提供開始から5年足らずでARR(年間経常収益)100億円を突破した、Sansanの請求書管理サービス「Bill One」。その成長戦略に迫る。
し始めた。大西氏は「エンタープライズでも5%、ミッドで3%弱、スモールビジネスでは0.1%と、カバー率はまだ一桁台」と、市場開拓余地の大きさを強調する。こうした顧客層の拡大は契約件数の増加につながる一方で、平均単価の押し下げ要因ともなっている。 成長が減速する中、営業効率の向上と利益率の改善も課題となってきた。Sansanの決算資料によれば、同社全体の調整後営業利益率は2025年5月期第3四半期で16.
3%と改善を見せている。Bill One単体では利益率は明らかにされていないが、これまでの赤字を許容した成長優先戦略から、持続可能な収益モデルへの移行期にあると見られる。Bill Oneは2024年に発表した「モデル4」で、「Bill Oneビジネスカード」に続き、「Bill One発行」「Bill One経費」といった関連サービスの展開を強化した。「当社の強みが生かせて、かつ今まで解決できていなかった領域がある」と大西氏は説明する。 このマルチプロダクト戦略は、ユースケースの提示強化にもつながっている。請求書受領という単一機能だけでなく、発行や経費精算を含めた経理業務全体の効率化という価値を提示することで、特に紙の請求書処理に慣れた企業にとって、業務変革の「大義名分」をより強固なものにできるからだ。からだ。結果として、導入検討企業の予算確保や意思決定に時間がかかる傾向が強まっている。「業務フローを変える必要がある。全社にまたがるプロセスなので、そこを大きく変えるパワーがかなりかかる」と大西氏は企業の導入ハードルを分析する。 面白いのは、大企業と中小企業でのクロスセル状況の違いだ。「エンタープライズ(大企業)よりもミッド(中堅中小企業)の方が複数サービスを導入する傾向がある」と大西氏は指摘する。大企業は部分最適を志向する傾向があるのに対し、中堅・中小企業は一つのベンダーから複合サービスを導入した方がコスト効率が良いと判断するためだという。「ARR100億円は出発点にすぎない」と大西氏は語る。同氏が描く最終ゴールは、Sansanのビジョンである「ビジネスインフラになる」ことだ。その核となるのが現在、Bill Oneを介した請求書の送り手と受け手の合計は約21.6万社に達しており、年間約49兆円(2025年2月実績の年換算)の請求書がやりとりされている。しかし日本のB2B取引は約1000兆円規模とされ、開拓余地は大きい。「日本のB2Bトランザクションは900兆から1000兆円ある。もっとBill Oneが当たり前に使われる世界を作っていくための出発点だ」と大西氏は市場の巨大さを強調する。と大西氏は意気込む。請求書の送付側にもBill Oneのアカウントを作ってもらい、企業間の取引をデジタル化することで、参加企業全体の業務効率化を図る考えだ。これにより「Bill Oneでやりとりした方が全ての企業にとってプラスであるという状態」を目指している。 具体的な取り組みの一つが、すでにリリースした「到着管理」機能だ。これは取引先からの請求書がいつ届くかをAIで予測し、届き漏れを防止するもの。大西氏は「今後は送付側へのアラート機能や、請求書と入金情報の自動突合など、企業間のやりとりをよりスムーズにする機能の開発を進める」と将来構想を明かす。Bill Oneの成長戦略について大西氏は「3つの軸」を挙げる。第1に「利用企業数の拡大」。市場開拓余地は依然として大きく、長期的成長の基盤となる。第2に「クロスセルによる単価向上」。請求書受領だけでなく、マルチプロダクト展開をさらに進め顧客単価を高める。 そして第3の軸が「トランザクションのマネタイズ」だ。「Bill Oneビジネスカード」の利用手数料や、入金消し込みサービスでの銀行代理業など、決済そのものから収益を得るモデルも構築中だ。これは、請求書管理から一歩踏み込んで、企業間決済の流れ全体を効率化する戦略への移行を意味する。 インボイスネットワークが連携企業数を増やし、取引データが蓄積されれば、さらなる可能性も広がる。例えば、請求書発行から支払い確認、さらには与信管理や資金調達までをカバーする包括的なB2B決済プラットフォームへの発展も視野に入る。送付者と受領者をつなぐインボイスネットワークは、将来的にはB2B決済の新たな基盤として機能する可能性を秘めている。 ARR100億円を達成したBill Oneだが、今後のSaaS業界では成長率だけでなく収益性も問われる時代となった。2020年代前半の赤字成長モデルから、持続可能な収益性との両立へと舵を切る時期に来ている。B2B取引という巨大市場に対し、Bill Oneが描くインボイスネットワーク構想がどこまで浸透するか。Sansanの第二の柱からB2B決済のインフラへ──請求書という日常業務の変革が、企業間取引の未来図を左右しそうだ。
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