焦点:ウクライナの鉱物資源、トランプ氏「ディール」迫る一方でロシアが支配拡大

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Andrew Osborn[ロンドン 19日 ロイター] - トランプ米大統領は今月、ロシアに侵略されているウクライナに軍事支援の見返りとして同国のレアアース(希土類)の供給を求めたが、ウクラ...

2月19日、トランプ米大統領は今月、ロシアに侵略されているウクライナに軍事支援の見返りとして同国のレアアース(希土類)の供給を求めたが、ウクライナの天然資源を狙っているのはロシアも同様だ。写真は2019年6月、大阪市で会談するトランプ氏とロシアのプーチン大統領(2025年 ロイター/Kevin Lamarque) - トランプ米大統領は今月、ロシアに侵略されているウクライナに軍事支援の見返りとして同国のレアアース(希土類)の供給を求めたが、ウクライナの天然資源を狙っているのはロシアも同様だ。ロシアは既に地上部隊がウクライナの巨大なリチウム鉱床に迫っている。 ウクライナの軍事ブログ「ディープ・ステート」の公開情報に基づくデータによると、ロシア軍は既に稀土類の埋蔵地を含めたウクライナ領土の5分の1を掌握。足下ではシェフチェンコ・リチウム鉱床までわずか6.4キロに迫り、3方向から進軍しているという。 米政府の推計によると、ウクライナのリチウム埋蔵量は約50万トンで、ロシアの埋蔵量はこの2倍に上る。シェフチェンコ鉱床は、ロシアが自国領だと主張するウクライナの4つの州の1つであるドネツク州に位置している。ウクライナ最大級のリチウム鉱床の1つで、商業採掘が可能な深度に鉱床がある。 ポーランドの軍事コンサルタント、ロハンの所長で、ウクライナでの調査から最近帰国したコンラッド・ムジカ氏は「現在の戦況から判断すると、ロシア軍は今後数週間以内にこの地域に到達する可能性が高い」と予測。ロシアにとってウクライナの鉱物資源の掌握は戦争の主要目的ではないものの、戦略的目標の一つとなっているという。ムジカ氏が話を聞いたウクライナの指揮官によると、ロシア軍の攻撃を分析したところ、天然資源を手に入れることが目的の1つであることが明確になったという。 ロシアに任命されたドネツク州政府高官は、ロシア国営原子力企業ロスアトムの鉱業部門がシェフチェンコ鉱床に関心を示していると明かした。ただ、ロシアの天然資源省が採掘許可を発行するタイミングについては「その時期が来たときだ」とした。この高官は1月の地元国営メディアのインタビューで「(採掘許可の発行が)いつになるか予測するのは難しい。現時点でこの鉱床は『グレーゾーン』にあり、軍事行動が継続しているため開発の可能性はない」と述べる一方、将来の開発に積極的な姿勢も見せた。ゼレンスキー氏は今月のロイターのインタビューで、かつて機密扱いだった地図を執務室の机上に広げ、希土類を含む多数の鉱床が記された東部の広大な領土を示した。そのうちの約半分は、現在の前線ではロシア側にあるように見えた。 ゼレンスキー氏は、トランプ氏が提示した最初のレアアース供与協定の草案については安全保障上の保証が不十分だとして拒否している。一方でロシア支配地域の資源の処遇についてトランプ氏と話し合いたいとの意向を示している。 ゼレンスキー氏によると、ロシアはソ連時代に行ったウクライナの地質調査の詳細を把握しており、1991年にウクライナが独立した際にこうした資料をモスクワに持ち去った。現在、ロシアがウクライナの天然資源をどの程度を掌握しているのかについて、信頼できる独立した推計はほとんど存在しない。経済学者で政治アナリストのワシリー・コルタショフ氏は、トランプ氏の「壮大な鉱物資源取引」への意欲は、ウクライナが戦争に敗北すれば無意味になると指摘。今月のロシア国営テレビで「誰が何を得るかを決めるのはトランプ氏や彼のレアアースへの欲望ではない。戦場で勝利しているのはロシアだ」と訴えた。プーチン氏とトランプ氏の首脳会談が視野に入り、米ロ間で関係修復や戦争終結の方法について協議が進む中、ペスコフ大統領報道官はトランプ氏の提案について「米国は将来的にウクライナ支援を無償で続けるのではなく、対価を支払わせようとしていることが読み取れる」とコメントするにとどめた。.

2月19日、トランプ米大統領は今月、ロシアに侵略されているウクライナに軍事支援の見返りとして同国のレアアース(希土類)の供給を求めたが、ウクライナの天然資源を狙っているのはロシアも同様だ。写真は2019年6月、大阪市で会談するトランプ氏とロシアのプーチン大統領(2025年 ロイター/Kevin Lamarque) - トランプ米大統領は今月、ロシアに侵略されているウクライナに軍事支援の見返りとして同国のレアアース(希土類)の供給を求めたが、ウクライナの天然資源を狙っているのはロシアも同様だ。ロシアは既に地上部隊がウクライナの巨大なリチウム鉱床に迫っている。 ウクライナの軍事ブログ「ディープ・ステート」の公開情報に基づくデータによると、ロシア軍は既に稀土類の埋蔵地を含めたウクライナ領土の5分の1を掌握。足下ではシェフチェンコ・リチウム鉱床までわずか6.4キロに迫り、3方向から進軍しているという。 米政府の推計によると、ウクライナのリチウム埋蔵量は約50万トンで、ロシアの埋蔵量はこの2倍に上る。シェフチェンコ鉱床は、ロシアが自国領だと主張するウクライナの4つの州の1つであるドネツク州に位置している。ウクライナ最大級のリチウム鉱床の1つで、商業採掘が可能な深度に鉱床がある。 ポーランドの軍事コンサルタント、ロハンの所長で、ウクライナでの調査から最近帰国したコンラッド・ムジカ氏は「現在の戦況から判断すると、ロシア軍は今後数週間以内にこの地域に到達する可能性が高い」と予測。ロシアにとってウクライナの鉱物資源の掌握は戦争の主要目的ではないものの、戦略的目標の一つとなっているという。ムジカ氏が話を聞いたウクライナの指揮官によると、ロシア軍の攻撃を分析したところ、天然資源を手に入れることが目的の1つであることが明確になったという。 ロシアに任命されたドネツク州政府高官は、ロシア国営原子力企業ロスアトムの鉱業部門がシェフチェンコ鉱床に関心を示していると明かした。ただ、ロシアの天然資源省が採掘許可を発行するタイミングについては「その時期が来たときだ」とした。この高官は1月の地元国営メディアのインタビューで「(採掘許可の発行が)いつになるか予測するのは難しい。現時点でこの鉱床は『グレーゾーン』にあり、軍事行動が継続しているため開発の可能性はない」と述べる一方、将来の開発に積極的な姿勢も見せた。ゼレンスキー氏は今月のロイターのインタビューで、かつて機密扱いだった地図を執務室の机上に広げ、希土類を含む多数の鉱床が記された東部の広大な領土を示した。そのうちの約半分は、現在の前線ではロシア側にあるように見えた。 ゼレンスキー氏は、トランプ氏が提示した最初のレアアース供与協定の草案については安全保障上の保証が不十分だとして拒否している。一方でロシア支配地域の資源の処遇についてトランプ氏と話し合いたいとの意向を示している。 ゼレンスキー氏によると、ロシアはソ連時代に行ったウクライナの地質調査の詳細を把握しており、1991年にウクライナが独立した際にこうした資料をモスクワに持ち去った。現在、ロシアがウクライナの天然資源をどの程度を掌握しているのかについて、信頼できる独立した推計はほとんど存在しない。経済学者で政治アナリストのワシリー・コルタショフ氏は、トランプ氏の「壮大な鉱物資源取引」への意欲は、ウクライナが戦争に敗北すれば無意味になると指摘。今月のロシア国営テレビで「誰が何を得るかを決めるのはトランプ氏や彼のレアアースへの欲望ではない。戦場で勝利しているのはロシアだ」と訴えた。プーチン氏とトランプ氏の首脳会談が視野に入り、米ロ間で関係修復や戦争終結の方法について協議が進む中、ペスコフ大統領報道官はトランプ氏の提案について「米国は将来的にウクライナ支援を無償で続けるのではなく、対価を支払わせようとしていることが読み取れる」とコメントするにとどめた。

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