生成AI時代の「エンジニアの二極化」 求められるのは“情熱駆動開発” (1/3)

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生成AI時代の「エンジニアの二極化」 求められるのは“情熱駆動開発” (1/3)
ASCIIASCII.Jp角川アスキー総合研究所
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SHIFTは、アジャイルカンファレンスである「Agile Japan」のサテライトイベントとして、「SHIFT Agile FES」を初開催した。本記事では、Tablyの代表取締役である及川卓也氏によるキーノート「生成AI時代における人間の情熱とプロダクト志向」をレポートする。

本記事では、MicrosoftやGoogleなど、外資系IT企業3社でソフトウェアエンジニアやマネージャーとしてキャリアを重ねてきたTably 代表取締役 及川卓也氏によるキーノート「生成AI時代における人間の情熱とプロダクト志向」をレポートする。及川氏は冒頭、会場に集まったエンジニアに対し、「いま開発しているプロダクトが、誰をどんな状態にするか説明できますか?」と問いかけた。さらに、「急速に進化するAIを、どう取り入れるか考えられていますか?」と続ける。この2つが、今回のキーノートのメインテーマである。 過去わずか数年のうちに、ソフトウェア開発では「AIによるコーディングアシスタント」が不可欠な存在となった。この変化について、及川氏は「懺悔」する。2019年に執筆した書籍「ソフトウェアファースト」の中で、AIでエンジニアが不要となる時代を「いまだに来ていないし、今後も来ない」と断言していたからだ。及川氏の会社でも、最初はGitHub Copilotを使い、少し前にはCursorやClineを、今ではDevinを活用している。特に、完全自律型のエージェントであるDevinは、「(これまでのコーディングアシスタントと)全然違ってびっくりした。Slack経由で、同僚や業務委託のエンジニアと同じように、コード修正やプルリク作成を依頼できる」と評価する。一方、副操縦士であれパートナーであれ、自然言語でのプログラミングに違和感や不安を覚える人はまだまだ多い。しかし、及川氏は、こうした変化は必然的なものだと説明する。これまでのプログラミングの進化においても、次に挙げる「2つの潮流」がずっとあったからだ。 ひとつは「抽象化の流れ」だ。コンピューターが生まれたばかりの頃、コンピューターが理解できる言葉、つまり機械語でしか指示を出せなかった。その後、機械語を人が読みやすく表現する言語が生まれ、自然言語に近い形で記述できる現代の高級言語へと発展した。「これはハードウェアとの距離が遠くなっていく流れであり、言い換えれば、人に近づけることが抽象化」と説明する。もうひとつの流れは、「ビジネス用途の最適化」である。もともとコンピューターは、計算目的でつくられた、いわば電卓が巨大化したものである。そこで生まれたのが、科学技術計算のための言語である「Fortran」であり、業務用の専門言語である「COBOL」である。 自然言語で指示をするプログラミングは、より人の話し言葉に近くなっている点(抽象化)、より実務が楽になるという点(ビジネス用途の最適化)から、「必然的帰結」だと及川氏。ただし、「ソフトウェアはあくまでコンピューターの指示で出来上がるもので、本質はプロダクトが価値を生み出すこと」と強調する。 開発プロセスの中でAIが担う工程が増えるにつれて、人が担うのは「要件定義」「要求定義」「ビジネス戦略」といった上流工程に集中していく。つまり、“価値創造”こそがAIが代替できない領域となる。「日本のIT業界も、もともとこの発想だった。設計・実装は子請け、孫請けの会社に任せ、一番大事な上流工程をコンサルします、と。上流工程は『人がやるべき領域』として重要になる」(及川氏).

本記事では、MicrosoftやGoogleなど、外資系IT企業3社でソフトウェアエンジニアやマネージャーとしてキャリアを重ねてきたTably 代表取締役 及川卓也氏によるキーノート「生成AI時代における人間の情熱とプロダクト志向」をレポートする。及川氏は冒頭、会場に集まったエンジニアに対し、「いま開発しているプロダクトが、誰をどんな状態にするか説明できますか?」と問いかけた。さらに、「急速に進化するAIを、どう取り入れるか考えられていますか?」と続ける。この2つが、今回のキーノートのメインテーマである。 過去わずか数年のうちに、ソフトウェア開発では「AIによるコーディングアシスタント」が不可欠な存在となった。この変化について、及川氏は「懺悔」する。2019年に執筆した書籍「ソフトウェアファースト」の中で、AIでエンジニアが不要となる時代を「いまだに来ていないし、今後も来ない」と断言していたからだ。及川氏の会社でも、最初はGitHub Copilotを使い、少し前にはCursorやClineを、今ではDevinを活用している。特に、完全自律型のエージェントであるDevinは、「(これまでのコーディングアシスタントと)全然違ってびっくりした。Slack経由で、同僚や業務委託のエンジニアと同じように、コード修正やプルリク作成を依頼できる」と評価する。一方、副操縦士であれパートナーであれ、自然言語でのプログラミングに違和感や不安を覚える人はまだまだ多い。しかし、及川氏は、こうした変化は必然的なものだと説明する。これまでのプログラミングの進化においても、次に挙げる「2つの潮流」がずっとあったからだ。 ひとつは「抽象化の流れ」だ。コンピューターが生まれたばかりの頃、コンピューターが理解できる言葉、つまり機械語でしか指示を出せなかった。その後、機械語を人が読みやすく表現する言語が生まれ、自然言語に近い形で記述できる現代の高級言語へと発展した。「これはハードウェアとの距離が遠くなっていく流れであり、言い換えれば、人に近づけることが抽象化」と説明する。もうひとつの流れは、「ビジネス用途の最適化」である。もともとコンピューターは、計算目的でつくられた、いわば電卓が巨大化したものである。そこで生まれたのが、科学技術計算のための言語である「Fortran」であり、業務用の専門言語である「COBOL」である。 自然言語で指示をするプログラミングは、より人の話し言葉に近くなっている点(抽象化)、より実務が楽になるという点(ビジネス用途の最適化)から、「必然的帰結」だと及川氏。ただし、「ソフトウェアはあくまでコンピューターの指示で出来上がるもので、本質はプロダクトが価値を生み出すこと」と強調する。 開発プロセスの中でAIが担う工程が増えるにつれて、人が担うのは「要件定義」「要求定義」「ビジネス戦略」といった上流工程に集中していく。つまり、“価値創造”こそがAIが代替できない領域となる。「日本のIT業界も、もともとこの発想だった。設計・実装は子請け、孫請けの会社に任せ、一番大事な上流工程をコンサルします、と。上流工程は『人がやるべき領域』として重要になる」(及川氏)

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