遠くからでも認識できる偉大なシルエットが帰ってくる。
ナイキが「エア モア アップテンポ LOW」の新色をリリースする。 ベースとなるのは、2023年にアンブッシュ®とのコラボで初登場したローカットバージョン。サイドの“AIR”ロゴには角度によって蛍光色にも見えるグリーンのバリスティック素材を使用し、パンチングが施されたホワイトのレザーとコントラストを成している。 ソールもホワイトが使用されており、ストラップやシュータンのスウッシュなどグリーンのディテールが軽やかな見た目に仕上げている。 発売日は6月で、価格は約150ユーロ(約2万4000円)と予想される。日本での展開は未定。 ナイキ「エア モア アップテンポ」とは 1996年にウィルソン・スミスによってデザインされ、伝説的なNBA選手スコッティ・ピッペンの足元で人気を博した「エア モア アップテンポ」は、スニーカーが大きく、派手で、まさに大胆であることを恐れなかった時代に誕生した。当時は広告ブーム、グラフィティ、アーバンカルチャー、そしてNBAが世界を席巻していた。ナイキはこのことを熟知しており、巨大な文字、誇張されたプロポーション、一目でわかるシルエットなど、自信満々のデザインを選んだ。一度見れば永遠に忘れられない。 ピッペンのエクスクルーシブモデルではなかったが、1990年代後半、特にプレーオフで使用されたことで、彼とこのスニーカーは切っても切れない関係になった。 しかし、この地位を確固たるものにしたのは、コート外で起こった出来事だった。 選手たちがコートで大活躍する一方で、ニューヨークやロサンゼルス、もしくはアトランタのストリートで、「エア モア アップテンポ」はヒップホップの非公式ユニフォームとなったのだ。マーケティングの成果というよりも、当時のミュージックビデオの主流だったマキシマリストな美学を体現していたからだ。目につき、認識でき、ユニークだった。 ナズやファット・ジョー、あるいは若き日のカニエ・ウェストといったアーティストたちは、ステータス、スタイル、そして都会的なプライドの象徴として「エア モア アップテンポ」を履いていた。単なるスニーカーを超えて、もはやステートメントだったのだ。そして、その事実こそが今日でもコレクターや懐古主義者、そしてレトロな美学を愛する新しいファンの間で、このスニーカーが最も望まれているシルエットのひとつとなっている理由だ。 「エア モア アップテンポ」を語ることは、一時代を築いたスニーカーファミリーを語ることでもある。「エア フォース 1」や「エア マックス 95」、あるいは「エア フォームポジット」といったモデルもまた、同様にヒップホップのレコードや毛皮のコートが象徴する、都会的な物語の一部だった。 たとえば、「エア フォース 1」は東海岸のヒップホップスニーカーの真髄であり、「フォームポジット」はワシントンD.
C.のスニーカーヘッズカルチャーで支持された。人間工学にインスパイアされたシルエットの「エア マックス 95」は、イギリスとブロンクスのストリートを同時に制覇した。そのカルチャーマップの中で、「エア モア アップテンポ」は特別な位置を占めている。もっとも大胆で、芝居がかっていて、1990年代らしいシルエットなのだ。 From GQ Spain By Néstor Parrondo Translated and Adapted by Ryo Todoriki
