史上3番目の恒星間天体「3I/ATLAS」の正体は? “彗星”であることを示唆する新たな観測結果

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南アフリカの電波望遠鏡「MeerKAT」が、恒星間天体「3I/ATLAS」からOH分子による電波信号を検出した。この観測は、天体の正体をめぐる議論に新たな手がかりを与えている。

恒星間天体「3I/ATLAS」が自然起源の天体であることを裏づける新たな証拠がみつかった。SNS上などでは「人工物」説も注目されてきたが、この恒星間天体はやはり「彗星」なのだろう。最新の確認は、南アフリカの天文台がこの有名な彗星から初の電波信号を検出したことによる。 だが、どうやって? 電波信号? それならば人工物であることの証明になるはずではないのか──そう思うかもしれない。しかしここで言う「電波信号」とは、宇宙船が発したものではない。MeerKATという電波望遠鏡が検出したのは、天体が自然な過程で発する電波の強弱の変化──つまり電波周波数のパターンだ。この観測結果は、3I/ATLASが彗星のような活動を示す自然天体である可能性を強く示唆している。 MeerKATがとらえた“水のしるし” MeerKATは口径13.

5メートルのアンテナ64基で構成され、南アフリカ電波天文台が運用している。天文学の観測速報サイト『The Astronomer’s Telegram』によると、「1665MHzと1667MHzのラインで、OH(ヒドロキシルラジカル)の吸収が検出された」という。OHは水(H₂O)の存在を示す“しるし”とされている。 彗星は氷を多く含むため、太陽に近づくと水分子が分解されてOHが生じる。したがって、この検出結果は彗星活動を示唆するものだ。ただし、OHの検出だけで彗星と断定できるわけではなく、ほかの観測結果とあわせて判断される。 MeerKATがとらえたのは、OH分子による電波の吸収線だった。これは彗星活動によく見られるパターンで、太陽と彗星、観測者の位置関係(観測の幾何的条件)によって、放射よりも吸収が優勢になった。この結果は3I/ATLASが太陽に非常に近い位置にあったことを示している。 彗星が太陽に最も近づくと、氷が昇華して強い放射を受ける。その反動で軌道がわずかにずれる「非重力加速(non-gravitational acceleration)」という現象が起きる。OHのスペクトル線は彗星のほか星雲や星形成領域でも確認され、条件によっては電波周波数帯で強く輝くことがある。そのため天文学者は、OHを手がかりに宇宙で星や水が生まれる領域をマッピングしている。 人工物説の可能性は残るのか 今回の検出は10月24日、3I/ATLASが太陽に最接近する5日前に行なわれた。MeerKATはそれ以前の9月20日と28日にも観測を試みたが、いずれも成果はなかった。 ハーバード大学の天体物理学者アヴィ・ローブは、2025年11月8日付でMediumに投稿した記事で次のように書いている。「5週間前、わたしはMeerKATのような電波観測所に3I/ATLASからの電波放射を探すよう呼びかけた。というのも、その到来方向が、1977年に1.4204556 GHzで検出された『Wow! シグナル』の方向と9度の誤差で一致していたからだ。その後、MeerKATのような観測所で3I/ATLASを監視することが確かになった」 ローブはまたこの投稿で、「これまでに報告された3I/ATLASの電波検出は、OH吸収信号を除けば存在しない」とも認めている。なお、ローブはこの投稿以降も、3I/ATLASの尾やジェット構造などについて、複数の記事をMediumに発表している。 ローブはキム・カーダシアンを研究チームに招待するなど、物議を醸すことでも知られる科学者だ。彼は、3I/ATLASが“技術起源”、つまり、人工物である可能性を、いまも捨ててはいない。Mediumの投稿でローブはさらに続けている。「3I/ATLASは2026年3月16日に木星から約5,300万 kmの距離を通過する見込みだ。そのとき探査機Junoがダイポールアンテナ(双極アンテナ)を使い、50〜40 MHzの低周波で3I/ATLASからの電波信号を探す予定だ」 3I/ATLASをめぐっては陰謀論もある一方で、科学的な探究は淡々と続いている。3I/ATLASの軌道はリアルタイムで追跡でき、地球に最も接近するのは12月19日だ。肉眼で確認するのは難しそうだが、その日をチェックしておく価値はありそうだ。 (Originally published on Wired Espanol, translated and edited by Mamiko Nakano) ※『WIRED』による宇宙の関連記事はこちら。 Related Articles 史上3番目の恒星間天体「3I/ATLAS」が近日点を通過──いまはどこにいるのか? 史上3番目の恒星間天体「3I/ATLAS」が大量の水を放出:研究結果 史上3番目の「恒星間天体」について、現時点でわかっていること 気鋭のAI研究者たちやユヴァル・ノア・ハラリが語る「人類とAGIの未来」。伝説のゲームクリエイター・小島秀夫や小説家・川上未映子の「創作にかける思い」。大阪・関西万博で壮大なビジョンを実現した建築家・藤本壮介やアーティストの落合陽一。ビル・ゲイツの回顧録。さらには不老不死を追い求める富豪のブライアン・ジョンソン、パリ五輪金メダリストのBガール・AMIまで──。未来をつくるヴォイスが、ここに。グローバルメディア『WIRED』が総力を結集し、世界を動かす“本音”を届ける人気シリーズ「The Big Interview」の決定版!!詳細はこちら。

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