テスラの運転支援システム「フルセルフドライビング(FSD)」の最新版(v14)を搭載したクルマで160kmを走破し、その実力を検証した。
そう、読み間違いではない。筆者はサンフランシスコへの旅で約160km以上を走行したが、運転は一切していない。 提供:Connor Jewiss/CNET ※クリックすると拡大画像が見られます 実のところ、ハンドルに触れたかどうかさえ定かではない。Teslaの最新版「フルセルフドライビング(FSD)」システムが、すべてを引き受けてくれたからだ。驚くべき体験であり、これこそが運転の未来だと強く確信している。 少し話を戻そう。TeslaのFSDはビジョンベースの運転支援システムであり、人間の介入を極力減らしてA地点からB地点へ移動できるように設計されている。単なるクルーズコントロールや車線維持機能ではない。信号機、交差点、高速道路、そしてダウンタウンの混沌とした交通状況――そのすべてを車が処理するのだ。 筆者はベイエリア周辺で、2026年型「Model Y」(「パフォーマンス」ではないモデル)のハンドルを握っていた。クパチーノ、パロアルト、ゴールデン・ゲート・ブリッジ、そしてサンフランシスコの市街地などがある地域だ。 車はそのすべてを走り抜けた。狭い路肩のある通り、入り組んだ駐車場、雨で濡れた高速道路、さらには曲がりくねったロンバード・ストリートまで、乾燥した路面でも濡れた路面でも、まったく問題なく走行した。筆者が目撃した、私道でバックしている人間のドライバーよりも上手くこなしていたほどだ。 手放し、足もリラックス……ほぼそんな感じ 「世界一曲がりくねった道」もお安い御用 日常のシーンこそ真価が出る 悪天候にも強いFSD これはすべてを変える体験だ 手放し、足もリラックス……ほぼそんな感じ これは筆者が住む英国で利用できる運転支援システム「オートパイロット」とは違う。FSD v14では、ドライバーが眠っていないことを証明するためにハンドルを小刻みに動かしたり、揺すったりする必要はない。ただし、人間の監視は依然として必要だ。車内カメラがドライバーを監視し、道路に注意を払っているかを確認している。 筆者の手はたいてい膝の上に置いていた。周囲をキョロキョロ見回していて何度か注意されたが、基本的には運転席に座る乗客として、Teslaが運転する様子や景色を眺めていただけだ。 運転を代わろうと感じる場面は一度もなかった。高速道路への合流、ケーブルカーの線路や自転車の回避、地元のベテランドライバーのように工事標識を読み取ること――車はただ淡々とそれをこなした。サンフランシスコ特有の、頂上の向こうが見えないあの恐ろしい急坂を越える場面もあったが、車はまったく動じることなくそれをこなした。 FSD v14には選択肢がある。筆者が主に使っていたのは「Standard」モードで、周囲の流れに合わせ、ときどき制限速度を少し超えることもある(設定で調整可能)。人間らしい走り方で、無謀というわけではなく、周囲のペースと合っていた。 FSD v14では速度のモードを選べる提供:Tesla ※クリックすると拡大画像が見られます 「Chill」モードは制限速度をより厳格に守り、控えめな運転をする。一方、「Mad Max」や「Hurry」は速度や車線変更がかなり積極的だ。それらも少し試してみたが、正直なところ、乗り心地が良すぎて急ぐ気にはなれなかった。「Sloth」モードでも、少し抑え気味なだけで流れにはきちんと付いていく。 車線変更もおおむねスムーズだった。1度か2度、Teslaがウィンカーを出した後に判断を変えることがあり、周囲のドライバーを戸惑わせたかもしれないが、危険だと感じることはなかった。高速道路でも、ベテランの通勤者のように運転をこなしていた。 「世界一曲がりくねった道」もお安い御用 ロンバード・ストリートはハイライトだった。世界一曲がりくねった道として誰もが知る、冷や汗をかくような道だ。FSDはただ対処しただけでなく、完璧に攻略してみせた。 カーブは筆者自身が運転するよりもスムーズに感じられ、車は自信を持って曲がり、まるで何千回も通った道であるかのようにナビゲートした。地図のバグもなければ、不要な急ブレーキもなく、不可解な挙動もなかった。ある意味“退屈”なくらいだが、この場合は最大級の褒め言葉だ。 日常のシーンこそ真価が出る このシステムは、筆者が失敗するだろうと予想していた場面でこそ真価を発揮した。誰かが警告なしに飛び出してきても、即座に反応した。ふらふらと車道にはみ出してくる歩行者がいれば、しっかりと減速して距離を取る。工事用のコーン、迷走気味のWaymoの車両、複雑な交差点――それらに躊躇なく対応した。サンフランシスコは、頻繁なストップ・アンド・ゴー、変わった車線、そして常軌を逸した駐車習慣で知られている。この車は、その混沌に元から馴染んでいるかのように感じられた。 唯一の不満点といえば、一時停止の標識への対応だ。少し慎重すぎる。明らかに安全な状況でも、たっぷり10秒間待つことがあった。確かにそれは教本通りの運転であり、安全であることは好ましい。しかし、慎重すぎるというのも考えものだ。 悪天候にも強いFSD 雨も降ったし、霧も出た。それでもFSDは走り続けた。 カメラが少し汚れると、バックミラー裏にある前方カメラも含め、ワイパーがそれらを掃除した。視界不良によりパフォーマンスが低下する可能性があるという小さな警告が時折表示されたが、実際に何かが低下したようには感じられなかった。標識を読み間違えたり、状況を見失ったりすることは一度もなかった。 駐車は「最後のお楽しみ」だった。狭いガレージであっても、前向きやバックできちんと枠内に収まってくれる。時折、特定の場所を指定することもあったが、ほとんどの場合は車に任せた。そして、車は見事にやってのけた。 これはすべてを変える体験だ FSDが導入されていない英国で、筆者はオートパイロットを何度も使ってきた。しかし、FSDは数段上を行っている。数秒おきに注意を払っていることを証明する必要はない。自然で、流れるようで、リラックスさえできる。少しばかり“魔法じみている”と感じたと言わないとウソになるだろう。 筆者はこれまでサンフランシスコで運転したことがなく、道も知らなかった。しかし、車は知っていた。そして筆者は車を信頼した。ここでの重要なポイントはそこだ。筆者はシステムを信頼したのだ。身構えたり、パニックになったり、躊躇したりすることは一度もなかった。フルセルフドライビングという名称の機能に、ここまでの性能は期待していなかった。ましてや、英国でオートパイロットにかなり文句を言っていた身としてはなおさらだ。 TeslaのFSD v14は現在、米国とカナダでのみ利用可能で、世界展開の時期は未定だ。とはいえ、遠くない未来に実現することを願っている。利用には対応するTesla車と、有効なFSDのサブスクリプションまたは購入が必要で、価格は月額99ドル(約1万5000円)、または一括8000ドル(約125万円)となっている。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。 Amazonで開催中のセール(12/1までブラックフライデーセール開催中!) Amazonのアソシエイトとして、CNET Japanは適格販売により収入を得ています。.
そう、読み間違いではない。筆者はサンフランシスコへの旅で約160km以上を走行したが、運転は一切していない。 提供:Connor Jewiss/CNET ※クリックすると拡大画像が見られます 実のところ、ハンドルに触れたかどうかさえ定かではない。Teslaの最新版「フルセルフドライビング(FSD)」システムが、すべてを引き受けてくれたからだ。驚くべき体験であり、これこそが運転の未来だと強く確信している。 少し話を戻そう。TeslaのFSDはビジョンベースの運転支援システムであり、人間の介入を極力減らしてA地点からB地点へ移動できるように設計されている。単なるクルーズコントロールや車線維持機能ではない。信号機、交差点、高速道路、そしてダウンタウンの混沌とした交通状況――そのすべてを車が処理するのだ。 筆者はベイエリア周辺で、2026年型「Model Y」(「パフォーマンス」ではないモデル)のハンドルを握っていた。クパチーノ、パロアルト、ゴールデン・ゲート・ブリッジ、そしてサンフランシスコの市街地などがある地域だ。 車はそのすべてを走り抜けた。狭い路肩のある通り、入り組んだ駐車場、雨で濡れた高速道路、さらには曲がりくねったロンバード・ストリートまで、乾燥した路面でも濡れた路面でも、まったく問題なく走行した。筆者が目撃した、私道でバックしている人間のドライバーよりも上手くこなしていたほどだ。 手放し、足もリラックス……ほぼそんな感じ 「世界一曲がりくねった道」もお安い御用 日常のシーンこそ真価が出る 悪天候にも強いFSD これはすべてを変える体験だ 手放し、足もリラックス……ほぼそんな感じ これは筆者が住む英国で利用できる運転支援システム「オートパイロット」とは違う。FSD v14では、ドライバーが眠っていないことを証明するためにハンドルを小刻みに動かしたり、揺すったりする必要はない。ただし、人間の監視は依然として必要だ。車内カメラがドライバーを監視し、道路に注意を払っているかを確認している。 筆者の手はたいてい膝の上に置いていた。周囲をキョロキョロ見回していて何度か注意されたが、基本的には運転席に座る乗客として、Teslaが運転する様子や景色を眺めていただけだ。 運転を代わろうと感じる場面は一度もなかった。高速道路への合流、ケーブルカーの線路や自転車の回避、地元のベテランドライバーのように工事標識を読み取ること――車はただ淡々とそれをこなした。サンフランシスコ特有の、頂上の向こうが見えないあの恐ろしい急坂を越える場面もあったが、車はまったく動じることなくそれをこなした。 FSD v14には選択肢がある。筆者が主に使っていたのは「Standard」モードで、周囲の流れに合わせ、ときどき制限速度を少し超えることもある(設定で調整可能)。人間らしい走り方で、無謀というわけではなく、周囲のペースと合っていた。 FSD v14では速度のモードを選べる提供:Tesla ※クリックすると拡大画像が見られます 「Chill」モードは制限速度をより厳格に守り、控えめな運転をする。一方、「Mad Max」や「Hurry」は速度や車線変更がかなり積極的だ。それらも少し試してみたが、正直なところ、乗り心地が良すぎて急ぐ気にはなれなかった。「Sloth」モードでも、少し抑え気味なだけで流れにはきちんと付いていく。 車線変更もおおむねスムーズだった。1度か2度、Teslaがウィンカーを出した後に判断を変えることがあり、周囲のドライバーを戸惑わせたかもしれないが、危険だと感じることはなかった。高速道路でも、ベテランの通勤者のように運転をこなしていた。 「世界一曲がりくねった道」もお安い御用 ロンバード・ストリートはハイライトだった。世界一曲がりくねった道として誰もが知る、冷や汗をかくような道だ。FSDはただ対処しただけでなく、完璧に攻略してみせた。 カーブは筆者自身が運転するよりもスムーズに感じられ、車は自信を持って曲がり、まるで何千回も通った道であるかのようにナビゲートした。地図のバグもなければ、不要な急ブレーキもなく、不可解な挙動もなかった。ある意味“退屈”なくらいだが、この場合は最大級の褒め言葉だ。 日常のシーンこそ真価が出る このシステムは、筆者が失敗するだろうと予想していた場面でこそ真価を発揮した。誰かが警告なしに飛び出してきても、即座に反応した。ふらふらと車道にはみ出してくる歩行者がいれば、しっかりと減速して距離を取る。工事用のコーン、迷走気味のWaymoの車両、複雑な交差点――それらに躊躇なく対応した。サンフランシスコは、頻繁なストップ・アンド・ゴー、変わった車線、そして常軌を逸した駐車習慣で知られている。この車は、その混沌に元から馴染んでいるかのように感じられた。 唯一の不満点といえば、一時停止の標識への対応だ。少し慎重すぎる。明らかに安全な状況でも、たっぷり10秒間待つことがあった。確かにそれは教本通りの運転であり、安全であることは好ましい。しかし、慎重すぎるというのも考えものだ。 悪天候にも強いFSD 雨も降ったし、霧も出た。それでもFSDは走り続けた。 カメラが少し汚れると、バックミラー裏にある前方カメラも含め、ワイパーがそれらを掃除した。視界不良によりパフォーマンスが低下する可能性があるという小さな警告が時折表示されたが、実際に何かが低下したようには感じられなかった。標識を読み間違えたり、状況を見失ったりすることは一度もなかった。 駐車は「最後のお楽しみ」だった。狭いガレージであっても、前向きやバックできちんと枠内に収まってくれる。時折、特定の場所を指定することもあったが、ほとんどの場合は車に任せた。そして、車は見事にやってのけた。 これはすべてを変える体験だ FSDが導入されていない英国で、筆者はオートパイロットを何度も使ってきた。しかし、FSDは数段上を行っている。数秒おきに注意を払っていることを証明する必要はない。自然で、流れるようで、リラックスさえできる。少しばかり“魔法じみている”と感じたと言わないとウソになるだろう。 筆者はこれまでサンフランシスコで運転したことがなく、道も知らなかった。しかし、車は知っていた。そして筆者は車を信頼した。ここでの重要なポイントはそこだ。筆者はシステムを信頼したのだ。身構えたり、パニックになったり、躊躇したりすることは一度もなかった。フルセルフドライビングという名称の機能に、ここまでの性能は期待していなかった。ましてや、英国でオートパイロットにかなり文句を言っていた身としてはなおさらだ。 TeslaのFSD v14は現在、米国とカナダでのみ利用可能で、世界展開の時期は未定だ。とはいえ、遠くない未来に実現することを願っている。利用には対応するTesla車と、有効なFSDのサブスクリプションまたは購入が必要で、価格は月額99ドル(約1万5000円)、または一括8000ドル(約125万円)となっている。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。 Amazonで開催中のセール(12/1までブラックフライデーセール開催中!) Amazonのアソシエイトとして、CNET Japanは適格販売により収入を得ています。
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