サムスン、複合現実(MR)ヘッドセット「Galaxy XR」を発表:5年ぶりにVR市場に再参入

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サムスン、複合現実(MR)ヘッドセット「Galaxy XR」を発表:5年ぶりにVR市場に再参入
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サムスンが、AndroidとGoogle Geminiを基盤とした新しい複合現実(MR)ヘッドセット「Galaxy XR」を発表。クアルコムのSnapdragon XR2+ Gen 2チップを搭載し、価格は1,800ドル。Apple Vision Proに対抗する製品として、ジェスチャー操作や視線追跡、Google Playストア対応などを特徴とする。装着感の軽さも魅力だが、バッテリー持続時間や質感には課題も。

サムスン とグーグルが、それぞれのモバイルVR ヘッドセット のサポートを終了してから5年が経過した。しかし現在、両社は再び挑戦に乗り出し、より大胆な 複合現実 (MR)のビジョンを掲げている。 その象徴的な製品が、 サムスン の新しい「Galaxy XR」だ。これは昨年「Project Moohan」として予告されていた製品で、AndroidとグーグルのGeminiアシスタントを基盤に、一から設計されたスマートグラス/ ヘッドセット 向けの新プラットフォーム「Android XR」を初めて採用している。 Galaxy XRは10月下旬から米国と韓国で発売されており、価格は1,800ドル(約27万円、いまのところは日本での販売は未定)。「Meta Quest 3」など一般的なVR ヘッドセット よりは高価だが、M5プロセッサを搭載して刷新されたアップルの「Vision Pro」(3,499ドル、日本での公式販売価格は59万9,800円から)と比べれば、はるかに手ごろな価格設定といえる。 再び動き出した サムスン のXR戦略 発売に先立ち、わたしはニューヨークで サムスン 、グーグル、クアルコムが共同開催した非公開メディアイベントで再びGalaxy XRのデモを体験することができた。 ヘッドセット はクアルコムのSnapdragon XR2+ Gen 2チップで駆動している。昨年の初回ハンズオン体験(その内容はこの記事で詳しく紹介している)と比べて、大きな変化は見られなかった。唯一の謎だった正式名称と価格も、今回のイベントでついに明らかになった。 Galaxy XRは、アップルのデバイスとほぼ同じことができるとされている。 ヘッドセット を装着すると、パンケーキレンズを通して周囲の部屋パススルー映像が見え、その上に仮想コンテンツを重ね合わせたり、まったく別の世界に没入したりできる。操作は手のジェスチャーで行ない(コントローラーは別売り)、視線追跡によって選択したい対象を認識。Google Play ストアからお気に入りのアプリにアクセスでき、XR対応アプリには「Made for XR」ラベルが付与される。 サムスン ヘッドセット は全体的にプラスチック感が強く、アップルのVision Proほどの高級感はない。デモ機のバッテリーパックには指紋の跡が目立ち、使い込まれた印象だった。しかし、この構造のおかげで装着感は非常に軽く感じられる。長時間の使用は試せなかったが、25分ほど装着した限りでは着け心地は良好で、唯一気になったのは額に少し汗がにじむ程度だった。 ヘッドセット の上部はやや温かくなるが、バッテリーパック自体は比較的冷たいままだった。バッテリーの持続時間は約2時間、動画再生のみの場合は約2.

5時間で、初代Vision Proとほぼ同等。新しいM5版では、混合使用でも約2.5時間に延長されている。 片目あたり4K解像度(マイクロOLED)と90Hzのリフレッシュレートを備え、磁気式の度付きレンズインサートを別途購入することも可能。同梱のライトブロッカーを磁気で装着すれば、外光を完全に遮断して没入感を高めることができる。ヘッドセットは瞳孔間距離(IPD)を自動で調整してくれ、アイコンを見つめて指で選択するだけで完了する。ナビゲーション体験はVision Proと非常によく似ており、虹彩認証による生体認証にも対応している。 空間化された映像体験 Galaxy XRの新機能の中で最も興味深いもののひとつが、プラットフォーム上のすべての動画コンテンツを自動で空間化(立体化)する機能だ。つまり、YouTube動画やローカルの映像を再生すると、Android XRが自動的に奥行きを付与し、より没入感のある視聴体験を提供してくれる。(オフにすれば、従来の2D表示にも戻せる。)さらにYouTubeでは「空間マルチビュー」機能も新たに追加され、例えば同時に4つのスポーツ中継を視聴することも可能になった。 Galaxy XRスペック ディスプレイ:4KマイクロOLED(最大90Hz) プロセッサー:Qualcomm Snapdragon XR2+ Gen 2 ストレージとRAM:256GB/16GB RAM その他機能:虹彩認証、双方向スピーカー、6マイク、Wi-Fi 7対応 バッテリー駆動時間:約2時間 重量:545グラム(バッテリーパックは別途302グラム) アップルの「Persona」同様、Galaxy XRにもビデオ通話などで自分の顔を表示したい場合に使えるアバター機能が存在する。サムスン独自の「Galaxy アバター」は、かつての「Galaxy AR Emoji」に近い印象だ。また、Android XR経由でよりリアルなアバターを使用することも可能だが、この機能は発売時にはまだ利用できない可能性がある。 グーグルはスマートフォン向けのように、Android XRに対する明確なソフトウェア更新ポリシーをまだ発表していない。ただし、定期的なソフトウェアアップデートを提供する予定であり、一部はバグ修正、一部は新機能追加を目的とするとのことだ。 AIアシスタントと企業活用で広がる拡張空間 Galaxy XRではBluetoothキーボードやマウスを接続して仮想空間で作業することも可能だ。しかし、サムスンとグーグルはこの面にあまり重点を置かず、発表では主にエンタメ機能を強調していた。映画を観る際には、仮想シアターに入り込んだような体験ができる。Android XR向けに特別制作された没入型ショートフィルム『Asteroid(アステロイド)』では、ヘイリー・スタインフェルドとロン・パールマンが出演しており、Galaxy XRを購入すると視聴可能だ。また、PCと接続して完全なPCVRをサポートしており、VR対応タイトルだけでなく、通常のPCゲームもヘッドセット上でプレイできる。 Geminiが体験の中心に位置しているため、ゲーム中にアシスタントがプレイ内容をナレーションしたり、行き詰まったときにヒントを提供してくれたりする。また、アプリを開いたり、仮想画面を整理したり、視聴中の動画に関する質問にリアルタイムで答えたりすることも可能だ。ただし、Geminiの機能の多くはクラウドベースで動作するため、利用にはインターネット接続が必須となる。 イベントでは、サムスンが企業向けトレーニング用途でのGalaxy XRの活用例も紹介していた。例えば「ShapesXR」を使えば、製品が店頭の棚に並んだときの見え方を確認できるほか、ユーザーの視線データを分析して、どの製品に注目が集まるかを可視化することも可能だ。デモでは外科手術のトレーニングアプリや、造船作業をステップごとに案内するアプリも披露された(造船トレーニングはサムスン重工業と提携していると発表)。 そしてグーグルによると、Android XRはまもなく「Android Enterprise Framework」を正式にサポートする予定だ。これは企業向けに提供されている管理フレームワークで、IT管理者がデバイスの設定やアプリの配布、セキュリティ管理などを一元的に行えるようにするもの。つまり、Galaxy XRのようなヘッドセットも、近い将来はスマートフォンやタブレット端末と同じように企業環境で安全に運用できるようになるということだ。 ただし、これらの機能自体は決して目新しいものではない。複合現実の各社は長年にわたり同様の機能をアピールしてきたが、今回の反応がこれまでと異なるかどうかはまだ不透明だ。VRは現在「第3の波」にある。2016年のOculus Riftの登場から、パンデミック期を経て、現在へと進化してきた。しかし、アップルのVision Proが苦戦している現状を考えると、より手ごろな価格であっても、サムスンとグーグルのソリューションがどこまで成功するかは未知数だ。 そのためか、グーグルとサムスンは発売時にGalaxy XRへ大量の無料コンテンツをバンドルしている。「Explorer Pack」と名付けられたこの限定特典には、以下の内容が含まれる: Google AI Pro 12カ月利用権 YouTube Premium 12カ月利用権 YouTube TV 3カ月間 月額1ドルプラン NBA League Pass(シーズン全期間) Google Play Pass 12カ月利用権 NFL Pro Era、映画『Asteroid』、Adobeによる編集ツール「Project Pulsar」、「Calm」 などのアプリや体験コンテンツ Android XRが今後も定着するのか、それともかつてのGear VRやDaydream VRのように消えていくのかは、次に登場するスマートグラスの波にかかっているようだ。消費者の関心は、一般的にヘッドセットよりもスマートグラスのほうが高い傾向にある。サムスンとグーグルはイベントの最後でも、再びスマートグラスの登場を予告したが、具体的な詳細はほとんど明かされなかった。 このような顔に装着する「フェイスコンピューター」の波は、2026年に本格化すると予想されている。サムスンとグーグルは、Warby Parker、Xreal、Gentle Monsterと提携し、Android XRプラットフォーム上で動作するスマートグラスを開発中だ。これにより、メタの新しいスマートグラスと真正面から競い合うことになる。そして、アップルもまたこの分野へより深く挑戦することも期待される。 Galaxy XRのレビュー記事も近日公開予定だ。乞うご期待。 (Originally published on wired.com, translated by Miranda Remington, edited by Mamiko Nakano) ※『WIRED』によるウェアラブルデバイスの関連記事はこちら。 Related Articles 気鋭のAI研究者たちやユヴァル・ノア・ハラリが語る「人類とAGIの未来」。伝説のゲームクリエイター・小島秀夫や小説家・川上未映子の「創作にかける思い」。大阪・関西万博で壮大なビジョンを実現した建築家・藤本壮介やアーティストの落合陽一。ビル・ゲイツの回顧録。さらには不老不死を追い求める富豪のブライアン・ジョンソン、パリ五輪金メダリストのBガール・AMIまで──。未来をつくるヴォイスが、ここに。グローバルメディア『WIRED』が総力を結集し、世界を動かす“本音”を届ける人気シリーズ「The Big Interview」の決定版!!詳細はこちら。

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