「『お客さんはなぜ梨を買うんですか?』という話ですね。梨に憧れて買うのかというと、たぶんそうではないと思うんですよ。今と未来の間にあったのが梨だから買うんですね」。 元オムロンの営業部長・中村昌雄氏が語った、売れる営業マンがお客さんに見せるもの。
:今日は法人営業に特化した営業のセミナーをやらせてもらいます。みなさんは今回、たぶん「法人営業」という言葉に目を引かれて参加されたと思いますので、今日は個人向けの営業とは違うところに焦点を当てて、お話しさせてもらいたいと思います。 法人営業と言うと、なかなか世の中にノウハウが出ていないと思うんですよね。難しい、難しいと言うんですけど、なるほど難しさがあります。けれども、甘く見ているから受注ができなくて、厳しいポイントを今日はいくつかお伝えするので、それがわかったら「やり方があるんだな」とわかっていただけると思います。経営基盤の強化に向けて注力する分野で、「営業・販売力の強化」が栄えある3年連続1位ということで、どこの会社さんもここは重要視されるんやなというところですね。2番目が「人材の確保・育成」なので、人を育てながら営業を強化して、売上を上げていくとかかなと思います。「商品説明しても売れない」は、営業を商品説明だと思っているというのが原因としてあるんですよね。僕も前の会社で営業を31年やってきましたけど、営業は商品説明をするものやと思っていましたからね。 「こういう商品を売っておいで」と言って商品のカタログとかデモ機を持たされたら、お客さんのところへ行ってそれを一生懸命説明するのが営業だと思っていました。けど、実は営業は商品説明ではないですよ、というところですね。 「興味がありますか? こんな商品を持ってきました。聞いてください」と説明しまくって、「さあどうですか」と言って買ってもらえるものでもないけど、「うちの商品は、こんなにいいのにお客さんはわかってくれない」という話が実際に起こっているんですね。:「新規の商談とか新規のお客さんに採用してもらえない」。なんでかと言うと、今、既存のお客さん、お得意さんの売上が落ちてきている。今までは1つのお得意さんを大切にして、そこでのリピートを増やすとか購入量を増やすのが大切だったんです。 でも今は、お客さんの購買力が落ちてきていたりするので、どうしても「新規の事業に乗り出しています」とか「新規のお客さんを開拓しようとしています」みたいなところが多いですね。けれども、今までやったことがないし、難しいので、なかなか採用されません。あと、「営業が売れない」。社長さんが営業をされていて、「自分しか営業ができない、任せられない」とかね。あとはできる営業マンが、部門長とかリーダーになった場合。「営業は売れる人と売れない人がいるものだ」と決めている人もいるんですよね。「営業は、売れる営業マンが売るんでしょ? 売れない営業マンはダメじゃないですか」と言うんです。 一方で、「売れる営業マンを雇いたい」と言うけど、いないんですよ。そんなに売れる営業マンはめったにいないですし、もしいたとしても金額はめちゃくちゃ高いし、辞められますしね。だから大切なのは、採用も難しい中で、今いらっしゃる営業マンさんが売れるようにしなければいけない。そんなことが今起こっていますね。:お客さんに商品の説明をしても売れないのは、商品が目的ではないからです。あとは誰かがノーと言っているから。誰かがノーと言っているというのは、お客さんが1人で決めるわけではなくて複数人で決めるので、そのうちの誰かがノーと言っているんです。お客さんは「商品が目的でない」と言いましたが、商品自体にはあんまり興味がない。商品を認めると、「じゃあ買ってください」と言われて買わなければいけないから、「別に要りません」と商品の良さを認めない。お客さんにとって、商品は手段でしかない。私たちはこういう認識もしっかり持つべきですね。 「誰かがノーと言っている」のは、個人が買うのではなく会社が取引をするからですね。金額は大きく、1回買うと長いこと使って、そんなにおいそれと変えられないので、失敗した時のダメージが大きいんですね。だから慎重になります。 自分は、そんな失敗をするような判断をしたと思われたくない。だから採用を決定するとか採用のプロセスにいる人は、自分の責任になりたくないから、非常にリスクに敏感になっています。だから、ノーと言う人が1人でもいれば、採用されない圧力が働いたりします。 「営業が属人化しているから」というのは、これも先ほど申し上げましたが、営業マンを、「行っておいで」と走らせている。営業マンを走らせても、例えばできる営業マンは、個人向けの営業だったら取ってくるでしょうけれども、それなりの金額の商談をしようと思うと、相手さんの決裁者が経営に近い人だったり、そうでなくても部長さん、課長さんに会わなければいけない。 (法人相手でも)できる営業マンだったら、自分の上司を使ってでもやっていきますが、そうでなければ担当者同士でちまちましてぜんぜん売れないかたちにもなります。そこは、ちゃんと売る力を組織力として持つ必要があります。ここらへんが課題感ですね。:私は去年の3月にオムロンという会社を辞めました。そこで新卒からずっと営業をやってきました。オムロンは体温計とか、血圧計とかが有名ですけど、実は6割方は製造業向けの会社なんですよ。 FA(ファクトリーオートメーション)と言われる分野です。だから工場とか機械とかロボットとかの中には必ずオムロンが使われています。お客さんが設備投資されたりとか機械を1台作られた時に、けっこう採用されるのです。 だから小さい商品は何百円という商品もあるんですけれども。私がやっていたのは、どちらかと言うとオムロンの中でもちょっと新しい、コントローラとかネットワークとか競合の激しいシステム系の営業で、何千万円とか何億円という商談をやっていました。それも、私の気性もあって、リピートをもらう商談よりも、競合を切り替えにいくことばっかりやっていました。そういうこともやっていたので、M&Aした子会社の立て直しに入って、営業組織や戦略の立て直しをやったり。あとは、また違うエンジニアリング子会社へ行って、事業の戦略や営業戦略の立て直しをやったりとか、メンバーの強化をやったりとか。そんなこともいろいろやってきました。一方で、こうやって今セミナーをやらせてもらっているのは、そこまで大げさでなくても、個人の方でもさっきみたいな法人営業にちょっと力を入れたいとか、営業の勉強をしたことがないという人が多いと思うんですけどね。なので一回ひととおり聞いてみたいという人に、「教えたるで」と言ってお教えしていたんですよ。 それで「教えてちょうだい」という人が集まるたびに、「じゃあやりましょうか」と何人かずつ集めて、1ヶ月に1回とか2回とかセミナーをやっていたんですけれども、1回やめてたんですね。でも、今回せっかくなので、まとめて4日間で8回というやり方をしましたので、参考にしていただければなと思います。:では、ここからは本題に入っていきますね。法人営業の特徴みたいなものがあって、いくつかはみなさんも思い浮かぶと思うんですけど、何か気づくことってあります? サイトウさんはどうですか? 「法人営業ってこういう特徴があるよね」と認識していることは何かありますか?.
:今日は法人営業に特化した営業のセミナーをやらせてもらいます。みなさんは今回、たぶん「法人営業」という言葉に目を引かれて参加されたと思いますので、今日は個人向けの営業とは違うところに焦点を当てて、お話しさせてもらいたいと思います。 法人営業と言うと、なかなか世の中にノウハウが出ていないと思うんですよね。難しい、難しいと言うんですけど、なるほど難しさがあります。けれども、甘く見ているから受注ができなくて、厳しいポイントを今日はいくつかお伝えするので、それがわかったら「やり方があるんだな」とわかっていただけると思います。経営基盤の強化に向けて注力する分野で、「営業・販売力の強化」が栄えある3年連続1位ということで、どこの会社さんもここは重要視されるんやなというところですね。2番目が「人材の確保・育成」なので、人を育てながら営業を強化して、売上を上げていくとかかなと思います。「商品説明しても売れない」は、営業を商品説明だと思っているというのが原因としてあるんですよね。僕も前の会社で営業を31年やってきましたけど、営業は商品説明をするものやと思っていましたからね。 「こういう商品を売っておいで」と言って商品のカタログとかデモ機を持たされたら、お客さんのところへ行ってそれを一生懸命説明するのが営業だと思っていました。けど、実は営業は商品説明ではないですよ、というところですね。 「興味がありますか? こんな商品を持ってきました。聞いてください」と説明しまくって、「さあどうですか」と言って買ってもらえるものでもないけど、「うちの商品は、こんなにいいのにお客さんはわかってくれない」という話が実際に起こっているんですね。:「新規の商談とか新規のお客さんに採用してもらえない」。なんでかと言うと、今、既存のお客さん、お得意さんの売上が落ちてきている。今までは1つのお得意さんを大切にして、そこでのリピートを増やすとか購入量を増やすのが大切だったんです。 でも今は、お客さんの購買力が落ちてきていたりするので、どうしても「新規の事業に乗り出しています」とか「新規のお客さんを開拓しようとしています」みたいなところが多いですね。けれども、今までやったことがないし、難しいので、なかなか採用されません。あと、「営業が売れない」。社長さんが営業をされていて、「自分しか営業ができない、任せられない」とかね。あとはできる営業マンが、部門長とかリーダーになった場合。「営業は売れる人と売れない人がいるものだ」と決めている人もいるんですよね。「営業は、売れる営業マンが売るんでしょ? 売れない営業マンはダメじゃないですか」と言うんです。 一方で、「売れる営業マンを雇いたい」と言うけど、いないんですよ。そんなに売れる営業マンはめったにいないですし、もしいたとしても金額はめちゃくちゃ高いし、辞められますしね。だから大切なのは、採用も難しい中で、今いらっしゃる営業マンさんが売れるようにしなければいけない。そんなことが今起こっていますね。:お客さんに商品の説明をしても売れないのは、商品が目的ではないからです。あとは誰かがノーと言っているから。誰かがノーと言っているというのは、お客さんが1人で決めるわけではなくて複数人で決めるので、そのうちの誰かがノーと言っているんです。お客さんは「商品が目的でない」と言いましたが、商品自体にはあんまり興味がない。商品を認めると、「じゃあ買ってください」と言われて買わなければいけないから、「別に要りません」と商品の良さを認めない。お客さんにとって、商品は手段でしかない。私たちはこういう認識もしっかり持つべきですね。 「誰かがノーと言っている」のは、個人が買うのではなく会社が取引をするからですね。金額は大きく、1回買うと長いこと使って、そんなにおいそれと変えられないので、失敗した時のダメージが大きいんですね。だから慎重になります。 自分は、そんな失敗をするような判断をしたと思われたくない。だから採用を決定するとか採用のプロセスにいる人は、自分の責任になりたくないから、非常にリスクに敏感になっています。だから、ノーと言う人が1人でもいれば、採用されない圧力が働いたりします。 「営業が属人化しているから」というのは、これも先ほど申し上げましたが、営業マンを、「行っておいで」と走らせている。営業マンを走らせても、例えばできる営業マンは、個人向けの営業だったら取ってくるでしょうけれども、それなりの金額の商談をしようと思うと、相手さんの決裁者が経営に近い人だったり、そうでなくても部長さん、課長さんに会わなければいけない。 (法人相手でも)できる営業マンだったら、自分の上司を使ってでもやっていきますが、そうでなければ担当者同士でちまちましてぜんぜん売れないかたちにもなります。そこは、ちゃんと売る力を組織力として持つ必要があります。ここらへんが課題感ですね。:私は去年の3月にオムロンという会社を辞めました。そこで新卒からずっと営業をやってきました。オムロンは体温計とか、血圧計とかが有名ですけど、実は6割方は製造業向けの会社なんですよ。 FA(ファクトリーオートメーション)と言われる分野です。だから工場とか機械とかロボットとかの中には必ずオムロンが使われています。お客さんが設備投資されたりとか機械を1台作られた時に、けっこう採用されるのです。 だから小さい商品は何百円という商品もあるんですけれども。私がやっていたのは、どちらかと言うとオムロンの中でもちょっと新しい、コントローラとかネットワークとか競合の激しいシステム系の営業で、何千万円とか何億円という商談をやっていました。それも、私の気性もあって、リピートをもらう商談よりも、競合を切り替えにいくことばっかりやっていました。そういうこともやっていたので、M&Aした子会社の立て直しに入って、営業組織や戦略の立て直しをやったり。あとは、また違うエンジニアリング子会社へ行って、事業の戦略や営業戦略の立て直しをやったりとか、メンバーの強化をやったりとか。そんなこともいろいろやってきました。一方で、こうやって今セミナーをやらせてもらっているのは、そこまで大げさでなくても、個人の方でもさっきみたいな法人営業にちょっと力を入れたいとか、営業の勉強をしたことがないという人が多いと思うんですけどね。なので一回ひととおり聞いてみたいという人に、「教えたるで」と言ってお教えしていたんですよ。 それで「教えてちょうだい」という人が集まるたびに、「じゃあやりましょうか」と何人かずつ集めて、1ヶ月に1回とか2回とかセミナーをやっていたんですけれども、1回やめてたんですね。でも、今回せっかくなので、まとめて4日間で8回というやり方をしましたので、参考にしていただければなと思います。:では、ここからは本題に入っていきますね。法人営業の特徴みたいなものがあって、いくつかはみなさんも思い浮かぶと思うんですけど、何か気づくことってあります? サイトウさんはどうですか? 「法人営業ってこういう特徴があるよね」と認識していることは何かありますか?
