視神経乳頭陥凹拡大の診断を受け、緑内障の疑いを指摘された体験談。不安や物欲の変化、そして病気と向き合う心情を描く。
すると、「眼底所見」という項目に「視神経乳頭陥凹拡大」(両目)と一言書かれていました。最初は何と書いてあるのか、まったく読めませんでしたが、「眼底所見」の別の欄を見ると、「 緑内障 の疑いあり」と記載されていました。眼科の受診を促すコメントも書かれていました。 この時、「ついに来たか」と思いました。 緑内障 になってしまったことはもちろんショックでしたが、「逃げ切れなかったんだ」という思いが込み上げてきました。小学校から眼科に通院していたので、 緑内障 のことは知っていました。医師から「将来 緑内障 になる可能性がある」とも言われていました。でも、 緑内障 は完治する見込みがない病気です。ついに私は不治の病になってしまったんだなと思いました。 緑内障 になって最初の頃は、朝起きたら目が見えなくなっているのではないか、という不安に襲われました。 緑内障 に関する本には急に見えなくなることはないと書いてありましたが、当時はそんなこともあるのではないか、と余計な心配ばかりしていましたね。実際に目をつぶってコーヒーを淹れたり、トイレに行ってみたり、駐車場から玄関までたどり着けるか試したり、いろいろとやってみましたが、驚くほどこれらの行為ができませんでした。机の上にあるはずのものすら掴めなかった時は戦慄しました。 緑内障 になるまでは、ネットオークションでアンティークの時計を買ったり、本や珍しい絵はがき、版画などの紙物を集めたりすることに喜びを見出していましたが、物欲がまったくなくなりました。 将来的に目が見えなくなるんだ、と思ったら、活字が急に頭に入ってこなくなって、物を持っていてもしょうがないのではないか、と思ってしまったんですね。もし、仮にそうなるとしてもまだ先のことではありますが、そのことを考えるだけでも自分には衝撃が大き過ぎたんです。写真=iStock.
com/Alexandra Lipina
