「消費者は質の高いコンテンツは受け入れるが、ゴミは拒絶する」──米Adobeがラスベガスで開催した年次イベント「Adobe Summit 2025」。特に会場を沸かせたのは、Adobeのシャンタヌ・ナラヤン会長兼CEOと、米コカ・コーラのジェームス・クインシーCEOによる、マーケティング活動を巡る対談だ。
「消費者は質の高いコンテンツは受け入れるが、ゴミは拒絶する」──米Adobeが3月18日~20日(現地時間)にラスベガスで開催した年次イベント「Adobe Summit 2025」。特に会場を沸かせたのは、Adobeのシャンタヌ・ナラヤン会長兼CEOと、米The Coca-Cola Company(コカ・コーラ)のジェームス・クインシーCEOによる、マーケティング活動を巡る対談だ。会話の中では、冒頭のようにクインシーCEOから 生成AI 活用を巡る考えも明かされた。クインシーCEOによれば、コカ・コーラのマーケティングはパーソナライズがカギを握るという。その出発点となったのが、2011年に実施した「Share a Coke」キャンペーンだ。ボトルに個人名を印刷した「ネームボトル」を展開。自分や知人の名前付きボトルを見つけた人がSNSにシェアする動きが広がり、売上にも貢献した。ボトルに名前を入れるというアイデア自体は昔からあったが、デジタル印刷技術の発展で初めて大規模に実現できた。 そしてAIの登場により、パーソナライズはさらに加速するとクインシーCEO。マーケティングを展開する企業側は、 生成AI や自動化を駆使して安価にクリエイティブを変更し、消費者が反応するまで歯ぎしりをしながら追いかける。かたや追跡にへきえきした消費者は、あらゆる広告をブロックするアプリを欲するようになるとの見方を示した。では、コカ・コーラはAIの波にどう乗るのか。クインシーCEOは「大企業は動きが遅くなりがちだが、私たちはどう使うべきか分からないうちからAIの列車に飛び乗った」と話す。をAIで作成した。AIの活用により、従来より安く迅速に制作できたという。ただし、まだ人間の顔をリアルに生成するまでには至っておらず、今後は「広告に人間を登場させたい」という。 クインシーCEOはコカ・コーラが今後、何にマーケティング予算を使うべきかの方針も示した。「ライブ体験だ。なぜならそれは避けることができない。音楽業界の動向を見れば明らかで、今や多くの収益がライブ体験から生まれている」 クインシーCEOのメッセージは、技術そのものよりも、それを使う目的や企業価値の本質に立ち返る大切さを示している。AIを導入するだけでは不十分で、それらを通じて本当に価値ある体験を生み出せるかがカギだ。AI時代においてもマーケティングの勝者は「最も多くのAIを使った企業」ではなく「最も優れた創造性を持つ企業」なのかもしれない。対談の内容も踏まえ、基調講演ではAdobeから新しいAIサービスも発表された。マーケティングの分野では、自律的に動くAIエージェントをマーケティング業務に統合する技術「Adobe Experience Platform Agent Orchestrator」などが登場した。 マーケティング担当者はこれまで、データ分析、コンテンツ制作、ターゲット設定、チャネル最適化など、多岐にわたる業務を限られたリソースで対応してきた。Adobe Experience Platform Agent Orchestratorは、こうした業務ごとに特化したAIエージェントを連携させて効率化し、人間の創造性を最大限に引き出す環境を提供するとうたう。例えば「Site Optimization Agent」というエージェントはWebサイトのパフォーマンスを常時監視・改善し、「Audience Agent」は膨大なデータから最適な顧客セグメントを抽出する。「Content Production Agent」というエージェントはブランドに沿った素材を大量生産し、「Workflow Optimization Agent」というエージェントはプロジェクト全体の進行を効率化する。これら10の用途別AIエージェントが連携しながら、マーケティングの各工程を支援するという。 現在のデジタルマーケティングは、的外れな大量のメールや広告で顧客を困らせ、広告費を無駄にする悪循環に陥っているとAdobe。適切なパーソナライゼーションを行えば顧客の反応が向上し、広告の無駄打ちも減らせる。しかし、人力では限界がある。AIエージェントが業務を効率化することで、マーケターがより創造的な戦略立案に集中できる環境を整えるアプローチを取るという。続きを読むには、コメントの利用規約に同意し「アイティメディアID」および「ITmedia AI+メールマガジン」の登録が必要です.
「消費者は質の高いコンテンツは受け入れるが、ゴミは拒絶する」──米Adobeが3月18日~20日(現地時間)にラスベガスで開催した年次イベント「Adobe Summit 2025」。特に会場を沸かせたのは、Adobeのシャンタヌ・ナラヤン会長兼CEOと、米The Coca-Cola Company(コカ・コーラ)のジェームス・クインシーCEOによる、マーケティング活動を巡る対談だ。会話の中では、冒頭のようにクインシーCEOから生成AI活用を巡る考えも明かされた。クインシーCEOによれば、コカ・コーラのマーケティングはパーソナライズがカギを握るという。その出発点となったのが、2011年に実施した「Share a Coke」キャンペーンだ。ボトルに個人名を印刷した「ネームボトル」を展開。自分や知人の名前付きボトルを見つけた人がSNSにシェアする動きが広がり、売上にも貢献した。ボトルに名前を入れるというアイデア自体は昔からあったが、デジタル印刷技術の発展で初めて大規模に実現できた。 そしてAIの登場により、パーソナライズはさらに加速するとクインシーCEO。マーケティングを展開する企業側は、生成AIや自動化を駆使して安価にクリエイティブを変更し、消費者が反応するまで歯ぎしりをしながら追いかける。かたや追跡にへきえきした消費者は、あらゆる広告をブロックするアプリを欲するようになるとの見方を示した。では、コカ・コーラはAIの波にどう乗るのか。クインシーCEOは「大企業は動きが遅くなりがちだが、私たちはどう使うべきか分からないうちからAIの列車に飛び乗った」と話す。をAIで作成した。AIの活用により、従来より安く迅速に制作できたという。ただし、まだ人間の顔をリアルに生成するまでには至っておらず、今後は「広告に人間を登場させたい」という。 クインシーCEOはコカ・コーラが今後、何にマーケティング予算を使うべきかの方針も示した。「ライブ体験だ。なぜならそれは避けることができない。音楽業界の動向を見れば明らかで、今や多くの収益がライブ体験から生まれている」 クインシーCEOのメッセージは、技術そのものよりも、それを使う目的や企業価値の本質に立ち返る大切さを示している。AIを導入するだけでは不十分で、それらを通じて本当に価値ある体験を生み出せるかがカギだ。AI時代においてもマーケティングの勝者は「最も多くのAIを使った企業」ではなく「最も優れた創造性を持つ企業」なのかもしれない。対談の内容も踏まえ、基調講演ではAdobeから新しいAIサービスも発表された。マーケティングの分野では、自律的に動くAIエージェントをマーケティング業務に統合する技術「Adobe Experience Platform Agent Orchestrator」などが登場した。 マーケティング担当者はこれまで、データ分析、コンテンツ制作、ターゲット設定、チャネル最適化など、多岐にわたる業務を限られたリソースで対応してきた。Adobe Experience Platform Agent Orchestratorは、こうした業務ごとに特化したAIエージェントを連携させて効率化し、人間の創造性を最大限に引き出す環境を提供するとうたう。例えば「Site Optimization Agent」というエージェントはWebサイトのパフォーマンスを常時監視・改善し、「Audience Agent」は膨大なデータから最適な顧客セグメントを抽出する。「Content Production Agent」というエージェントはブランドに沿った素材を大量生産し、「Workflow Optimization Agent」というエージェントはプロジェクト全体の進行を効率化する。これら10の用途別AIエージェントが連携しながら、マーケティングの各工程を支援するという。 現在のデジタルマーケティングは、的外れな大量のメールや広告で顧客を困らせ、広告費を無駄にする悪循環に陥っているとAdobe。適切なパーソナライゼーションを行えば顧客の反応が向上し、広告の無駄打ちも減らせる。しかし、人力では限界がある。AIエージェントが業務を効率化することで、マーケターがより創造的な戦略立案に集中できる環境を整えるアプローチを取るという。続きを読むには、コメントの利用規約に同意し「アイティメディアID」および「ITmedia AI+メールマガジン」の登録が必要です
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