小学館のマンガアプリ・マンガワンの10周年を記念したトークイベント「ウラバナシ」が、去る8月23日と24日の2日間、東京・小学館ビルで開催された。本記事では8月24日に行われた「ケンガンアシュラ&ケンガンオメガ」「灼熱カバディ」の2つのトークイベントの模様をレポートしている。
第5位に選ばれたのは、「ケンガンオメガ」第84話よりナイダン・ムンフバトの「いつの日か、蒼穹で逢おう 友よ」。ヤバ子は「僕の中で『蒼穹』って、すごいおしゃれワード。どこかで使おうかなと思っていた」と話し、「いつの日か、蒼穹で逢おう 友よ」というセリフについては「『そして友よ、静かに死ね』とか、フランス映画の日本語版タイトルがこういうおしゃれな感じになることがあって。ああいうのがすごく好きなので、その要素も入れたいと思った」と明かした。だろめおんは「英語版だと蒼穹が『Azure Sky』と訳されていて、へええと思った」と言い、小林氏も「それは知らなかった!」と驚く。また同率第5位として「ケンガンアシュラ」第146話より関林ジュンの「ありがとう、プロレス。俺はいつまでも、お前に夢中だ。」がランクイン。だろめおんは「汎用性が高いですよね。『プロレス』のところに好きなものを入れられる」と触れると、小林氏も「確かに。『ありがとう、●●。俺はいつまでも、お前に夢中だ。』って、ネットミーム的にもいいですね」と乗っかり、ヤバ子も「全然使ってほしい。怒らないので」と推奨していた。さらに第3位には「ケンガンアシュラ」第235話より一夫の「さようなら、王馬さん。」が選出。このシーンの作画について、だろめおんは「『ケンガン』のキャラって大ゴマで泣くシーンが要所要所であって。この一夫の表情は、描き方によっては『一夫は自分の判断に後悔しているのかな』とか、描き方ひとつで余計な情報が表情に出てしまうので気を使いました。『もうちょっと笑顔にしよう、もうちょっと悲しませよう、うーん』とやっているうちにシワが増えていった」と説明する。第2位は「ケンガンアシュラ」第108話より、金田末吉が「『弱者』が『最強』目指して何が悪いんだよ!!??」と叫ぶ場面。同シーンについて、ヤバ子は「あんまり腹を割るキャラじゃないので、思いの丈をぶち撒けた感じがして、いいシーンが描けたなと思っています」と振り返った。そして第1位にはヤバ子の予想通り、王馬の「アンタ(ら)も闘るのかい?」が輝く。ヤバ子は「節目節目で言うようにしていたので、印象に残りやすいのかな」と想像した。そのほかイベントの後半では、ヤバ子とだろめおんへの質問コーナーも実施。「(作品を描くうえで)どこからインプットしているか?」という質問に対し、ヤバ子は「読書や映画はもちろんですけど……なんだろうなあ。普通に生活していたら勝手に情報って入ってきません? それをうまいこと使わせていただいている部分がある」と回答し、「基本、僕が描く世界観は現実世界をベースにしているので、とりあえずニュースをチェックしておけばいいかなと。いやあ、だからファンタジーは大変ですよね。カロリーが高いだろうなと思っています」と考えを述べる。また「一番描くのに苦労したシーンは?」という質問に、だろめおんは「全部です」ときっぱり。「強いて言うならいわゆる柔術というか、体が密着して、ここでこの関節をキメていますみたいな、組技の絵がすごく難しい。そもそも人間2人を絡ませるだけでも難しいのに、読者が見たときに『この技ってこれだと関節キマらないよね』っていうツッコミが入らないようにしないといけないし、わからない人にもわかるように描かないといけない」と苦労するポイントを明かし、ヤバ子も「だから組技がメインの格闘マンガは少ないんでしょうね」と語った。、「ケンガン」シリーズに引き続き担当編集者の小林翔氏が登壇。8月15日から21日にかけて東京・渋谷ヒカリエで開催された展示イベント「マンガ1to10」の話題になると、会場に足を運んだという武蔵野は「10年の歴史を感じて、歳を取ったなと(笑)。長いことやってきたなと改めて思いました」と回顧する。マンガワンの10周年を記念したポスタービジュアルには、「 灼熱カバディ 」よりスーツ姿の主人公・宵越竜哉も描かれた。イラストは等身大パネルとしても制作され、「マンガ1to10」の会場にも設置。武蔵野は「あの絵はだいぶ前に描いたもので。(イベントの日程が決まっていなかったため、10周年企画のものとは知らず)謝恩会とかで使うのかな?と思って描いたら『これで使われるんだ!』とあとから知りました」と、執筆時のエピソードを語った。イベント内では「読者が選ぶ名台詞ランキング!」と題したコーナーを展開。ランキングの発表の前に、小林氏は「奏和戦がアツかったという反響が大きかったので、そのあたりで言うと、井浦のセリフは入っているんじゃないかと。あとは王城も入ってそうかな……」と予想する。すると武蔵野は「全然わかってない」と一蹴。「その2人のセリフは確かにいいなと思うんですけど、主人公ではないじゃないですか。人気的にも主人公が一番上なので、主人公のセリフが入ってくるんじゃないかと思っています」と主張し、ランクインしているであろうセリフとして「星海戦が終わって宵越がベンチで試合を見守りながら『楽しかったなぁ…!!』という場面。スポーツ嫌いだった宵越が(連載の)9年をかけてやっと言えたひと言」とアピールした。第5位には第168話より井浦の「俺は、攻撃手だった。」が選出。早速予想が当たった小林氏は「未来に飛んで現代に戻ってくるという演出も好きな場面で。自分自身も面白いと思ったシーンだったし、(ランキングに)入ってほしいなとも思っていた」と喜ぶ。第4位には第202話より山田駿の「地獄行きか…」が選ばれる。武蔵野は「このあたりは毎話毎話、原稿が大変だった。ネームで人をいっぱい描いて、作画のときに『地獄行きか…』って言った記憶があります(笑)」と告白。そして第3位には第292話より宵越の「楽しかったなぁ…!!」がランクインする。予想が的中するも、第3位という順位に武蔵野は「ちょっと……まだ読み込みが足りないなと思いますね」と不満げな様子を見せ、客席からは笑いがこぼれる。投票した読者からは「この表情を見られただけで、この作品を読んでよかったと思いました」という熱いコメントが寄せられ、武蔵野は「作品のテーマである“なんでカバディをやるのか”というところにしっかりとアンサーしている部分」だと解説した。ここで武蔵野は「だとしたら2位と1位は何が……? いっそ『カバディ』とか入ってる?」と疑問を浮かべ、小林氏も「そっち!? 名セリフかな!? まあ『カバディ』という言葉にもいろんな感情がありますからね」と想像を巡らせる。第2位に選ばれたのは第269話より、王城正人の「僕が一番強いから。」だ。王城のセリフもランクインすることを予想していた小林氏は「王城というキャラクターの生き様が一貫して見えているところ」と同シーンの感想を語るが、武蔵野は「……なるほど。1位を考えながら話を聞いていたので全然入ってこなかった」と、すでに1位の結果に意識が向いている様子。ここで武蔵野も小林氏も1位は宵越のセリフであると予想を立てるが、その場面は一致しない。結果として第1位に輝いたのは、宵越が第178話で発した「最後は、カッコ良かったぜ。先輩。」であることが発表される。2人の予想とは異なり「これが1位なんだ!」「宵越ではあったが……」と驚きつつも、納得した様子だった。続いてキャラクターへの質問コーナーでは、宵越をはじめとするメインキャラクターたちへの質問が寄せられ、武蔵野が答えていく。「宵越はどこの国に渡ったのか?」という質問には「ざっくりとしたイメージでしかないんですけど、スペイン。ヨーロッパのほう」、「宵越が配信者になりたかったきっかけは?」という問いには「結局つながりがほしかった。リアルでの人間関係がうまくいかなかったから、人とつながれるかもという試行錯誤の段階で始めたのが配信」と回答した。また「読者が選ぶ!イメージランキングBEST3!」のコーナーでは「LINEの返信が早そうなキャラ」「ゾンビだらけになったら頼りたいキャラ」「深い悩みごとの相談に乗ってほしいキャラ」などのランキングが発表される。いずれのランキングも投票率が分散される中、「コンビニでバイトをしたら絶対クレームを受けそうなキャラ」のランキングでは、44.
8%という高い投票率で宵越が1位に選ばれた。また小林氏からどうしても語りたい「灼熱カバディ」の魅力として、見開きページでの表現が挙げられる。実際に編集者の後輩にも見せているという資料をスクリーンに投影し、その魅力を説明。第289話の見開きページを例に出すと、「見開きなんだけれど、右から左に情報が変わっていくというのが、アプリマンガの中で新しい技術革新を意識して行われていると思う。宵越が倒されるかどうかというところで、右の1ページ目では倒されたということがわかり、左の2ページ目では指が線を超えているという、視線誘導が素晴らしいと思った」と解説していく。第176話の見開きに関しても「Webマンガ、アプリマンガでは、見開きで右左と分割して描くのはあまり推奨されていない。この場合だと足が(ラインを)超えてたというのが見開きとしても美しいし、単体のページとしてもなるほど、といった内容ですごく面白いなと思いました」と称賛した。イベントの最後には武蔵野への質問コーナーも。「キャラクター作りで大事にしているポイントは?」という質問に、武蔵野は「自分が好きになれるかどうか。明るい、暗いとかっていうよりは、どこか親しみのある特徴をつける」と答えつつも悩んだ様子で、「生み出すというよりかは、勝手に生まれてます。例えばこの間描いた『安心のイブキ』という読み切りでは、題材が山で、山にいたら面白いキャラクターは何かな?と思ってスーツを着たキャラクターを描いた。そういうギャップなどの取っ掛かりを作ってから描いてみて、動かしてみて、口調やクセを決めるとか、細かい肉付けをしていく感じ」と説明する。小林氏は「『灼熱カバディ』の連載前から連載初期の頃は、そこに苦労していてましたよね。(武蔵野が)キャラクターを掴み始めたのを僕は見ていますが、それまでは記号的に『このキャラはこうさせよう』としていたのが、よりリアリティを持つようになっていった」と振り返り、武蔵野も「いろんな展開を1人のキャラクターにやらせるのではなく、展開に合ったキャラクターを生み出して、適材適所を意識して描いていました」と回想した。また宵越竜哉と畦道相馬の名前が合わさり“麒麟”になることについて、武蔵野は「最初から考えていたわけじゃないんですが、どこだったか、序盤のほうで“麒麟”にできることには気づいていたんです。でもそれを描くうえで説得力がなかったら、ただカッコいいだけで終わるなと思って。最後にちゃんと『来たぞ』という場面があったので、そこで描くことにしました」と思い返す。続けて「そうだ、4巻で騎馬戦を描き終わったあとに(2人の名前を合わせると)“麒麟”になることを思いついたんでした」と付け加えると、小林氏は「よかったね! 騎馬戦のときにやっちゃってたら、そこで『麒麟出るの!?』って思うもんね。思いついたタイミングがよかったですね(笑)」と言い、武蔵野も「危なかったです」と笑った。「青のオーケストラ」をモチーフとした「ブルーラテ」は澄んだ青が印象的なドリンク。ミルキーな味わいと、ホイップ、青のざらめの甘さを堪能できるので、辛めの「灼熱カバディ マサラレッドカレー」と合わせて注文するのもオススメだ。なお「灼熱カバディ マサラレッドカレー」「星屑の王子様 レモンケーキ」にはステッカー、「青のオーケストラ ブルーラテ」には紙製コースターがそれぞれ付属する。
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