金沢城(金沢市)の500面に及ぶ石垣は技法や意匠の多様性に富んでいることから、「石垣の博物館」とも称される。石垣は、金沢城調査研究所が修復記録などをまとめた「…
金沢城(金沢市)の500面に及ぶ石垣は技法や意匠の多様性に富んでいることから、「石垣の博物館」とも称される。石垣は、金沢城調査研究所が修復記録などをまとめた「石垣カルテ」で管理。石垣面の細かい変化を見逃さない独自の経過観察方法は、文化庁からもモデルケースとして注目されている。幕末に大地震の被害に遭った際の絵図が発見されたことで、石垣面の変形原因の考察に役立てられるという。 石垣カルテは、石垣ごとに築造年代や測量データ、形状、石材、変形状況などの項目を整理した台帳のこと。石垣のさまざまな情報を整理、蓄積することで、文化財としての価値を損なわない管理や復旧につなげるのが目的だ。てびきの策定は、同調査研究所の所長だった北垣聡一郎さんも中心的な役割を担った。てびきには、金沢城が24年から独自に実施している3次元レーザー測量を用いた経過観察方法も掲載。測量により、石垣のふくらみを立体的に描き出して「見える化」し、危険度の把握が容易になった事例を紹介している。 測量データを石垣カルテの項目に含める動きは、熊本地震(28年)で熊本城の石垣が大規模に崩落したことで、石垣の復旧に不可欠な項目との認識が広がり加速した。令和2年には、石垣カルテで必要な測量などの調査事業が国の補助対象に追加された。文化庁によると、5年に公開した石垣の耐震診断に関する指針は、金沢城の取り組みも参考にしている。文化財の保存修復に詳しい東北芸術工科大の北野博司教授(文化遺産マネジメント)は城郭の石垣修理について「平成の初めまでは、変形した石垣は解体して、土木工事のように積み上げればいいという感覚が一般的で、文化財としての意識が希薄だった」と話す。北野教授によると、金沢城調査研究所は、埋もれていた古文書や資料から石垣の歴史的、技術的価値を明らかにするプロジェクトを先駆的に展開。こうした研究の蓄積により「江戸時代の本物」が失われる解体修理は、極力避けるべきだという考え方が広がっていったという。 北野教授は「メタボリックにぼーんと下腹が膨らんでいても安定的な石垣もあれば、一見頑丈でも中が隙間だらけで危ない石垣もある。人間と同じように健康診断をきちんとやって、カルテで管理するシステムを作っているのが金沢城のすばらしいところ」と指摘。「今はどこの城も技能者がいなくて修理に困っている。江戸期の石垣造りの技術者が持っていた研究熱心なところを継承しながら、技能者を養成していく必要がある」と話した。(川西健士郎).
金沢城(金沢市)の500面に及ぶ石垣は技法や意匠の多様性に富んでいることから、「石垣の博物館」とも称される。石垣は、金沢城調査研究所が修復記録などをまとめた「石垣カルテ」で管理。石垣面の細かい変化を見逃さない独自の経過観察方法は、文化庁からもモデルケースとして注目されている。幕末に大地震の被害に遭った際の絵図が発見されたことで、石垣面の変形原因の考察に役立てられるという。 石垣カルテは、石垣ごとに築造年代や測量データ、形状、石材、変形状況などの項目を整理した台帳のこと。石垣のさまざまな情報を整理、蓄積することで、文化財としての価値を損なわない管理や復旧につなげるのが目的だ。てびきの策定は、同調査研究所の所長だった北垣聡一郎さんも中心的な役割を担った。てびきには、金沢城が24年から独自に実施している3次元レーザー測量を用いた経過観察方法も掲載。測量により、石垣のふくらみを立体的に描き出して「見える化」し、危険度の把握が容易になった事例を紹介している。 測量データを石垣カルテの項目に含める動きは、熊本地震(28年)で熊本城の石垣が大規模に崩落したことで、石垣の復旧に不可欠な項目との認識が広がり加速した。令和2年には、石垣カルテで必要な測量などの調査事業が国の補助対象に追加された。文化庁によると、5年に公開した石垣の耐震診断に関する指針は、金沢城の取り組みも参考にしている。文化財の保存修復に詳しい東北芸術工科大の北野博司教授(文化遺産マネジメント)は城郭の石垣修理について「平成の初めまでは、変形した石垣は解体して、土木工事のように積み上げればいいという感覚が一般的で、文化財としての意識が希薄だった」と話す。北野教授によると、金沢城調査研究所は、埋もれていた古文書や資料から石垣の歴史的、技術的価値を明らかにするプロジェクトを先駆的に展開。こうした研究の蓄積により「江戸時代の本物」が失われる解体修理は、極力避けるべきだという考え方が広がっていったという。 北野教授は「メタボリックにぼーんと下腹が膨らんでいても安定的な石垣もあれば、一見頑丈でも中が隙間だらけで危ない石垣もある。人間と同じように健康診断をきちんとやって、カルテで管理するシステムを作っているのが金沢城のすばらしいところ」と指摘。「今はどこの城も技能者がいなくて修理に困っている。江戸期の石垣造りの技術者が持っていた研究熱心なところを継承しながら、技能者を養成していく必要がある」と話した。(川西健士郎)
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