成果を上げたチームは称賛を受ける一方、強さゆえにやっかみに似た批判も浴びるのはよくあることだ。今年、米大リーグでワールドシリーズ(WS)2連覇を果たしたドジャースも例外ではなく、以下のような否定的な意見を耳にする。大谷翔平にベッツ、フリーマン、スネル、山本由伸と、あれだけスーパースターを集めたら勝つのは当然ではないか――。スポーツ情報サイトの「spotrac」によると、今年のドジャースの総年俸
成果を上げたチームは称賛を受ける一方、強さゆえにやっかみに似た批判も浴びるのはよくあることだ。今年、米大リーグでワールドシリーズ(WS)2連覇を果たしたドジャースも例外ではなく、以下のような否定的な意見を耳にする。大谷翔平にベッツ、フリーマン、スネル、山本由伸と、あれだけスーパースターを集めたら勝つのは当然ではないか――。 スポーツ情報サイトの「spotrac」によると、今年のドジャースの総年俸は約3億5000万ドル(約540億円)でメジャー30球団中トップ。確かに高い資金力を武器に優秀な選手を多くそろえたことが栄冠につながったが、お金をかけさえすれば勝てるという単純な話ではなく、選手集めはあくまで強化のための一つの手段に過ぎない。以前なら選手をそろえればある程度強いチームをつくることができたが、今はそれだけでは十分とはいえない。現代のメジャーリーグでは選手に加えて、彼らをサポートするスタッフの陣容を含む総合力が重要になっている。 ドジャースのフリードマン編成本部長は2004年、金融業界からデビルレイズ(現レイズ)のフロント入りを果たした異色の経歴を持つ。20代でゼネラルマネジャー(GM)になり、低予算ながら若手の有望選手を集めてマイナー組織ともども徐々にチーム力の底上げを図るとともに、データ分析の力で選手育成や戦術の新たなトレンドを生み出し、08年にはチーム初のWS進出に導いた。もっとも、現在の繁栄はこの敏腕フロントマンの力だけで築かれたのではない。ドジャースは少なくとも18年ごろから選手を科学的にサポートする部署をつくり、その陣容を厚くする点でもしっかりお金をかけてきた。優秀なデータエンジニアやトレーニングスタッフが選手のパフォーマンス向上のための方策をつくり、それを選手が着実に遂行するサイクルが強さの土台になっている。そのような育成能力の高さは数字に表れている。米データサイト「FANGRAPHS」の24年5月のリポートでは、大谷が23年まで所属していたエンゼルスと、現在所属するドジャースについて、18年以降に他球団から加入した選手のパフォーマンスがどう変化したかを分析している。 それによると、600打席当たりのWAR(代替可能な選手と比べてどれだけチームの勝利数を増やしたかを表す指標)が前の球団で2.
0以上だった野手のうち、エンゼルスに加入した選手はパフォーマンスが39%低下、逆にドジャースに入った選手は14%向上したという。 前の球団でWARが1.0〜1.9だった選手では、エンゼルスに入った選手は変化率がゼロ、ドジャースに入った選手は39%上がった。WARが1.0未満だった選手では、エンゼルスに入った選手が12%向上したのに対し、ドジャースに入った選手は320%も上がったという。投手についても同じように、どの区分でもドジャースに入った選手の方がパフォーマンスが上がっている。 この分析から、獲得した選手がより高いパフォーマンスをするためのサポートのあり方をドジャースはよく分かっており、エンゼルスは取ってきた選手を成長させるノウハウが不足しているとみることができる。このあたりがポストシーズンの常連とそうでないチームの差で、大谷もドジャースのサポートの手厚さを感じているのではないか。そんな好循環が、今や「王朝」と称されるまでの強さの源になっている。ただお金にものをいわせるだけの金満経営とは一線を画す、スポーツビジネスとして至極まっとうなドジャースの取り組みを批判する声があるとしたら、それは筋違いというものだろう。 むしろ批判を受けるべきは毎年のように下位に低迷するチームのオーナーだ。成績が上がらず観客動員が低調でも、米大リーグ機構(MLB)からの巨額の分配金のおかげで経営難に陥ることはほぼない。勝てなくても経営的に痛手を負わないからと、お金を選手やスタッフの拡充に使わないとしたら、そのような怠慢こそ厳しく指摘されるべきだろう。 WSの連覇は1998年から3連覇したヤンキース以来。色々なチームが勝つ方がコンテンツとしての魅力が高まることから、MLBとしては他のチームにも勝ってもらいたいはずだが、正攻法でこれだけ強くなったドジャースを止めるチームが現れるかどうか。メジャーリーグの人気を保つ意味でも、他のチームの奮起が求められる。千葉県出身。大学卒業後、民放野球中継のデータスタッフやスポーツデータ配信会社勤務を経て2011年に独立。株式会社DELTA(東京・豊島)を立ち上げ、野球のデータ分析やプロ球団へのコンサルティングなどを手掛ける。23年9月に「プロ野球・MLBが10倍楽しくなる! よくわかるセイバーメトリクス」、25年10月に「プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート8」を発刊。24年に「DELTA BASEBALL CLUB」を設立し、25年に福岡県内で野球スクール事業をスタートさせた。
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