大半が、今は AI 関係になってきているという世界的な傾向があります」と指摘。今年のCODE BLUEでも AI 関連の採択講演が多く含まれている。 特に注目されるのが、1日目最後に開催される特別セッション「パネルディスカッション:AI とセキュリティの現在と未来(仮題)」だ。オープニングキーノート登壇者でMayhem CEO、カーネギーメロン大学教授のDavid Brumley氏に加え、今夏DEF CON 33で開催されたDARPA「 AI Cyber Challenge」の優勝3チームであるTeam Atlanta、Trail of Bits、Theoriのメンバーが登壇する。● コンシューマーデバイスと重要インフラが焦点 篠田氏は今年のテーマの特徴として、「コンシューマーデバイスが強いと感じています」と述べた。1日目にはGoogle PixelやSamsung Galaxyの携帯端末のエクスプロイト、Amazon Kindle経由でのアカウント乗っ取りなど、身近なデバイスの攻撃に関する講演が並ぶ。 2日目午後には、Google Calendar経由でGeminiを乗っ取る攻撃手法や、北朝鮮 IT 労働者の活動実態に関する講演が予定されている。新井氏によると、北朝鮮 IT 労働者に関する発表は「査読者ほぼ全員が『これはぜひ聞いてもらうべきだ』ということで高く評価している」という。● 本気の次世代育成と学生参加を重視 CODE BLUEは次世代育成に開催早期から力を入れている。今年のU25枠(25歳以下のスピーカー枠)には、台湾の学生研究者3名によるルートキット解析の講演と、韓国の学生2名によるマルチOS信頼基盤侵害に関する講演が採択された。優秀と認められた講演には2015年から継続している研究開発奨励金が授与される。 篠田氏は本年のCODE BLUEの学生ボランティアスタッフについて「今年は昨年を超える過去最高数の応募があり、50名ですね。大学生、大学院生だけでなく、中高生も採用されております。毎年サイバーセキュリティ業界への就職につながっています。これは誇らしい事実です」と嬉しそうに語った。ときに狙撃者のような視線を放つ篠田氏だが、プレスカンファレンス中、笑顔を見せた瞬間のひとつだった。● DEF CONから 5 つの Village を招致 カンファレンス期間中には、コンテスト・ワークショップ担当の三村聡志氏が紹介した体験型コンテンツも多数開催される。三村氏は「主に DEF CON USA にて出展されているコンテスト・ワークショップの一部を日本に連れてきた」と説明。Biohacking、Car Hacking、Aerospace、ICS(産業用制御システム)、Maritime(海運・港湾)の5つのVillageが展開されるという。 三村氏は「産業システム、車、医療、船舶、そして宇宙の重要インフラ等々について、サイバーセキュリティ分野における最新の知見を、ワークショップ形式や意見交換という形で展開する企画です」と述べた。 過去最高倍率というCODE BLUEの人気についてプレスカンファレンス会場から問われた篠田氏は「私が逆に聞きたいぐらいなんです。なぜこんなにたくさん呼んでくれるのかって。でも実感としては、スピーカーがスピーカーを呼んでくれるんですよね」と答え、長年の査読の積み重ねとスタッフのホスピタリティが評価されていると分析した。 カンファレンスは11月18日から19日、ベルサール高田馬場で開催される。参加費用は一見すると安くない印象を持つかもしれないが、内容を正当に評価できるならタダ同然、むしろお金を配られるぐらい充実したカンファレンスであることがわかる。元の記事を読む
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