日本酒「獺祭(だっさい)」を手掛ける旭酒造(山口県岩国市)は6月1日に社名を変更。銘柄として知名度のある獺祭が新たな社名になった。その狙いは海外での知名度を高め、グローバル展開を加速する点にある。同社のルーツは江戸時代の1770年に遡り、長く地域で親しまれている。しかし日本酒の長期的低迷で需要が減少し、売上高は一時、1億円を割り込んだ。転機は1990年、桜井一宏社長の父で現会長の博志氏による純
社員が酒造りする同社は数値データなどに基づく製造で知られるが、「実際に飲んでおいしいか」を大切にしている。このため、毎朝必ず行う「試飲」では、桜井社長らが前日の酒の出来栄えについて語り合う。その上で微調整を重ねており、データはその時に活用する。同じ取り組みは米国の製造現場でも毎日行い、現地で指揮を執る博志氏らが考えを伝え合い、酒造りに生かす。 この取り組みを進化させるため、桜井社長は20年頃から国内の製造現場にチーム制を導入している。どのチームもメンバーに各工程の担当者が必ず含まれる形で配置しており、製造を最初から最後までチーム内で完結できるが、これは単純にシフト制で勤務するためではない。同社はチームごとに微妙に製造方法を変更する取り組みを実施しており、それぞれのチームが製造するたびに違うデータやノウハウが蓄積する仕組みとなっている。チーム数は当初2つでスタートし、後に3つに拡大。25年5月からは若手中心のチームもつくり、4チーム制になった。 チーム制では、基本的な酒造りの流れは全チームで共通するが、細かな部分ではチームごとに作業内容をあえて変える。これは例えば原料となる酒米の場合、産地やその年の気候などによって特徴が違うため、それぞれのチームが発酵時の温度管理や吸水率などを工夫して取り組む。国内と条件の違いが大きい米国の酒蔵の分のデータやノウハウも共有しながら知見を高め、品質の底上げを進める。 桜井社長は「酒造りはその年のコメの出来栄えなどによってすべきことが変わり、その意味では正解がない世界。グローバルな成長を目指す以上、そんな条件下でも常によりおいしくなることが重要。そのため、製造ではいろいろなチャレンジを繰り返し、品質のバージョンアップを続けることが大切になる」と話す。製造では原料となる酒米の確保も今後いっそう重要になりそうだ。コメを巡っては足元で「令和の米騒動」と呼ばれる米不足が続く。同社の場合、今までも一般的な酒米価格より高く購入しているため影響はないという。それでも将来を見据えて、調達エリアの拡大や買い取り価格引き上げなどの手を打ちながら、調達の安定と拡大を図る。山口県岩国市の獺祭本社(写真=森本 勝義) グローバルに見た時、例えば米国のアルコール類に占める日本酒の比率は0.
2%と低く、世界でも知名度は低い。間口を広げて知名度を高めるため、25年3月に日本酒で初めて米アカデミー賞授賞式直後のパーティーに商品を提供。25年5月には仏カンヌ映画祭期間中に開催され世界的に知られるチャリティーガラパーティーで、オフィシャル酒として一夜限りのバーを出した。パリで新たに人気シェフと組んで飲食店も開業するなど、マーケティングでも世界展開に向けて新たな手を打つ。 早稲田大学ビジネススクールの長沢伸也教授は「熱烈なファンが徐々に増えつつあり、日本発のラグジュアリーブランドになれる可能性がある」と期待する。日本酒のグローバルブランドを目指すチャレンジが注目されそうだ。
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