【Hothotレビュー】初5G SA対応で最大4.9Gbpsのモバイルルーター「NTTドコモ Wi-Fi STATION SH-54C」
SH-54Cはモバイルルータであり、基本的に屋外での利用を想定した製品だ。そのため、無線LANの5GHz帯域については、一般的な家庭用の無線LANルータとはやや異なる仕様となっている。それは、日本では屋外での無線LANの5GHz帯域の利用が制限されているからだ。 無線LANの5GHz帯域は、5.2GHz帯域の「W52」、5.3GHz帯域の「W53」、5.6GHz帯域の「W56」と3つの周波数帯域でグループ分けされている。そして日本では、屋外で無条件で利用できるのは屋外の地上におけるW56のみとなっており、それ以外は利用不可または条件付きでの利用に制限されている。そこでSH-54Cの無線LANは、出荷時の標準設定では2.
4GHz帯域に設定されており、5GHz帯域を利用するには設定メニューから無線LANの利用帯域を5GHz帯域に変更する必要がある。同時に、5GHz帯域に変更する場合に、動作モードを室内での利用を想定した「室内」と、屋外での利用を想定した「屋外」の2つのモードから選択するようになっている。 また、屋内モードは外部電源を接続して電力を供給している場合にのみ設定できる。電源を外して内蔵バッテリ駆動状態になると、それまで屋内モードで利用している場合でも、自動的に屋外モードへと切り替わる。その後、再度外部電源を接続しても自動的に屋内モードには復帰せず、あらためて手動で室内モードに切り替える必要がある。電力を供給していない状態では強制的に屋外モードに設定され、その後電源を接続しても、再度手動で屋内モードに切り替えない限り自動的に屋内モードに切り替わることはない そして、屋外モードにはいくつかの動作制限が施されている。屋外モードでは5GHz帯域の中で利用できる帯域が制限され、W56のみが利用可能となる。また、無線LANの帯域幅も最大80MHzに制限される。これにより、屋外モードでは5GHz帯域の最大通信速度が1,201Mbpsに制限される。このあたりは少々残念だが、屋外で強制的に屋内モードに設定して利用することは法令違反となるため、絶対に避ける必要がある。とはいえ、速度は制限されるが、5GHz帯域の無線LANが屋外で使えないわけではない。同時に、最大1,201Mbpsで通信できれば、おそらくWAN側の実効速度をほぼ最大限有効活用できる場面がほとんどだ。そのため、屋外モードでの利用でも基本的にほぼ問題なく利用できると考えていいだろう。このあたりは、後ほどの通信速度の実測検証でも詳しく紹介する。 ちなみに、SH-54Cの無線LAN設定を5GHz帯域に変更したり、5GHz帯域に設定した状態でSH-54Cを電源断から起動した場合には、起動後に気象レーダーなどと干渉しないかチェックする「DFS」機能が約1分間動作する。DFS動作中は無線LANの通信が行なえないため注意が必要だ。なお、DFSは屋内、屋外のモードに関係なく動作する。では、SH-54Cを利用した通信速度をチェックしていこう。今回は、速度検証の機材として、富士通クライアントコンピューティングのモバイルノートPC「LIFEBOOK WU2/E3」を利用。速度のチェックには、Ooklaの速度検証アプリ「SPEEDTEST」のMicrosoft Storeアプリ版を利用した。 検証場所は、5G SAのサービスエリアとして設定されている、香川県高松市のJR高松駅構内で行った。なお、検証場所のJR高松駅構内は建物内ではあったが、法令上は屋外扱いになる可能性が高いため、屋外モードに設定して検証した。また、無線LANの2.4GHz帯域については、WAN側の速度を最大限引き出せないと考え、検証を行なっていない。まずはじめに、無線LAN接続時の速度だ。今回はSH-54Cを屋外モードに設定しての検証のため、WU2/E3とは上り、下りとも1,201Mbpsでリンクしていることを確認している。 そのうえでまず、JR高松駅周辺の、5G SAエリア外で速度をチェックしてみたところ、最速の結果では下りが823Mbps、上りが73Mbpsを記録した。上りは100Mbpsを下回っているものの、下りは一般的な光回線と比べても同等以上の速度で、これでも十分満足できる速度と感じる。それに対し、JR高松駅構内の5S SAエリアで検証してみると、多少上下はあったものの、最速の結果では下りが965Mbps、上りが283Mbpsを記録。下りはそれほど大きな違いはなかったが、上りが大幅に高速となっている。 SH-54Cでは、5G SAに接続しているかどうかを判断する方法がないため、実際に5G SAに接続できているかどうかは推測でしかない。この項目の小見出しに「」と付けたのはそのためだ。それでも、上りで300Mbps近い速度を発揮できるのは5G SAの特徴でもあるため、この状態で5G SAに接続できていると判断した。これだけの上り速度が発揮されるなら、大容量ファイルを送る必要がある場合でも短時間で転送でき、利便性が大きく向上するはずだ。そういう意味で、SH-54Cの5G SAへの対応は大きな魅力と言っていいだろう。 JR高松駅構内の5G SAエリアで計測。下りが965Mbps、上りが283Mbpsと、特に上り速度が先ほどの5Gエリアでの速度を大きく上回った。このことから、おそらく5G SAで接続していると判断できる 次に、有線LANアダプタを介した有線LAN接続時だ。こちらは上り、下りとも1,000Mbpsでのリンクとなるため、速度的には無線LANに劣るものの、安定性では上回ることが期待できる。実際の検証では、確かに速度は無線LANに比べて上下する割合が低く、安定して通信できるという印象だった。 しかし実際の通信速度は、最も高速なもので下りが536Mbps、上りが295Mbpsだった。上りは無線LAN接続時同等の速度だが、下りは500Mbps前後で頭打ちだったのだ。当初は、WU2/E3内蔵の有線LANとの相性もあるかと思ったのだが、他のPCの有線LANや、USB Type-C接続のGigabit Ethernetを利用しても同様だった。そのため、おそらく試供品として同梱される有線LANアダプタの仕様によるものと考えよさそうだ。最後にUSB接続だ。今回は、USB 3.2 Gen2準拠のUSB Type-Cケーブルを用意し、そちらを利用してSH-54CをWU2/E3のThunderbolt 4ポートに接続して検証した。この場合、WU2/E3とは上り、下りとも4,250Mbpsでリンクすることを確認。つまり、USB接続では最も高速にリンクできるわけだ。 そして、実際の通信速度は、最も高速なもので下りが1,250Mbps、上りが281Mbpsだった。上りは他の場合とほぼ同等ではあるが、下りは1,200Mbpsを超えている。この速度は、SH-54Cで利用できる有線LAN、無線LANでは引き出せない速度であり、SH-54Cで5G SAの速度を最大限引き出したいなら、USB接続での利用がベストと言える。 ただし、利用するUSBケーブルがUSB 2.0準拠の場合には、リンク速度が大幅に低下するため、この速度は引き出せなくなる。そのため、SH-54CをUSB接続で利用するなら、必ずUSB 3.0以上に準拠するUSBケーブルを用意するようにしたい。次にバッテリ駆動時間だ。こちらは、試用期間中にちょうど東京都内に行く機会があったため、東京で午前9時頃から午後6時30分頃まで、スマートフォン2台を無線LANで常時接続するとともに、途中3~4時間ほどノートPCも無線LANで接続して利用してみた。すると、午後6時30分の時点でバッテリ残量は33%だった。おそらく、それ以降もまだ数時間は問題なく利用できたはずだ。2台のスマートフォンを5GHz帯域の無線LANで常時接続し、途中PCも接続して約9時間30分連続で使用しても、バッテリ残量は33%とバッテリが尽きることはなかったNTTドコモの5Gスマホでは、5Gの電界強度が弱くなった場合にパケットが流れにくくなる「パケ詰まり」という現象が頻発していた。NTTドコモでは5Gのパケ詰まりを改善する対策を施しているとアナウンスしているものの、実際にはまだ頻繁にパケ詰まりが発生している。おそらく、電車で移動中に同様の現象が発生してパケ詰まりし、データが流れなくなっているものと考えられる。今回見てきたようにSH-54Cは、NTTドコモのモバイルルータとしてはじめて5G SAに対応し、5G SA接続時にはかなり高速なデータ通信が可能なことが確認できた。また、子機との接続方法も豊富に用意され、柔軟な運用が可能な点も魅力と感じる。 ただ、せっかく5G SAに対応しているものの、NTTドコモの5G SAエリアがまだまだ充実しておらず、そのほとんどが屋外かつピンポイントなエリアとなっているため、SH-54Cの本領を発揮する場面が非常に限られるというのはかなり残念だ。今回実機でテストしていても、5G SAで繋がったと判断できても、そこから数m移動すると5G SAでの接続が切れてしまうというように、エリアの狭さを強く実感するとともに、エリアの拡充を早急に進めてほしいと強く感じた。 そういった意味でSH-54Cは、5G SAに対応しているものの、まだしばらくは通常の5G対応モバイルルータとほぼ同等の速度での利用が中心となるだろう。それでも、最大2,402Mbpsでの通信に対応するWi-Fi 6や有線LANでの接続が可能で、モバイルルータとしてだけでなく家庭内で利用するホームルータとしても活用可能だ。5G SAについては将来性に期待しつつ、現時点で最も高性能な5G対応モバイルルータを利用したいと考えているなら、十分考慮に値する製品と言える。
United States Latest News, United States Headlines
Similar News:You can also read news stories similar to this one that we have collected from other news sources.
Fire TV CubeのWi-Fi接続状況をチェックして、最適な環境で使おう【自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!】前回ではFire TV Cubeで見たいコンテンツを検索する方法を紹介したが、今回は設定の話に戻り、Wi-Fi接続状況や通信速度を確認する方法を見ていこう。
Read more »
MSI、ヒートパイプを搭載したゲーミングルーター「RadiX AX6600 Wi-Fi 6 トライバンドゲーミングルーター」とWi-Fi 6対応無線LANアダプターを発表MSIはヒートパイプを搭載したゲーミングルーター「RadiX AX6600 Wi-Fi 6 トライバンドゲーミングルーター」と、Wi-Fi 6対応無線LANアダプター「AX1800 Wi-Fi USBアダプター」を2月17日に発売する。
Read more »
�ҡ��ȥѥ��פ���Ѥ���MSI��Wi-Fi 6�б�̵��LAN�롼������ȯ��RadiX AX6600 Wi-Fi 6 �ȥ饤�Х�ɥ����ߥ롼������AX1800 WiFi USB�����ץ��� �ۿ��� ���२����������ԥ塼��������ѥ� �ۿ��� 2023/02/09 MSI��������Υҡ��ȥѥ��פ���ܤ���Wi-Fi 6�б������ߥ롼������RadiX AX6600 Wi-Fi 6 �ȥ饤�Х�ɥ����ߥ롼�����פ� ̵��LAN�����ץ�����AX1800 WiFi USB�����ץ����פ�ȯ��¿��Υ��ꥸ�ʥ뵡ǽ���������ϥ�����ɥ����ߥ롼������
Read more »
Wi-Fi設備を利用した介護業務効率化を実現株式会社ファイバーゲートのプレスリリース(2023年2月10日 12時39分)Wi-Fi設備を利用した介護業務効率化を実現
Read more »
