SF小説って難解な科学用語や,何やら抽象的な概念が出てくるもので,ちょっと苦手なイメージを持っている人も多いのではないだろうか。そんな人にこそオススメしたいのが,映画化もされて今話題の「プロジェクト・ヘイル・メアリー」だ。SF作家・アンディ・ウィアー氏による,この3作目の長編小説を今回は紹介していこう。
という。天文学者であり,小学校の科学の教師であったが,人類の滅亡を防ぐための計画プロジェクト・ヘイル・メアリーに,ひょんなことから関わることになる。その結果,彼は宇宙船ヘイル・メアリー号のクルーのたった一人の生き残りとして,はるか彼方の星の世界で目覚めたのである。難解な科学用語や最新理論についていけなくて,SFは苦手という人もいるかもしれないが,本作の場合,そこはあまり心配しなくていい。もちろん,そうした部分がゼロではないが,興味がないなら読み飛ばしてしまって構わない。それらはこの物語の背景であって,話の筋に関わる――例えば何かのトリックを形作るようなものではないからだ。むしろエンターテイメントとしてのSFはこうあるべきと再認識させられる,エモさこそが本作の魅力といえる。まず記憶喪失の主人公の一人称で,周囲の状況を確認するところから始まる構成が素晴らしい。主人公の健康状態を判定するロボハンドとの会話は,一見コミカルで奇妙なジョークのようだが,仕組みを理解するにつれ,非常にリアリティある設計で,このプロジェクトを考え,推進してきた人々の技術的な理解の深さが分かってくる。論文が叩かれたことで心を折られ,科学者の道を諦めたグレースは,小学生に科学を教えることに生きがいを見出す,市井の教師として生きてきた。街角のダイナーで卵とベーコンの朝食を食べることが楽しみの,ただの一般人だったのだ。 だからこそ親近感を感じられるし,徐々に明かされていく切迫した事態に愕然とする彼の心情にも共感が持てる。巻き込まれ型の主人公という点はラノベっぽくもあり,彼の一人称で描写される語り口は平易で,決して読者を置いてけぼりにすることはない。こうしたところにも,著者の設定の腕前が感じられる。.
という。天文学者であり,小学校の科学の教師であったが,人類の滅亡を防ぐための計画プロジェクト・ヘイル・メアリーに,ひょんなことから関わることになる。その結果,彼は宇宙船ヘイル・メアリー号のクルーのたった一人の生き残りとして,はるか彼方の星の世界で目覚めたのである。難解な科学用語や最新理論についていけなくて,SFは苦手という人もいるかもしれないが,本作の場合,そこはあまり心配しなくていい。もちろん,そうした部分がゼロではないが,興味がないなら読み飛ばしてしまって構わない。それらはこの物語の背景であって,話の筋に関わる――例えば何かのトリックを形作るようなものではないからだ。むしろエンターテイメントとしてのSFはこうあるべきと再認識させられる,エモさこそが本作の魅力といえる。まず記憶喪失の主人公の一人称で,周囲の状況を確認するところから始まる構成が素晴らしい。主人公の健康状態を判定するロボハンドとの会話は,一見コミカルで奇妙なジョークのようだが,仕組みを理解するにつれ,非常にリアリティある設計で,このプロジェクトを考え,推進してきた人々の技術的な理解の深さが分かってくる。論文が叩かれたことで心を折られ,科学者の道を諦めたグレースは,小学生に科学を教えることに生きがいを見出す,市井の教師として生きてきた。街角のダイナーで卵とベーコンの朝食を食べることが楽しみの,ただの一般人だったのだ。 だからこそ親近感を感じられるし,徐々に明かされていく切迫した事態に愕然とする彼の心情にも共感が持てる。巻き込まれ型の主人公という点はラノベっぽくもあり,彼の一人称で描写される語り口は平易で,決して読者を置いてけぼりにすることはない。こうしたところにも,著者の設定の腕前が感じられる。
掲載日:2026/04/02 12:00 プラットフォーム:OTHERS OTHERS:書籍/雑誌 連載記事:ゲーマーのためのブックガイド ライター:朱鷺田祐介
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