【福田昭のセミコン業界最前線】 次世代のスマート家電を担う低消費AIプロセッサとは?京都で4年ぶりのVLSIシンポジウム開催

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【福田昭のセミコン業界最前線】次世代のスマート家電を担う低消費AIプロセッサとは?京都で4年ぶりのVLSIシンポジウム開催

今年のVLSIシンポジウムは、2023年6月11日~16日に京都市のホテル「リーガロイヤルホテル京都」で開催される。2019年以前の「京都開催」でも会場として利用してきたホテルであり、常連の参加者にとっては4年ぶりの京都訪問となる。2023年の開催テーマは「Rebooting Technology and Circuits for a Sustainable Future」である。持続可能な社会の構築は人類全体の共通な課題となっていることから、半導体技術が課題の解決に貢献することが期待される。 2023年のVLSIシンポジウム開催テーマと概要。2023年4月25日に開催された記者会見の資料から。上記のテキストで「Disruptiveな」とは「破壊的な」、「既存の手法をはるかに超えた」といった意味だと思われる シンポジウムの基本スケジュールは6月11日と12日がプレイベント、6月13日~15日がメインイベント)、16日)がポストイベントとなっている。このほか12日の夜にはデモンストレーションセッション兼歓迎会、13日の夜にはパネル討論会、14日の夜には合同晩餐会を予定する。シンポジウムの参加料金は、IEEEあるいは日本応用物理学会の正会員が7万5,000円、学生会員が4万円である。非会員はそれぞれ8万円、5万円とやや割高になる。参加料金には技術講演会のほか、ワークショップ、パネル討論会、デモンストレーションセッション、レセプション、バンケットを含む。 ショートコースとフォーラムの参加料金はセットになっており、IEEEあるいは日本応用物理学会の正会員が5万5,000円、学生会員が4万円である。非会員はそれぞれ6万5,000円、5万円とこれもやや割高になる。実は厳密に表現すると、「VLSIシンポジウム」が開催されるのは今年が2回目である。「VLSIシンポジウム」は一昨年まで、2つのシンポジウムで構成されてきた。半導体のデバイス・プロセス技術に関する国際学会「Symposium on VLSI Technology」と、半導体の回路技術に関する国際学会「Symposium on VLSI Circuits」である。2つのシンポジウムの総称として「VLSIシンポジア」を使っていた」であることに留意されたい)。 これまで、技術シンポジウムと回路シンポジウムの実行委員会は2つのシンポジウムの統合を徐々に進めてきた。そして昨年のハワイ開催でほぼ完全な統合を実現し、1つの「VLSIシンポジウム」として初めて開催した。前述の通り、今年は「VLSIシンポジウム」としては2回目の開催となる。 「VLSI Symposia」が「VLSI Symposium」となるまでの主な歩み。2016年以前は技術シンポジウムと回路シンポジウムの開催地は同じだが、開催日程にずれがあった。2017年には、両シンポジウムで開催日程を同じにすることで、参加者の交流を活発化した。また共同のデモンストレーション展示と金曜日のフォーラムを新設した。2018年には、前年にテストケースとして開催した金曜日のフォーラム」)を恒例のイベントとした。2019年には共同のワークショップを新設した。2022年には技術シンポジウムと回路シンポジウムを統合し、「VLSI Symposium」となった。2023年4月25日に開催された記者会見の資料から 昨年のハワイ開催と比べると、今年の京都開催はリアルイベントとしての性格がかなり強まった。この変化にはCOVID-19による渡航制限の大幅な緩和が影響していると思われる。メインイベントとサブイベントはすべて現地会場での開催となった。論文発表は会場での口頭講演となり、事前収録によるビデオ講演は原則として廃止された。 オンライン参加の登録枠はあるものの、料金はリアルイベントと変わらない。またオンライン参加者が講演を視聴できるのは、現地開催の後になる。オンデマンドで視聴できるコンテンツは、一般講演と招待講演、基調講演、ショートコース、フォーラムである。ワークショップやパネル討論会などはリアルイベントのみ。なおリアルイベントの参加登録者は、オンライン参加者と同様にオンデマンドで講演を視聴できる。 VLSIシンポジウムの開催概要。すべてのイベントが現地開催となった。オンラインでの参加枠はあるものの、講演をオンデマンドで視聴できるのはリアルイベントの開催後になる。またワークショップやデモンストレーションセッション、パネル討論会などはオンデマンド配信の対象とはならない。2023年4月25日に開催された記者会見の資料からここからはVLSIシンポジウムの見どころをスケジュールの進行に沿って説明していこう。すでにご説明したように、6月11日の夜はプレイベントのワークショップを予定する。デバイス・プロセス技術から3件、回路技術から3件のテーマを用意した。時間割は午後5時30分から午後7時15分が1件、午後8時から午後9時45分が残りの5件である。最初の1件は「オープンソースのLSI設計」がテーマ。オープンソースの物理デザインキットと設計自動化ツール、オープンソース設計のコミュニティといった最近の動きを反映した。残りの5件は「EUVリソグラフィの高NA化」、「裏面活用の将来、電源配線網の次は機能ブロックか」、「先端ノード開発で材料からシステムまでを協調最適化する手法」、「機械学習チップとシステムの均一で正確なベンチマーキング」、「3次元イメージセンサー」をテーマとする。いずれも技術講演会に比べて踏み込んだ内容を議論する。続く6月12日はプレイベントの2日目となる。2件のショートコースを午前から夕方まで用意した。1件は「Advanced CMOS Technologies for 1 nm & Beyond」、もう1件は「Future Directions in Highspeed Wireline/Optical IO」を共通テーマとした。 ショートコース1「Advanced CMOS Technologies for 1 nm & Beyond」の講演タイトルと講演者の一覧。CMOS向けトランジスタ技術、EUVリソグラフィ技術、ロジック用トランジスタのプロセス技術、多層配線技術、先進パッケージング技術、3次元集積化技術などの講演を予定する。VLSIシンポジウムの公式サイトから抜粋したもの ショートコース2「Future Directions in Highspeed Wireline/Optical IO」の講演タイトルと講演者の一覧。サーデス技術、光伝送用ASIC技術、シリコンフォトニクス技術、異種チップレットの相互接続技術などの講演を予定する。VLSIシンポジウムの公式サイトから抜粋したもの 6月12日の夜には、デモンストレーションセッションと歓迎会を同じ会場で実施する。デモセッションはテーブルトップ形式で一部の発表者が研究内容を訴求するイベントで、論文の講演前に研究内容について質問できることから、好評かつ貴重なプレイベントとなっている。またレセプションでは、ビュッフェ形式の軽食が提供される。6月13日~15日は、前述のようにメインイベントである技術講演会が開催される。初日と2日目の始めは、プレナリーセッションとなる。それぞれ2件のプレナリー講演を予定する。 プレナリー講演では注目のトピックをテーマとすることが多い。すべて招待講演である。今年のテーマは「パッケージング」、「メモリ」、「量子コンピューティング」、「超LSIの未来」で、全体としては技術寄りとなっている。プレナリー講演の概要。「量子コンピューティング」、「超LSIの未来」をテーマとする。2023年4月25日に開催された記者会見の資料から技術講演会では、632件の投稿論文から選ばれた212件の研究成果が口頭で発表される。採択率は34%で前回と変わらない。またレイトニュースとして20件の投稿論文から選ばれた1件の研究成果が口頭で発表される。一般講演は、6月13日の基調講演が完了した後に休憩を挟んで始まる。タイムスロットとしては午前の後半となる。この時間帯には回路分野のセッションC1とセッションC2、それからデバイス・プロセス分野のセッションT1を予定する。 以下にこの時間帯の注目講演を挙げよう。メモリのセッションでは、キオクシアとWestern Digitalなどの共同研究チームがTLC方式としては記憶密度が17Gbit/平方mmと高い3D NANDフラッシュ技術を発表する。試作したシリコンダイの記憶容量は1Tbitである。ワード線の積層数は210層を超える。メモリセルアレイを8個のプレーンに分割することで、205MB/sの高速書き込みと、40μsと低い読み出しレイテンシを実現した。 Samsung Electronicsは、14nm世代のFinFETロジックとプロセス互換の128Mbit埋め込みMRAM技術を開発した。電源0.

64V、温度150℃の条件で読み出しサイクル周波数は80MHzとかなり高い。ニューラルインターフェイスのセッションでは、Univ. of Torontoほかの共同研究グループによる成果発表が興味深い。ラットの脳に無線経由で刺激を与え、小さなプールの迷路を誘導して泳がせるシステムを開発した。複数のラットで実験に成功したとする。 デバイス・プロセス分野のハイライトセッションでは、次世代トランジスタ技術の発表に注目したい。imecはモノリシックプロセスでナノシート構造の相補型FETを試作した。ボトムFETとトップFETを48nmのゲートピッチで製造した。ソースとドレインはエピタキシャル成長で作成。ボトム側とトップ側の間隔30nmを結ぶ高アスペクト比のコンタクトも形成している。両FETの飽和SSは70~75mV/decと良好である。 Intelは、裏面電源を導入したIntel 4プロセスによるE-Coreの実装について述べる。裏面電源ビアを採用した効果を検証した。コアの大部分でスタンダードセルの回路使用率が90%を超えるとともに、動作周波数が5%向上した。6月13日午後:低消費プロセッサの開発成果が相次ぐ 6月13日の午後は、昼食休憩を挟んで前半のセッションが午後2時に始まる。この時間帯には回路分野のセッションC3、セッションC4、セッションC5と、デバイス・プロセス分野のセッションT2、セッションT3、セッションT4を予定する。6つのセッションが同時に進行するので、かなり目まぐるしい。National Taiwan Univ.ほかの共同研究グループは、消費電力が26.4mWと低いIoT端末向け画像再構成プロセッサを開発した。VGA画像を60fpsで処理したときの消費電力は26.4mW。製造技術は40nmのCMOSプロセスである。National Taiwan Univ.は、携帯端末向けの超音波イメージングプロセッサも発表する。標準モードとアドバンスモードをサポートし、消費電力は169mW。 東京大学は、消費電力が152.8μWときわめて低いDNNプロセッサを開発した。常時オンの音声コマンド認識用である。35の音声コマンドで構成される業界標準の音声セットを認識する。製造技術は40nm。シリコンダイ面積は7.63平方mmである。 MediaTekは、消費電力が0.62mW~1.61mWと低いディジタルCIMベースのディープラーニングチップを発表する。常時オンのビジョンシステム用である。消費電力は0.62mW~1.61mWと低い。従来チップに比べて消費電力を約3割と大幅に削減した。製造技術は12nmである。National Taiwan Normal Univ.ほかの共同研究グループは、強誘電体メモリのサイクル寿命を延長させるリカバリ技術を開発した。記憶素子である強誘電体キャパシタに非対称な交流電界を与えると、強誘電性の劣化が回復する。200周期のリカバリ動作によって寿命を10の12乗サイクルに延ばした。 Samsung Electronicsは、第8世代の3D NAND技術による1Tbitのフラッシュメモリを発表する。ワード線の積層数は236層とかなり多い。高アスペクト比のメモリホールにおけるエッチングの均一性を向上させた。セル間干渉を緩和し、データ保持の劣化を抑制する技術も開発したとする。 Samsungは、裏面電源配給網を3nmノードのロジックに適用することで、消費電力と性能、シリコン面積を最適化する技術を開発した。ブロックレベルの回路動作周波数は3.6%向上し、回路面積は14.8%縮小した。午後の後半は、休憩を挟んで午後4時に始まる。この時間帯には回路分野のセッションC6、セッションC7、セッションC8と、合同分野のセッションJFS1、デバイス・プロセス分野のセッションT5、セッションT6を予定する。この時間帯も6つセッションが同時に進む。 この時間帯の注目講演を回路分野から紹介しよう。PAM4方式の超高速トランスミッタ、高密度波長多重方式の超高速光レシーバ、FPGAチップレットとDSPチップレットを高密度実装したディジタル信号処理用パッケージ技術、非接触で心電図を計測・記録するICの研究成果に注目したい。 Univ. of California, Los Angelesは、伝送速度が112Gbit/秒と高く、消費電力が58mWと低いPAM4方式の高速送信回路を開発した。28nmのCMOS技術で電圧モード送信回路を試作した。回路は抵抗器なしのDA変換器、3タップラッチレスFFE、パッシブ型スキュー補償器、56GHzのインテジャーN型PLLなどで構成する。試作した回路の送信エネルギーは0.52pJ/bit、クロックジッタは160fs、線形性は96%である。 Intelは、1波長当たり32Gbit/秒の光信号を8波長まとめた伝送速度が256GbpsのDWDM方式光通信用レジーバーを発表する。波長間隔200GHzの8波長光信号を受信したときのビット誤り率は10のマイナス12乗未満と低い。電気信号ICチップと光信号ICチップを集積したシリコンフォトニクスのパッケージを想定した。 Univ. of MichiganとIntelの共同研究グループは、14nm技術のFPGAチップレットと22nm技術のDSPチップレット2枚をEMIBによって1個のパッケージに集積するサブシステム「Arvon」を開発した。16bit半精度浮動小数点処理の最大性能は4.14TFLOPSである。ニューラルネットワークや通信などの処理を想定した。 POSTECHとSamsungの共同研究グループは、非接触方式の8チャンネル心電図計測・記録ICを報告する。コモンモード干渉と動きアーチファクト、動きアーチファクトが引き起こす余分なコモンモード・差動モード変換の影響を抑制した。デジタルアシストの時分割多重方式で心電図を計測する。TCMRRは110dB。National Taiwan Univ.は、ナノシート構造の強誘電体FETを積層した不揮発性メモリセルを開発した 。2nm以降の技術ノードを想定している。書き込み電圧は2Vと低く、メモリウィンドウは1.8Vと広い。サイクル寿命は10の11乗以上、データ保持期間は10年以上と推定した。 Qualcomm Technologiesは5G対応フラグシップスマートフォン向けSoC「Snapdragon 8 Gen2」の実現技術を公表する。製造技術は4nmのEUVリソグラフィとFinFETである。5nm技術の既存製品「Snapdragon 888」と性能を比較した。製造技術と設計技術の進化により、「Snapdragon 8 Gen2」は全体的に性能が向上している。シリコン面積は20%縮小し、リング発振器の動作周波数は20%高まった。消費電力当たりの処理性能はCPUが25%、GPUが100%向上した。バッテリ寿命は20%延びたとする。 imecは、モノリシック製造する相補型FETの積層コンタクト技術を報告する。午前の後半にimecが発表したCFETを構成する重要な要素技術である。ボトム側はアスペクト比が16、CDが12nmのトレンチをタングステンで埋め込む。高さが60~100nmのコンタクト形成における垂直方向のエッジプレイスメント誤差は2%と少ない。トップ側コンタクトはボトム側と類似のプロセスで製造し、ボトム側とは酸化膜で分離する。6月13日の夜は、午後8時から2件のパネル討論会を同時に開催する。1件のテーマは「What is Scalable & Sustainable in the Next 25 Years? 」である。スケーリングの限界が明らかになり、サステナブルが社会的な課題となっている状況で、半導体産業の次の25年を牽引するような限界突破技術を物理、製造、経済性、チップの消費電力、製造に必要な電力量、製造工程で排出する地球温暖化ガス、人的資源といった観点から議論する。 もう1件のテーマは「Can Universities Help to Revitalize the IC Design Industry? If So, How? 」である。IC設計産業と大学の関係を改めて問い直し、相互に有益な関係をいかにして構築をすべきかを議論する。翌日の6月14日も、大量の技術講演セッションを予定する。朝8時過ぎから夕方の5時過ぎまで、複数の講演セッションが同時並列に進む。講演数があまりに多く、精査に膨大な時間を要している。大変申し訳ないのだが、水曜日以降の注目講演は機会を改めて紹介したい。

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