アシックス、アディダス、ナイキ、ニューバランス、オンのテンポアップシューズでスピード強化! 狙うはマラソンのサブ3!

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アシックス、アディダス、ナイキ、ニューバランス、オンのテンポアップシューズでスピード強化! 狙うはマラソンのサブ3!
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アシックス、アディダス、ナイキ、ニューバランス、オンのテンポアップシューズをGQエディターが試走。スピード練習に適した最新シューズの実力を検証する。

「次の課題はスピードです」 3月に参加した東京マラソンを3時間13分10秒(東京マラソン2025リポート)で走り終えた直後に、アシックスの小谷浩コーチからかけられた言葉だ。カーボンプレートを搭載していないシューズでペースをあげたジョグを重ね、次のステージを目指すという趣旨の助言である。次のステージとは、サブ3であろう。 スピード練習とは、速筋や心肺機能に刺激を入れながら走るトレーニングのこと。2分ジョギングしたら、1分スピードアップ、そしてまた2分ジョギング、を4~5回繰り返すインターバルトレーニング、100m〜200mのダッシュ、あるいは200mなどのショートインターバルでレースペースを維持するメニューが一般的だそうで、速いスピード・ペースで走ることに慣れ、自然とラップタイムを上げるための手法らしい……ふーん。 でもこの練習、嫌いなんです。 そもそも僕は何のために走るのか? フルマラソンのタイム更新が目的では断じてない。比較的自由に使える朝時間、仕事も含めたあれこれを考えながら走るのが好きなのだ。元旦を除いて、この気持ちは雨の日であっても雪の日であってもブレることがない。ただただ、ささやかな達成感に包まれる、毎朝の習慣なのである。 だからダッシュなんてもってのほか。しかも100mダッシュだなんて、そもそもキャラ的に違うでしょう!などと主張しながら、ぐずる51歳を“主治医”の小谷コーチは「スピード練習を好んでやらないで結構です(笑)」となだめる。 「スピード練といっても、陸上部がやるようなインターバル走などではなく、ペースを上げて走る時にEVORIDE SPEED 3を使ってもらって、ケガを予防しながらスピードのベースを上げるイメージです。一般的にインターバルで追い込んだほうが“やった感”や“達成感”があるのは確かですが、神谷さんの場合はペース走でOK。インターバル走は必要ないかと思います」 インターバルなし!!! 年齢と効率、シューズの履き分けを考慮したメニューで自己ベスト更新を狙うのは悪くない提案ではないか。そこには大いに納得したが、それでもシューズの履き分けはどうもピンとこない。 というのも、コーチがおすすめする「EVORIDE SPEED 3」は、テンポ走・ペース走などスピードを意識した練習に適したカーボンプレートを搭載しないテンポアップシューズだ。テンポアップシューズとは、一般的なトレーニングシューズ(デイリートレーナーやジョグシューズなど)と比較すると、軽量で、靴底の反発力が強く、スピードを出しやすいのが特徴。短い距離を速いスピードで走る、スピード練習用とされている。 レース本番だけではなく、高い反発性と推進力に優れるカーボンシューズを日常的に愛用していた記者には、テンポアップシューズが物足りなく感じてしまうのは火を見るより明らか。毎朝ワクワクできるカーボンシューズは中毒性があるのかもしれないが、言葉を選ばずに言うと、ノンカーボンシューズはつまらないのである。納得できる、あとひと押しが欲しいところだ。 怪我の予防と脚力強化 ノンカーボンのテンポアップシューズによるスピード練習に疑問を抱いていた記者ではあったが、考えを改める機会があった。あるイベントに参加していた大学駅伝名門校の関係者によると、カーボンプレート搭載の厚底シューズには、スピードに乗りやすい、推進力を得やすいというメリットがある反面、どうしても脚へのダメージが避けられないというのだ。駅伝選手のMRI検査をしてみると、微細な疲労骨折をしているケースがあるそうで、なんと自覚症状がないのだという。思わず怯んだ。 もちろん、これはトップレベルのアスリートの話ではあるのだが、本来の脚力以上のスピードが出てしまうのはアマチュアでも同じこと。カーボンプレート搭載の厚底シューズに「走らされてしまう感覚」は、市民ランナーレベルであっても身に覚えがないわけではない。 だからこそ、大会でカーボンプレート搭載の厚底シューズを履くランナーの練習用として、ノンカーボンのテンポアップシューズに注目が集まっているわけであり、その履き分けは(脚に覚えのある)市民ランナーにも当てはまるのではないか。怪我を予防しながら、脚力と筋持久力をつけるのに効果的なノンカーボンのテンポアップシューズ、悪くない気がしてきた。サブ3を目指すようなマラソン中・上級者レベルのランナーがテンポアップシューズを選ぶなら、薄めの靴底を選ぶのがおすすめだそうだ。 そういえば、小谷コーチがリコメンドするアシックスの「EVORIDE SPEED 3」には、「自分の脚で走る感覚を追求」「自分に合ったランニングフォーム」「軽さを追求し、スピードを出しやすい」といった特徴があるという。靴底薄めのテンポアップシューズ! いいじゃない! テンポアップシューズへの誤解が解けたところで、アシックス以外のメジャーブランドもリサーチ。履き分けと、サブ3を目指すようなスピード練習が目的であること、「EVORIDE SPEED 3」での試走が決まっていることを伝え、それを踏まえて各社イチ押しの最新シューズを推薦してもらった。ナイキ、アディダス、ニューバランスといった本企画の常連組に加えて、近年 ランニングシューズ 市場で一気にシェアを拡大している注目ブランドのオンも(今回は靴底薄めではないものの)参加。テンポアップシューズに適した極私的ベストバイを探ることになった。 “つまらない”の先に見えた光明! 1回の試走距離は8kmが基本。6kmを走ったあと、残り2kmはスピードをあげて4分15秒ペースで走り切るメニューを考えた。愛用していたカーボンプレート搭載の厚底シューズから靴底が薄めのテンポアップシューズに履き替えてみると、思った通り、物足りない。気が乗らない、ワクワク感に乏しいこともあって、必然的にタイムもパッとしない。 そして、いかに、カーボンプレート搭載の厚底シューズの恩恵に預かっていたかを思い知らされた。その証拠に、フォームを意識しない、気持ちの入っていないランではタイムが乱れる、落ちるのだ。カーボンプレート搭載の厚底シューズでは、そういった走りの曖昧さを誤魔化せてしまうことも証明された。 それでも今回は覚悟を決めて、黙々と試走を続けていると、靴底が薄めのテンポアップシューズに慣れてきたのか、靴の性能に頼らず自分の脚で走っている感覚がわかってきた。あくまで参考値だが、当初は6kmを4分50秒〜5分00秒ペースで走ったあと、残り2kmを4分40秒ペースでこなしていたのだが、数日するとスピードが上がってきた。6kmを4分30秒ペース、残り2kmを4分15秒ペースで走り切る日もあった。 腰が沈んでしまっていた当時はターン、ターン、ターンという感覚で走っていたものが、「真下着地」「腰高」「脚の回転」を意識したフォームでタン、タン、タンとリズムよく走れるようにもなってきた。薄め靴底のテンポアップシューズの特性を活かせているようだ。とにかく、このスピード、ペースを脚に覚えさせたい。あとはひたすら継続である。 以前、練習の意味について問われたメジャーリーガーの菊池雄星は、「野球の技術は徐々に上達するものではなく、ある瞬間に“急に”上手くなる」とインタビューに答えている。何かのコツを掴むことで次のステージに進める、つまり「練習はただの反復ではなく、コツを掴むためにやるもの」というのが主旨だ。 今回はスピード練習が“コツ”に該当するだろうか。すべてが靴底薄めのテンポアップシューズによる恩恵ではないのだろうが、「真下着地」「腰高」「脚の回転」を意識したフォームがなんだか様になってきたような気がする。スピードをアップするための走りのコツが掴めたのかもしれない。 自分の体型、フォーム、年齢、性格に合う走りを取捨選択、検証していたタイミングだったのだが、最後に靴底薄めのテンポアップシューズによるスピード練習というピースがハマったのかもしれない。今では菊池雄星の“急に”上手くなる、という考えがよく理解できる。 各社のテンポアップシューズのテスト期間は約1カ月。その日の気分に合わせて履きたいシューズを履く、1回の走行距離は8km以上、というスタンスで試走を繰り返した。ここからは、5モデルのインプレッションを紹介したい。 01 ASICS(アシックス) EVORIDE SPEED 3 自分の脚で進める感覚のあるシューズ。レースでも使えるが、日々のトレーニング用シューズとして採用。とにかく接地の感覚をつかみやすい。サイズ感はタイトでやや小さめ。ヒールカップには堅めのヒールカウンターが内蔵され、踵のホールド感は◎。走り方はミッドフット着地が合っているようだ。どんな場面でもこなせる万能タイプのため、地味なキャラクターではあるが、いまの自分のスピード練習にはちょうどいい相棒かもしれない。 重量(27.

0cm):約220g。¥15,400 by ASICS(アシックスジャパン カスタマーサポート部/asics.com) 02 NIKE(ナイキ) ナイキ ペガサス プラス デイリートレーナーとしても使えそうだが、基本はテンポアップシューズ。長めの距離走や速めのジョギングに好適という印象。エネルギーリターンが良く、反発性やクッション性も高い、長い距離やジョギングに向いているペガサス41に対して、地面をしっかりと蹴り出すことで推進力を生むペガサス プラスはもう少し短い距離やスピードを上げるシーンが最適かもしれない。スピード練習に適した正しいフォームで走ると、さらにスピードが乗ってくる。誤魔化しを許さないシューズという印象だ。 重量(28.0cm):約245g。¥22,000 by NIKE(ナイキ カスタマーサービス/Tel:0120-6453-77) 03 ADIDAS(アディダス) ADIZERO EVO SL ゆっくり走るとクッション性を感じ、テンポが上がってくるとほどよい反発を得られる。走り出し時に調子の悪さを感じるようなケースでも、気づくといいジョグができている、という印象。毎朝走るランナーには、コンディションを選ばないこの感覚はうれしい! 練習とレース本番で走り方を変えなくても良いのではないか? そう思わせるほど、守備範囲が広い。今回のテスト企画では最多登板。もっとも気持ちよくスピード練習をこなせた。 重量(27.0cm):224g。¥19,800 by ADIDAS(アディダスお客様窓口/Tel:0570-033-033) 04 NEW BALANCE(ニューバランス) フューエルセル レベルv5 ブラインドテストをしてもわかる快適性、クッション性は健在であり、まさにニューバランス・クオリティ。軽量でありながら、反発力と力強さも必要十分。スピードを求める長距離ランに好適なテンポアップシューズである。長距離の安定したランから、スピーディかつ自発的なランへの移行もスムーズだ。フォアフット、ミッドフット、ヒールストライクを試してみたが、どのポイントで走っても姿勢は安定しており、コンディションに左右されることがない。自分の脚で進む感覚はちょっと掴みづらいか。 重量(27.5cm):約227g。¥16,940 by NEW BALANCE(ニューバランスジャパンお客様相談室/Tel:0120-85-7120) 05 ON(オン) クラウドモンスター ハイパー クラウドモンスターファミリーの最軽量モデルであり、アスリートのための究極のトレーニングシューズは、2024年にも同企画でテスト済み。2重密度設計のミッドソールが最強のクッション性とリバウンド感覚をもたらす。足への衝撃が少なく、ダイナミックに弾むので、ストライドを刻むたびにエネルギーの躍動を感じる。ミッドフットよりも、ヒールストライクが記者のフォームには合っているかもしれない。良い意味でしっかりと脚が疲れる。靴底薄めではないこのモデル、今回のテストではクッション性もエネルギーリターンも最強。 重量(27.0cm):約272g。¥27,500 by ON(オン・ジャパン/Tel:050-3196-4189) 1カ月の試走を終えて 当初、物足りない、つまらない、と散々な評価だったテンポアップシューズではあるが、気がつくとカーボンプレート搭載の厚底シューズと同じか、あるいはそれ以上のタイムで走り切る日も増えてきた。「真下着地」「腰高」「脚の回転」を意識した正しいランニング・フォームの習得というおまけ付き。ただの食わず嫌いだったようだ。 さらに、靴底薄めのテンポアップシューズに合わせて、ミッドフットからヒールストライクの着地を意識した効果なのか、これまで脛に抱えていた痛みも緩和されてきたように思う。 今回の企画は、サブ3を視野に入れた中級者向けの自己流メニューではあったが、試走したシューズはいずれもランナーのレベルを問わない万能タイプだ。スピードを意識しながら、正しいフォームを身につけるのに最適な道具であり、最高の教材であることも付け加えておこう。 文と編集・神谷 晃 AKIRA KAMIYA(GQ) 写真・梅津有希子、GQ JAPAN

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