米国の首都ワシントンの工場跡地。そこに設置されたキラキラと輝く8000枚強の太陽光発電パネルには、単なる気候変動対策という以上のメリットがある、とエミル・キング氏は説明する。
米国各地の都市では、温暖化ガス排出量目標の達成に向けて、不可欠な要素として注目が高まる低所得コミュニティーを巻き込んでいこうとする動きが盛り上がっている。写真はニューヨーク州グラバーズビルの地域ソーラープロジェクト。2021年10月撮影。提供写真(2023年 ロイター/Nexamp/Handout via Thomson Reuters Foundation) 市が運営するソーラーファームは、土壌汚染により「お荷物」になっていた土地に建設された。市の環境当局に勤務するキング氏によれば、ここから生まれる電力を利用することで、地元の低所得世帯約7000戸の電気料金負担は半減しているという。このオクソン・ラン地域ソーラーファームのような太陽光発電プロジェクトが一例だが、米国各地の都市では、温暖化ガス排出量目標の達成に向けて、不可欠な要素として注目が高まる低所得コミュニティーを巻き込んでいこうとする動きが盛り上がっている。屋根の上に設置する従来の太陽光発電パネルは戸建て住宅や企業を対象としていたが、こうした地域ソーラープロジェクトで生まれる電力は、設置場所では消費されず、電力グリッドに供給される。だが、多くの場合は「加入者向け」という位置付けだ。キング氏は、地上に設置された太陽光発電モジュールの間に立ち、「屋根上(の太陽光発電パネル)はたくさん設置してきたが、多くの発電容量をかなり迅速に設置するには、これが最も効率的な方法だ」と語る。新しいソーラーファームは次々に稼働し始めているが、現時点では、ここが地域プロジェクトとして市内最大規模だ。米国内では、低所得層の住民、自前の屋根を持たない賃貸居住者やパネル設置に不向きな屋根を備えた住宅の所有者など、これまでの屋根上設置パネルとは縁のない人々による太陽光エネルギー利用を拡大する重要な方法として、こうしたプロジェクトが注目されている。 業界団体「コアリション・フォー・コミュニティー・ソーラー・アクセス(CCSA)」のジェフ・クレイマー最高経営責任者(CEO)は、「地域ソーラーは、電力利用者にとって民主化をもたらす要素となっている」と語る。「その中心は、クリーンエネルギー革命やこれまでの電力網から取り残されていた人々だ」 各都市が再生可能エネルギーに関する野心的な目標を掲げ、今年に入って過去に類のないレベルの連邦予算の投入も始まる中で、こうした取り組みはワシントンなどでも非常に勢いを増しており、担当者が新たな建設用地を見つけるのに苦労するほどだ。クレイマーCEOによれば、「2015─16年には片手で数えられるほどだった(地域ソーラー)プロジェクトも、今や国内数千カ所に広がって」おり、発電容量は5ギガワット(GW)に近づいているという。シンクタンク「ワールド・リソース・インスティチュート」でクリーンエネルギー市場関連のプログラムを担当するネイト・ハウスマン氏は、「地域ソーラー」には決まった定義がないと語る。料金についても、一括前払いもあれば、継続的な支払いもある。クリーンエネルギー推進のために割高なプロジェクトの一方で、低所得層向けの格安料金を志向するプロジェクトもある。「(各都市が)目指している市場普及率のレベルに達するには、低中所得市場を巻き込んでいく必要がある。標準的な顧客基盤以外にも手を広げていくことになる」とハウスマン氏は語る。ハウスマン氏は、昨年成立した連邦法によって、地域ソーラープロジェクトに対する新たな税額控除措置が設けられ、低価格の集合住宅への設置や、かつて化石燃料産業で栄えた地域でのプロジェクトに対する予算配分もあると説明する。太陽光エネルギーの顧客基盤を拡大する方法は、地域ソーラーだけではない。近隣の住民が力を合わせ、電力を一括購入する、あるいは往々にして複雑になる必要な調査・準備を共同で行うといった形でコストの削減を図る例も増えている。 地域におけるこうしたグループの設立を10数州で支援している「ソーラー・ユナイテッド・ネイバーズ」で広報担当ディレクターを務めるベン・デルマン氏によれば、こうした「地区協同組合」では、戸建て住宅の世帯や、場合によっては小規模企業が中心になっているという。 ソーラー・ユナイテッド・ネイバーズは地域ソーラーにも取り組んでおり、最近では、自分の住んでいる地域でその種のプロジェクトを見つけて参加することを支援する、デルマン氏いわく「画期的な」サイトを立ち上げた。「低所得の住宅所有者にとって、光熱費負担は非常に大きな課題だ」とデルマン氏。「住宅を手に入れても収入はそれほど多くない。光熱費を軽減できれば、そうした家族が自分の住宅に定着できるようになる」トーマスさんは2020年、太陽光発電の協同組合と、市の低所得層向けプログラムに参加し、家屋から独立したガレージに太陽光パネルを設置した。「主として家計のため」だったという。.
米国各地の都市では、温暖化ガス排出量目標の達成に向けて、不可欠な要素として注目が高まる低所得コミュニティーを巻き込んでいこうとする動きが盛り上がっている。写真はニューヨーク州グラバーズビルの地域ソーラープロジェクト。2021年10月撮影。提供写真(2023年 ロイター/Nexamp/Handout via Thomson Reuters Foundation) 市が運営するソーラーファームは、土壌汚染により「お荷物」になっていた土地に建設された。市の環境当局に勤務するキング氏によれば、ここから生まれる電力を利用することで、地元の低所得世帯約7000戸の電気料金負担は半減しているという。このオクソン・ラン地域ソーラーファームのような太陽光発電プロジェクトが一例だが、米国各地の都市では、温暖化ガス排出量目標の達成に向けて、不可欠な要素として注目が高まる低所得コミュニティーを巻き込んでいこうとする動きが盛り上がっている。屋根の上に設置する従来の太陽光発電パネルは戸建て住宅や企業を対象としていたが、こうした地域ソーラープロジェクトで生まれる電力は、設置場所では消費されず、電力グリッドに供給される。だが、多くの場合は「加入者向け」という位置付けだ。キング氏は、地上に設置された太陽光発電モジュールの間に立ち、「屋根上(の太陽光発電パネル)はたくさん設置してきたが、多くの発電容量をかなり迅速に設置するには、これが最も効率的な方法だ」と語る。新しいソーラーファームは次々に稼働し始めているが、現時点では、ここが地域プロジェクトとして市内最大規模だ。米国内では、低所得層の住民、自前の屋根を持たない賃貸居住者やパネル設置に不向きな屋根を備えた住宅の所有者など、これまでの屋根上設置パネルとは縁のない人々による太陽光エネルギー利用を拡大する重要な方法として、こうしたプロジェクトが注目されている。 業界団体「コアリション・フォー・コミュニティー・ソーラー・アクセス(CCSA)」のジェフ・クレイマー最高経営責任者(CEO)は、「地域ソーラーは、電力利用者にとって民主化をもたらす要素となっている」と語る。「その中心は、クリーンエネルギー革命やこれまでの電力網から取り残されていた人々だ」 各都市が再生可能エネルギーに関する野心的な目標を掲げ、今年に入って過去に類のないレベルの連邦予算の投入も始まる中で、こうした取り組みはワシントンなどでも非常に勢いを増しており、担当者が新たな建設用地を見つけるのに苦労するほどだ。クレイマーCEOによれば、「2015─16年には片手で数えられるほどだった(地域ソーラー)プロジェクトも、今や国内数千カ所に広がって」おり、発電容量は5ギガワット(GW)に近づいているという。シンクタンク「ワールド・リソース・インスティチュート」でクリーンエネルギー市場関連のプログラムを担当するネイト・ハウスマン氏は、「地域ソーラー」には決まった定義がないと語る。料金についても、一括前払いもあれば、継続的な支払いもある。クリーンエネルギー推進のために割高なプロジェクトの一方で、低所得層向けの格安料金を志向するプロジェクトもある。「(各都市が)目指している市場普及率のレベルに達するには、低中所得市場を巻き込んでいく必要がある。標準的な顧客基盤以外にも手を広げていくことになる」とハウスマン氏は語る。ハウスマン氏は、昨年成立した連邦法によって、地域ソーラープロジェクトに対する新たな税額控除措置が設けられ、低価格の集合住宅への設置や、かつて化石燃料産業で栄えた地域でのプロジェクトに対する予算配分もあると説明する。太陽光エネルギーの顧客基盤を拡大する方法は、地域ソーラーだけではない。近隣の住民が力を合わせ、電力を一括購入する、あるいは往々にして複雑になる必要な調査・準備を共同で行うといった形でコストの削減を図る例も増えている。 地域におけるこうしたグループの設立を10数州で支援している「ソーラー・ユナイテッド・ネイバーズ」で広報担当ディレクターを務めるベン・デルマン氏によれば、こうした「地区協同組合」では、戸建て住宅の世帯や、場合によっては小規模企業が中心になっているという。 ソーラー・ユナイテッド・ネイバーズは地域ソーラーにも取り組んでおり、最近では、自分の住んでいる地域でその種のプロジェクトを見つけて参加することを支援する、デルマン氏いわく「画期的な」サイトを立ち上げた。「低所得の住宅所有者にとって、光熱費負担は非常に大きな課題だ」とデルマン氏。「住宅を手に入れても収入はそれほど多くない。光熱費を軽減できれば、そうした家族が自分の住宅に定着できるようになる」トーマスさんは2020年、太陽光発電の協同組合と、市の低所得層向けプログラムに参加し、家屋から独立したガレージに太陽光パネルを設置した。「主として家計のため」だったという。
United States Latest News, United States Headlines
Similar News:You can also read news stories similar to this one that we have collected from other news sources.
Windowsで作成した仮想ハードディスクを容量を拡大する今回は仮想ハードディスクファイルの「拡大」について解説する。ここでいう「拡大」とは、VHDファイルの「容量」を大きくすることを意味している。
Read more »
米で「犬の顔出し運転」禁止案がボツに この行為が危険な理由とは | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)米フロリダ州で、車に同乗させた犬に窓から頭を出させる行為を禁じる法案を民主党の上院議員が提出したところ、全米から抗議が殺到してたちまち撤回に追い込まれた。ただ、法律で規制することの是非は別として、愛犬の安全を考えるとこうした乗せ方は避けたほ...
Read more »
米で「犬の顔出し運転」禁止案がボツに この行為が危険な理由とは | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)米フロリダ州で、車に同乗させた犬に窓から頭を出させる行為を禁じる法案を民主党の上院議員が提出したところ、全米から抗議が殺到してたちまち撤回に追い込まれた。ただ、法律で規制することの是非は別として、愛犬の安全を考えるとこうした乗せ方は避けたほ...
Read more »
米で「犬の顔出し運転」禁止案がボツに この行為が危険な理由とは | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)米フロリダ州で、車に同乗させた犬に窓から頭を出させる行為を禁じる法案を民主党の上院議員が提出したところ、全米から抗議が殺到してたちまち撤回に追い込まれた。ただ、法律で規制することの是非は別として、愛犬の安全を考えるとこうした乗せ方は避けたほ...
Read more »