アップルが目指す「Apple Intelligence」中心の未来が、Macの進化からも見えてきた

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アップルが目指す「Apple Intelligence」中心の未来が、Macの進化からも見えてきた
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アップルの生成AI「Apple Intelligence」が、新しい3機種のMacの発表に合わせて提供が開始された。現時点で何ができるのか、これからどう進化していくのか──。新モデルとなるM4版の「MacBook Pro」の試用から読み解いた。

アップルが生成AIの分野において「出遅れた」ことは間違いない。ChatGPT、Gemini、Claude、Stable Diffusion、Midjourneyと、挑戦的な生成AIの進化は2022年の年末ぐらいから急速に表面化した。ご存知のように「チャット」というインターフェイスでOpenAIのChatGPTが突破口を開いたことは確かだが、その後は「生成AIの時代」というにふさわしい状態で、多くのプレイヤーが先陣争いをしている。 「人工知能(AI)が人間の知性を超える日は近い」「生成AIを仕事に使わないなんてありえない」「生成AIに仕事を奪われる」とさまざまな主張があるが、生成AIがこれまでのコンピューターサイエンスの世界の地図を一変させて、新たな可能性を大きく開いたことは間違いないだろう。グーグルもメタ・プラットフォームズも生成AIへの取り組みを発表するなか、ビッグテックのなかでアップルだけが出遅れているように見えていたのだ。 とはいえ、アップルには出遅れるだけの理由がある。他のビッグテックはソフトウェアやサービスが主力の会社であり、それらの企業が提供する生成AIサービスはコンピューターリテラシーの高い人が使うことが多い。つまり、誤った情報を生成してしまうハルシネーション(幻覚)によってAIが間違った結果を出力しても「生成AIとはそういうものだ」と理解して自ら修正できるので、それが大きな問題になることは少ないわけだ。 しかし、販売台数が世界で年間2億台のiPhoneが生成AIを搭載するということは、老若男女あらゆる人の手に渡るということでもある。ハルシネーションが起きると、「iPhoneがウソをついた」ということになってしまうかもしれない。ハードウェアをビジネスの軸に据えるアップルの難しいところだろう。 7年前から考えられていた「布石」 しかし、アップルが単純に出遅れているというわけでもない。アップルは生成AIの基本的なテクノロジーである深層学習をかなり前から積極的に扱っている。ただ、「生成AI」という看板を立てなかっただけだ。例えば、iPhoneで撮った写真に何が写っているのかを認識する仕組み(鳥や草花の名前を教えてくれる)や、音声認識には深層学習が使われている。 そしてアップルは、深層学習に最適化されたプロセッサー「Neural Engine(ニューラルエンジン)」を以前からiPhoneに搭載していた。Neural Engineが最初に搭載された機種は「iPhone X」。2017年に発売されたiPhoneに、すでに生成AIを活用するためのチップが搭載されていたのだ。そしてNeural Engineは、毎年すさまじい勢いでアップデートされている。 つまり、ハードウェアに関していえば、WindowsのAI対応マシンである「Copilot+ PC」よりも、はるか以前からAIに対応するための布石を打っていたと言ってもいいだろう。 そして、遅ればせながらアップルも「生成AI」という看板を立てることにしたと発表があったのが、2024年6月の開発者向けカンファレンス「WWDC 2024」。そこからはハードウェアも含めて生成AIに“全振り”となっている。ただし、AIはAIでも「Apple Intelligence」の略である……と言っているのは、出遅れたアップルの照れ隠しなのかもしれない。 Apple Intelligenceを試して見えてきたこと そして10月28日の週、アップルは3日間にわたって「M4」シリーズのチップセットを積んだiMac、Mac mini、MacBook Proを発表するとともに、Apple Intelligenceを一般公開した。Apple Intelligenceは、「M」シリーズのチップか「A17 Pro」以降のチップセットを積んだiPhone、iPad、Macを最新のOS(iOS 18.

1、iPadOS 18.1、macOS Sequoia 15.1以降)にアップデートすることで利用できる。 残念ながら現時点では英語(米国)のみの対応で、日本語では利用できない[編註:2025年に日本語対応が予定されている]。ただし、言語設定を英語(米国)に切り替えれば誰でも利用できるので、M4チップを搭載したMacBook ProをmacOS Sequoia 15.1にアップデートして試しに使ってみた。 その結論から言うと、まだ利用できる機能はごくわずかである。英語を日常的に使っているわけでもなければ、利用できる機能は少ない。 だが、Apple Intelligenceによる新機能の恩恵を受けて、Siriはかなり流暢に“会話”できるようになった。ChatGPTの音声会話機能である「Advanced Voice Mode」の流暢さには及ばないが、従来の「使えない」Siriではなくなっている。例えば「Show me emails I’ve received from ○○ last month.(先月○○さんから来たメールを見せて)」といった複雑な作業もこなしてくれる。 一方で、「Please add the sender of this email to my contacts app.(メールをくれた人を連絡先アプリに追加して)」といった複数のアプリにまたがる作業はまだできない。これができればだいぶ便利になると思うのだが、そこまで成熟するにはまだ少し時間がかかりそうだ。 いちばん便利に使えそうなのは「作文ツール(Writing Tools)」だろう。この機能はテキスト入力するあらゆるシーンで使えるようになるのだが、校正や書き直しのほか、文体をフレンドリーにしたりビジネスライクにしたりすることもできる。要約、箇条書き、リスト、表組みなどにするような加工も可能だ。 もちろん、ChatGPTのほうがはるかにうまくやってくれるのだが、OSの一部として動作する便利さは強みだと言える。これから熟成されていくわけだから、しばし待つしかないのだろう。 その他、メールの管理、スマートリプライ、写真アプリの自然言語による検索、通知の要約などの機能が、Apple Intelligenceによって実現する。しかし、画像の生成や複数のアプリをまたいでの処理はできない。つまり、まだ(ジョブズが「Macintosh」を開発するときに発言したとされるような)「宇宙にへこみをつくる」ほどのインパクトのある機能は存在しない。Apple Intelligenceがアップル製品の“武器”になるには、まだしばらく時間がかかりそうだ。 ハードウェアにおける進化の意味 しかしながら、発売された製品を注意深く観察すると、アップルがいかに長期的な観点から計画を練っており、Apple Intelligenceをビジネスの中心に据えようとしているのかが見えてくる。 Apple Intelligenceの対応機種は、今年6月の段階ではMシリーズのチップとA17 Pro(iPhone 15 Proに搭載)のみだと発表されていた。ところが半年が経った現在、A17 ProをiPad miniに搭載し、iPhone 16シリーズに搭載された「A18 Pro」と「A18」もApple Intelligence対応になった。気がつけば、アップルのラインナップにおける主力製品でApple Intelligenceに対応していないのは、iPad(第10世代)だけとなっている。 Apple Intelligence対応機種は、メモリーが増強されたことも特徴だ。A17 Pro、A18 Pro、A18の搭載モデルは、いずれもRAMが8GBとなっている。特に、スタンダードなモデルに採用されるA18を搭載した機種でも、RAMが8GBになっている点が目を引く。 さらに、このほど発表された新型のiMac、Mac mini、MacBook Proも、いずれも基本モデルのメモリー容量が従来の8GBから16GBに増やされている。そればかりか、今回の発表会では紹介されなかったM3版の「MacBook Air」も、基本モデルのメモリー容量が16GBに静かに改定された(価格は据え置き)。 こうした動きを見ると、Apple Intelligence対応で発売するiPhoneやiPadはRAMが8GB以上、Macの場合は16GB以上のユニファイドメモリーを積むというルールがあるかのように思える。推測するに、Apple Intelligenceの処理は大量のメモリーを消費するのだろう。バックグラウンドでApple Intelligenceが動いていても他の一般的な処理に支障を来さないように、メモリーの搭載量を増やしていると考えられる。 もうひとつ興味深い点がある。以前から搭載されているNeural Engineだが、M4での処理能力の向上が著しいのだ。 生成AIに関連する性能を計測できるベンチマークソフト「Geekbench AI」で性能を計測してみると、特にM4では「Quantized(量子化)」の項目でスコアの向上が著しく、「M1」や「M1 Pro」と比べて3倍ほどになっている。これはどういう意味かというと、画像認識や動画解析、音声処理などをiPhoneやMacといった端末側でこなすために、データを軽くする(量子化する)ことに特化しているということだ。つまり、エッジ側(端末側)でさまざまな処理をこなせるようにするというアップルの意図が読み取れる。 Apple Intelligenceの“副産物” Apple Intelligenceをわたしたちが日常的に使えるようになるには、まだしばらくかかるだろう。しかし、Neural Engineの大幅な性能向上によるApple Intelligence以外のAI処理(画像認識や音声認識など)のパフォーマンス向上やメモリー容量の底上げは、わたしたちにとっても意義が大きい。簡単にいえば、基本モデルのiPhone 16やMacBook Pro、iMac、Mac miniが非常にお買い得ということでもあるからだ。 これまで「性能の低い不完全なProモデル」だったMacBook Proの最廉価モデルや、(Proではない安いほうの)iPhone 16がが驚くほど高性能で充実した製品になっているのは、アップルが「全ラインナップで快適にApple Intelligenceを使えるようにしよう」と意図したことの副産物でもあるともいえる。 つまりは、本来なら少し機能を削ることで差異化したり、コストダウンしたりしていた製品を底上げしてでも、すべての人にApple Intelligenceの利便性を提供しようとしているということでもある。 いまのところ、日本のiPhoneユーザーやMacユーザーでApple Intelligenceに興味をもっている人は多くはないようだが、ここ数年でアップル製品は一気にApple Intelligence中心の製品に切り替わっていくだろう。つまり、Siriを用いた音声による制御が増え、メールでもワンクリックで流暢な定型文での返信が生成される……といった使い方が中心になっていくはずだ。 「操作系はできるだけ少なく、シンプルに」というアップルの古くからのスタンスは、生成AIであるApple Intelligenceによってより前進することになるだろう。 (Edited by Daisuke Takimoto) ※『WIRED』によるアップルの関連記事はこちら。人工知能(AI)の関連記事はこちら。 Related Articles 今後、都市への人口集中はますます進み、2050年には、世界人口の約70%が都市で暮らしていると予想されている。「都市の未来」を考えることは、つまり「わたしたちの暮らしの未来」を考えることと同義なのだ。だからこそ、都市が直面する課題──気候変動に伴う災害の激甚化や文化の喪失、貧困や格差──に「いまこそ」向き合う必要がある。そして、課題に立ち向かうために重要なのが、自然本来の生成力を生かして都市を再生する「リジェネラティブ」 の視点だと『WIRED』日本版は考える。「100年に一度」とも称される大規模再開発が進む東京で、次代の「リジェネラティブ・シティ」の姿を描き出す、総力特集! 詳細はこちら。

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