国策の中でも重厚長大な産業が関係したり、公共工事が伴ったりするものは投資テーマの候補から外せない。多額の税金の投入や企業の設備投資などが期待できる上に、受注額も巨額となるケースが多く、関連株の業績成長や株価上昇への寄与が見込めるからだ。大型のプロジェクトでは関係する企業が多く、まだ物色されていない「隠れ関連株」も生まれやすい。高市政権が進める国策の中でも特に投資額の大きい分野から有望株を探してみよう。
高市政権が進める大型投資の代表例が「造船」だ。2025年12月に政府は「造船業再生ロードマップ」を公表。24年に907万総トンだった建造量を、35年には1800万総トンまで引き上げる目標を掲げた。そのために、35年までに官民で1兆円超の投資の実現を目指していく。 政府が力を入れる背景には、世界的な造船需要の高まりがある。DZHフィナンシャルリサーチの畑尾悟さんは「温暖化ガスの排出が少ない船や軍艦などを新造するニーズがある」と見る。そこに、老朽船の更新ラッシュも重なった。 しかし、日本の新造船のシェアは世界全体の1割程度。日本が船主となる船を造る際も、海外の造船所に頼らざるを得ない状況だった。資源の多くを輸入に頼る日本にとって造船能力の低さは経済安全保障上のリスクに直結する。そのため、国を挙げて造船業の復興を目指しているというわけだ。「国土強靱(きょうじん)化」にも着目したい。災害の多い日本ではインフラの整備・管理は必須の課題だ。だが、高度経済成長期に建設したインフラが徐々に更新時期を迎えている。政府は災害に強いインフラを整備するために、25年6月に「第1次国土強靭化実施中期計画」を閣議決定した。事業規模は26〜30年度で20兆円程度に上る予定だ。いちよしアセットマネジメントの大島経寛さんは、インフラの中でも特に下水道管に注目する。「老朽化して有害なガスなどが漏れると健康被害も発生しかねない。政府も分厚く予算を付けている」と指摘する。更新工事を請け負う銘柄だけでなく、水処理設備などを手掛ける銘柄にも注目だという。「防衛」も見逃せない。26年度の防衛予算(米軍再編関係経費などを含む)は初の9兆円台となる見通しだ。地政学リスクが高まる中、政府は遠方の目標への攻撃手段やドローンなどの「無人アセット(装備品)防衛能力」の強化を急ぐ。さらに自民党と日本維新の会は防衛装備品の輸出規制の緩和を政府に提言している。この規制が緩和されて海外への販路が広がれば、重工大手をはじめとする防衛関連銘柄の業績成長が期待できそうだ。衛星で撮影した地表の画像を分析すれば、インフラの変化や災害時の状況を把握できる。そのため、宇宙関連株は「国土強靭化」の面からも有望と言えそうだ。.
高市政権が進める大型投資の代表例が「造船」だ。2025年12月に政府は「造船業再生ロードマップ」を公表。24年に907万総トンだった建造量を、35年には1800万総トンまで引き上げる目標を掲げた。そのために、35年までに官民で1兆円超の投資の実現を目指していく。 政府が力を入れる背景には、世界的な造船需要の高まりがある。DZHフィナンシャルリサーチの畑尾悟さんは「温暖化ガスの排出が少ない船や軍艦などを新造するニーズがある」と見る。そこに、老朽船の更新ラッシュも重なった。 しかし、日本の新造船のシェアは世界全体の1割程度。日本が船主となる船を造る際も、海外の造船所に頼らざるを得ない状況だった。資源の多くを輸入に頼る日本にとって造船能力の低さは経済安全保障上のリスクに直結する。そのため、国を挙げて造船業の復興を目指しているというわけだ。「国土強靱(きょうじん)化」にも着目したい。災害の多い日本ではインフラの整備・管理は必須の課題だ。だが、高度経済成長期に建設したインフラが徐々に更新時期を迎えている。政府は災害に強いインフラを整備するために、25年6月に「第1次国土強靭化実施中期計画」を閣議決定した。事業規模は26〜30年度で20兆円程度に上る予定だ。いちよしアセットマネジメントの大島経寛さんは、インフラの中でも特に下水道管に注目する。「老朽化して有害なガスなどが漏れると健康被害も発生しかねない。政府も分厚く予算を付けている」と指摘する。更新工事を請け負う銘柄だけでなく、水処理設備などを手掛ける銘柄にも注目だという。「防衛」も見逃せない。26年度の防衛予算(米軍再編関係経費などを含む)は初の9兆円台となる見通しだ。地政学リスクが高まる中、政府は遠方の目標への攻撃手段やドローンなどの「無人アセット(装備品)防衛能力」の強化を急ぐ。さらに自民党と日本維新の会は防衛装備品の輸出規制の緩和を政府に提言している。この規制が緩和されて海外への販路が広がれば、重工大手をはじめとする防衛関連銘柄の業績成長が期待できそうだ。衛星で撮影した地表の画像を分析すれば、インフラの変化や災害時の状況を把握できる。そのため、宇宙関連株は「国土強靭化」の面からも有望と言えそうだ。
