世界中のラリーを取材してきたカメラマンが辛口で語る! 盛況に終わった「ラリージャパン」の課題とは?
ただ、それだけに3年連続であってはいけないトラブルが起こってしまったのは残念な限り。なにが起きたかについては、すでに多方面で報じられているので詳しくは触れません。芸能人を使ったよくわからないプロモーションにかける予算があるなら、競技自体にもっとお金を使って安全性を高めてほしいところです。今回のように、悪意を持った人間がステージに突撃するような事態に対応するのが難しいことは理解していますが、HQへの第一報がチーム側からだったことも問題視されているように感じました。いまさらラリーの結果を書いたところで皆さんもうご存じかと思いますが、 WRC 2はイケイケドンドンなフィンランドの若者、サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン組の「 トヨタ GRヤリス ラリー2」がチャンピオンに決定。サミは来年は トヨタ からラリー1での参戦が決まっています。なおラリージャパンでの優勝は、“藤原とうふ店カラー”の「 シトロエン C3ラリー2」で参戦のニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ組。ヨーロッパラリー選手権の時代からずっと撮影してきたグリアジン。母国ロシアのゴタゴタに巻き込まれつつもしっかり成績を残せるようになってきて感慨深いです。 また、特筆すべきは3位の新井大輝/松尾俊亮組でしょう。2024年の全日本チャンピオンの称号を引っさげ、世界を相手にどこまで戦えるかに注目が集まりました。ただ、彼らが操る「 シュコダ ・ファビアR5」は初期ロットもの。 シュコダ モータースポーツ から出荷されたあとは、エサペッカ・ラッピをはじめ、数多くの選手に WRC やアジアパシフィックラリー選手権でシバかれ続け、流れ流れて日本にやってきた個体でした。2023年にはヘイキ・コバライネン/北川紗衣組に全日本チャンピオンをもたらしたクルマでもあります。その過走行なチャンピオンマシンを手に入れ、2024年の全日本を制した新井選手は、全日本終了後のわずかな時間に手直しを行うも、このラリー中はトラブル続きでした。 そして見る側のボクとしては、「例えば現行ファビアと過走行ファビアが優勝争いを見せ、仮に過走行ファビアが現行ファビアを抑えて優勝していたら、なりふり構わず抗議を出すなりしたんじゃないかしら?」といらぬ心配をしていました。ファビアといえばカスタマー人気ナンバーワンの車両。現行車両が旧型車両に負けるというのは、商売に直結します。深読みのしすぎかもしれないけど、「 トヨタ GRヤリス ラリー2」の台数も順調に増えつつあるなか、カスタマー向けの商売を考えると……いろいろと思いを巡らせてしまいます。ヌービルのリードで迎えた日本ラウンドですが、SS4でそのヌービルの「ヒョンデi20 Nラリー1」にトラブルが発生。ペースダウンを余儀なくされます。逆にタナックはチャージを開始。ヌービルとのタイム差を広げます。トラブルが解消してからはヌービル/ヴィダグ組も巻き返しを開始し、SS11と14でステージベストを奪取。迎えた最終日のオープニングステージSS17では、ここまであまり目立たなかったアンドレアス・ミケルセン/トルステイン・エリクセン組が善戦。マニュファクチュアラータイトル獲得へ向けて、ヒョンデの総攻撃が始まりました。 が、好事魔多し。ここまでトップを死守していたタナック/ヤルベオヤ組がクラッシュし、コースオフ。マシンは大破しここでラリーから離脱となります。これにより、ヌービル&ヴィダグというベルギー人初のチャンピオン誕生が決定しました。 かつてブルーノ・ティリー、フレディ・ロイクス、フランソワ・デュバルといったベルギー人ドライバーが WRC で活躍していましたが、タイトル獲得には届かず。ベルギー人初の WRC チャンピオンの夢はヌービルに託されていました。そのヌービルもあと一歩のところまではいくも、長らくタイトルとは無縁の時が続きました。最終SSのストップでは、世界中を転戦するヌービル応援団の面々がビール片手にすでにできあがっていました。なかには感極まり号泣してる姉さんもいたりして。ベルギーにはなにかと縁があり友人も多く、ひそかにヌービルを応援してきたボクも熱くなるものがありました。 いっぽうマニュファクチュアラータイトル争いですが、こちらは トヨタ が獲得。ラリージャパンで優勝したエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組をはじめ、セバスチャン・オジェ/ヴィンセント・ランダイス組、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組の3台が完走を果たしたことが決め手となったといえるでしょう。TGR-WRTの春名雄一郎CEOは「うちはチームオーダーは出しませんが、今回に限っては3台とも無事にフィニッシュしてくれとはオーダーしました」と、いつもどおりのひょうひょうとした感じで語ってくれました。こうして、2024年の WRC は、アジアの2メーカー、アジアの2チームでチャンピオンを分け合うかたちになりました。 ……いや、それもさもありなん。 WRC の参戦チームはたった3つで、うち2チームがともにアジアのメーカーなんだから(実際にはどちらもヨーロッパを拠点にしてはいるんですが)。正直、この現状が健全なのかどうかはビミョーなところです。.
ただ、それだけに3年連続であってはいけないトラブルが起こってしまったのは残念な限り。なにが起きたかについては、すでに多方面で報じられているので詳しくは触れません。芸能人を使ったよくわからないプロモーションにかける予算があるなら、競技自体にもっとお金を使って安全性を高めてほしいところです。今回のように、悪意を持った人間がステージに突撃するような事態に対応するのが難しいことは理解していますが、HQへの第一報がチーム側からだったことも問題視されているように感じました。いまさらラリーの結果を書いたところで皆さんもうご存じかと思いますが、WRC2はイケイケドンドンなフィンランドの若者、サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン組の「トヨタGRヤリス ラリー2」がチャンピオンに決定。サミは来年はトヨタからラリー1での参戦が決まっています。なおラリージャパンでの優勝は、“藤原とうふ店カラー”の「シトロエンC3ラリー2」で参戦のニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ組。ヨーロッパラリー選手権の時代からずっと撮影してきたグリアジン。母国ロシアのゴタゴタに巻き込まれつつもしっかり成績を残せるようになってきて感慨深いです。 また、特筆すべきは3位の新井大輝/松尾俊亮組でしょう。2024年の全日本チャンピオンの称号を引っさげ、世界を相手にどこまで戦えるかに注目が集まりました。ただ、彼らが操る「シュコダ・ファビアR5」は初期ロットもの。シュコダモータースポーツから出荷されたあとは、エサペッカ・ラッピをはじめ、数多くの選手にWRCやアジアパシフィックラリー選手権でシバかれ続け、流れ流れて日本にやってきた個体でした。2023年にはヘイキ・コバライネン/北川紗衣組に全日本チャンピオンをもたらしたクルマでもあります。その過走行なチャンピオンマシンを手に入れ、2024年の全日本を制した新井選手は、全日本終了後のわずかな時間に手直しを行うも、このラリー中はトラブル続きでした。 そして見る側のボクとしては、「例えば現行ファビアと過走行ファビアが優勝争いを見せ、仮に過走行ファビアが現行ファビアを抑えて優勝していたら、なりふり構わず抗議を出すなりしたんじゃないかしら?」といらぬ心配をしていました。ファビアといえばカスタマー人気ナンバーワンの車両。現行車両が旧型車両に負けるというのは、商売に直結します。深読みのしすぎかもしれないけど、「トヨタGRヤリス ラリー2」の台数も順調に増えつつあるなか、カスタマー向けの商売を考えると……いろいろと思いを巡らせてしまいます。ヌービルのリードで迎えた日本ラウンドですが、SS4でそのヌービルの「ヒョンデi20 Nラリー1」にトラブルが発生。ペースダウンを余儀なくされます。逆にタナックはチャージを開始。ヌービルとのタイム差を広げます。トラブルが解消してからはヌービル/ヴィダグ組も巻き返しを開始し、SS11と14でステージベストを奪取。迎えた最終日のオープニングステージSS17では、ここまであまり目立たなかったアンドレアス・ミケルセン/トルステイン・エリクセン組が善戦。マニュファクチュアラータイトル獲得へ向けて、ヒョンデの総攻撃が始まりました。 が、好事魔多し。ここまでトップを死守していたタナック/ヤルベオヤ組がクラッシュし、コースオフ。マシンは大破しここでラリーから離脱となります。これにより、ヌービル&ヴィダグというベルギー人初のチャンピオン誕生が決定しました。 かつてブルーノ・ティリー、フレディ・ロイクス、フランソワ・デュバルといったベルギー人ドライバーがWRCで活躍していましたが、タイトル獲得には届かず。ベルギー人初のWRCチャンピオンの夢はヌービルに託されていました。そのヌービルもあと一歩のところまではいくも、長らくタイトルとは無縁の時が続きました。最終SSのストップでは、世界中を転戦するヌービル応援団の面々がビール片手にすでにできあがっていました。なかには感極まり号泣してる姉さんもいたりして。ベルギーにはなにかと縁があり友人も多く、ひそかにヌービルを応援してきたボクも熱くなるものがありました。 いっぽうマニュファクチュアラータイトル争いですが、こちらはトヨタが獲得。ラリージャパンで優勝したエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組をはじめ、セバスチャン・オジェ/ヴィンセント・ランダイス組、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組の3台が完走を果たしたことが決め手となったといえるでしょう。TGR-WRTの春名雄一郎CEOは「うちはチームオーダーは出しませんが、今回に限っては3台とも無事にフィニッシュしてくれとはオーダーしました」と、いつもどおりのひょうひょうとした感じで語ってくれました。こうして、2024年のWRCは、アジアの2メーカー、アジアの2チームでチャンピオンを分け合うかたちになりました。 ……いや、それもさもありなん。WRCの参戦チームはたった3つで、うち2チームがともにアジアのメーカーなんだから(実際にはどちらもヨーロッパを拠点にしてはいるんですが)。正直、この現状が健全なのかどうかはビミョーなところです。
世界ラリー選手権 WRC トヨタ ヒョンデ(ヒュンダイ) フォード アルピーヌ シトロエン シュコダ Mスポーツ エディターから一言
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