10月24日の神宮球場。東都大学野球秋季リーグ戦で史上最長に並ぶ6連覇を果たした青山学院大のマウンドには、やはりこの男が立っていた。その前日にプロ野球ドラフト会議で中日から1位指名された中西聖輝投手。2季連続のリーグ最高殊勲選手(MVP)に選ばれた本格派右腕だ。
10月24日の神宮球場。東都大学野球秋季リーグ戦で史上最長に並ぶ6連覇を果たした青山学院大のマウンドには、やはりこの男が立っていた。その前日にプロ野球ドラフト会議で中日から1位指名された中西聖輝投手。2季連続のリーグ最高殊勲選手(MVP)に選ばれた本格派右腕だ。 最速152キロの直球と精度の高い変化球を丁寧に投げ分ける制球力を誇り、安定感は抜群。今秋は右肘炎症に悩まされた中で、防御率0.26と圧巻の成績を残した。好投手がそろう東都でもナンバーワンの呼び声が高いエースが、プロの世界に飛び込む。「どのステージで野球をやっても、一番になるという強い気持ちを持ってプレーしたい」と誓った。(時事通信運動部 前田祐貴)奈良県出身。智弁和歌山高3年だった2021年、夏の甲子園制覇の原動力に。当時は高卒でのプロ入りの意向を示していたが、熟慮の末にプロ志望届を提出しなかった。「(同学年の)ドラ1の投手たちと自分を比べた時に、スピード、変化球、決め球がかなり欠けていた。4年間、投手としての土台を一からつくり直していこうと思い、大学進学を選んだ」 この年のドラフト会議では、高校生投手4人が1位で指名された。市和歌山高の小園健太がDeNA、奈良・天理高の達孝太が日本ハム、高知高の森木大智が阪神、秋田・明桜高の風間球打がソフトバンク。とりわけ小園とロッテ1位指名の松川虎生捕手を擁した市和歌山高とは、夏の和歌山大会でも対戦している。中西は冷静に自分を見詰め直し、青学大でレベルアップした上でプロ入りを目指すことになった。入学直前の22年3月末に右肘内側側副靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、1年生の間はリハビリに充てた。2年生の春にリーグ戦デビュー。3年生になった24年の春から先発を担うようになり、この年は青学大の春秋リーグ戦と全日本大学選手権、明治神宮大会の「4冠」達成に貢献した。最上級生の今年は押しも押されもせぬエースとして獅子奮迅の活躍。中西は、大学の4年間で一番成長したことを「考え方」だと語る。 「ちょっと大人になれたかなという感じ。今までは自分の全力をずっとど真ん中に投げ続ける、変化球もリリースしてしまえばどこに行くか分からない、『振ってくれ状態』の投球スタイルだった。それだと頭の使える打者や、チーム全体で対策を講じられた時に行き詰まることが多かった。打者を見ながら、ここは空振りを取るとか、ここは全力で腕を振らないといけないとか、状況整理する能力が高まったと思う」大学のリーグ戦では、1勝1敗で迎える3回戦で、1回戦で先発した投手が中1日で登板することも多い。当然、全力投球は続けられない。中西も3年生の秋から1回戦の先発登板が定着。「いかに省エネで圧倒した投球ができるかと考えた時に、一球一球の意味を持たないとしんどい。そういうことを意識しながらやっていくうちに、無意識にできるようになった」と振り返る。6連覇を決めた亜大戦も、1回戦で先発して延長タイブレークの十回にサヨナラ打を浴びたが、3回戦では完封勝利を飾った。 感情のコントロールもうまくできるようになったと感じている。以前は味方の失策などが絡むとイライラし、打ち込まれて降板することが多く、安藤寧則監督や中野真博コーチから「敵をつくるのはよくない」と助言されてきたという。「ピンチの時こそ冷静に、周りや相手を見ながら投げられるようになってからは、失点しにくくなった」と手応えを口にした。崩れることがめったにない中西の強みとして、あるプロ球団のスカウトは「投球の再現性が高い」と評していた。中西自身も「再現性という言葉は青学でよく出てくる。でも、そこが投手は一番難しい」と語る。160キロに迫る速球や、極端に曲がる変化球は持っていない。だからこその心得がある。「いつでもどこにでも、どの球種でも投げられないと厳しい。毎日70点、80点の投球をしないといけない。調子が悪い時でも、70点までいかに引き上げるかというのは、考えながらやっている」 中西の投球は直球、カーブ、フォークの3種類を均等に投げるのが基本で、配球に偏りが出ないようにしている。ただ、変化球は握り方やリリースポイントを微妙に変えることで、曲がり方にバリエーションがあるという。打者を幻惑させるような効果も生み出すようだ。「ツーシームと言ったり、チェンジアップと言ったり、勝手に相手が球種を増やしてくれる。ありがたい次第ですね」と笑う。変化球は中学、高校時代から、ダルビッシュ有投手(パドレス)の書籍や、ユーチューブなどで熱心に研究。実戦で打者の反応を確かめながら習得してきた。「特別に器用ではないと思うが、イメージ力は豊か。それをどう自分の体に落とし込むか」と自己分析する。 大学ラストの秋季リーグ戦に向けては、あまり投げてこなかった右打者の内角への制球を磨いてきた。「内角を避けていた理由としては、死球で走者を出すのがもったいないから。外角のカーブ、フォーク、真っすぐで打ち取れるように工夫していたが、プロに入ったら外角一辺倒では厳しいという話を聞いた」。投球の引き出しを増やし、「(ストライクゾーンで内外角と高低の)9マス全部に投げられる方が、抑える確率は増える」と強調する。高校、大学と全国屈指の強豪に身を置いて活躍し、いよいよプロの世界に足を踏み入れる。「息の長い選手というか、長年活躍したい。けがなく、毎年高い水準で成績を残せる選手になりたい。そんなに簡単じゃないと思うので、いろんな壁を乗り越えながらやれれば」と意気込む。青学大は11月14日に始まる明治神宮大会に東都の王者として出場し、連覇に挑む。DeNAに1位指名された小田康一郎内野手らと共に臨む大学最後の大会。気迫あふれる投球を披露して、有終の美を飾るつもりだ。.
10月24日の神宮球場。東都大学野球秋季リーグ戦で史上最長に並ぶ6連覇を果たした青山学院大のマウンドには、やはりこの男が立っていた。その前日にプロ野球ドラフト会議で中日から1位指名された中西聖輝投手。2季連続のリーグ最高殊勲選手(MVP)に選ばれた本格派右腕だ。 最速152キロの直球と精度の高い変化球を丁寧に投げ分ける制球力を誇り、安定感は抜群。今秋は右肘炎症に悩まされた中で、防御率0.26と圧巻の成績を残した。好投手がそろう東都でもナンバーワンの呼び声が高いエースが、プロの世界に飛び込む。「どのステージで野球をやっても、一番になるという強い気持ちを持ってプレーしたい」と誓った。(時事通信運動部 前田祐貴)奈良県出身。智弁和歌山高3年だった2021年、夏の甲子園制覇の原動力に。当時は高卒でのプロ入りの意向を示していたが、熟慮の末にプロ志望届を提出しなかった。「(同学年の)ドラ1の投手たちと自分を比べた時に、スピード、変化球、決め球がかなり欠けていた。4年間、投手としての土台を一からつくり直していこうと思い、大学進学を選んだ」 この年のドラフト会議では、高校生投手4人が1位で指名された。市和歌山高の小園健太がDeNA、奈良・天理高の達孝太が日本ハム、高知高の森木大智が阪神、秋田・明桜高の風間球打がソフトバンク。とりわけ小園とロッテ1位指名の松川虎生捕手を擁した市和歌山高とは、夏の和歌山大会でも対戦している。中西は冷静に自分を見詰め直し、青学大でレベルアップした上でプロ入りを目指すことになった。入学直前の22年3月末に右肘内側側副靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、1年生の間はリハビリに充てた。2年生の春にリーグ戦デビュー。3年生になった24年の春から先発を担うようになり、この年は青学大の春秋リーグ戦と全日本大学選手権、明治神宮大会の「4冠」達成に貢献した。最上級生の今年は押しも押されもせぬエースとして獅子奮迅の活躍。中西は、大学の4年間で一番成長したことを「考え方」だと語る。 「ちょっと大人になれたかなという感じ。今までは自分の全力をずっとど真ん中に投げ続ける、変化球もリリースしてしまえばどこに行くか分からない、『振ってくれ状態』の投球スタイルだった。それだと頭の使える打者や、チーム全体で対策を講じられた時に行き詰まることが多かった。打者を見ながら、ここは空振りを取るとか、ここは全力で腕を振らないといけないとか、状況整理する能力が高まったと思う」大学のリーグ戦では、1勝1敗で迎える3回戦で、1回戦で先発した投手が中1日で登板することも多い。当然、全力投球は続けられない。中西も3年生の秋から1回戦の先発登板が定着。「いかに省エネで圧倒した投球ができるかと考えた時に、一球一球の意味を持たないとしんどい。そういうことを意識しながらやっていくうちに、無意識にできるようになった」と振り返る。6連覇を決めた亜大戦も、1回戦で先発して延長タイブレークの十回にサヨナラ打を浴びたが、3回戦では完封勝利を飾った。 感情のコントロールもうまくできるようになったと感じている。以前は味方の失策などが絡むとイライラし、打ち込まれて降板することが多く、安藤寧則監督や中野真博コーチから「敵をつくるのはよくない」と助言されてきたという。「ピンチの時こそ冷静に、周りや相手を見ながら投げられるようになってからは、失点しにくくなった」と手応えを口にした。崩れることがめったにない中西の強みとして、あるプロ球団のスカウトは「投球の再現性が高い」と評していた。中西自身も「再現性という言葉は青学でよく出てくる。でも、そこが投手は一番難しい」と語る。160キロに迫る速球や、極端に曲がる変化球は持っていない。だからこその心得がある。「いつでもどこにでも、どの球種でも投げられないと厳しい。毎日70点、80点の投球をしないといけない。調子が悪い時でも、70点までいかに引き上げるかというのは、考えながらやっている」 中西の投球は直球、カーブ、フォークの3種類を均等に投げるのが基本で、配球に偏りが出ないようにしている。ただ、変化球は握り方やリリースポイントを微妙に変えることで、曲がり方にバリエーションがあるという。打者を幻惑させるような効果も生み出すようだ。「ツーシームと言ったり、チェンジアップと言ったり、勝手に相手が球種を増やしてくれる。ありがたい次第ですね」と笑う。変化球は中学、高校時代から、ダルビッシュ有投手(パドレス)の書籍や、ユーチューブなどで熱心に研究。実戦で打者の反応を確かめながら習得してきた。「特別に器用ではないと思うが、イメージ力は豊か。それをどう自分の体に落とし込むか」と自己分析する。 大学ラストの秋季リーグ戦に向けては、あまり投げてこなかった右打者の内角への制球を磨いてきた。「内角を避けていた理由としては、死球で走者を出すのがもったいないから。外角のカーブ、フォーク、真っすぐで打ち取れるように工夫していたが、プロに入ったら外角一辺倒では厳しいという話を聞いた」。投球の引き出しを増やし、「(ストライクゾーンで内外角と高低の)9マス全部に投げられる方が、抑える確率は増える」と強調する。高校、大学と全国屈指の強豪に身を置いて活躍し、いよいよプロの世界に足を踏み入れる。「息の長い選手というか、長年活躍したい。けがなく、毎年高い水準で成績を残せる選手になりたい。そんなに簡単じゃないと思うので、いろんな壁を乗り越えながらやれれば」と意気込む。青学大は11月14日に始まる明治神宮大会に東都の王者として出場し、連覇に挑む。DeNAに1位指名された小田康一郎内野手らと共に臨む大学最後の大会。気迫あふれる投球を披露して、有終の美を飾るつもりだ。
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